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MAGICA NEAT  作者: 孤独
第50話『縦横無尽に暴れすぎ!どいつもこいつも変態ばっか!』
192/267

Dパート


ロバート裁判長がジャネモン化して得られた能力。


保育士から(レール・スクール)伝達・ブック


ロバート裁判長本人の口から


「いらねぇ!!」



発動条件・発動規則:


1.自らが対象者達にルールを語り掛ける・話かける事で発動条件を満たす。相手の了承などは必要ないが、理解されてない場合は無効となる(話を聞いてない・盗聴で聞き取った場合は無効)



2.話しを聞いた者達は、ロバート裁判長の言ったルールを破ることが”できなくなる”

この”できなくなる”というのは、死や拘束とは違ったなんらかの形で行われる。凶悪に破るほど、結末が酷くなる。

(例:ピーマンなどの野菜へと変身させられる。



3.自ら決めたルールは、自分もペドリストも護らなければいけない。ペドリストは能力が発動した時点で、テレパシーのように知れる。



4.個人・団体に絞るルールは適用されない。


決して難しくはない発動条件。しかし、ロバート裁判長から仕掛ける事がほぼできず、ルールの作り方にも細かい規制がある。個人を狙えるならば、それは無敵に近い感じもあるができない(ペドリストの性格が原因だろう)。




発動範囲・発動時間:



1.ロバート裁判長のルールを聞いた者達が対象。聞いた存在はどこにいようが、ルールを破れば罰が下る。



2.法律の有効時間は、”10分間”。複数の法律を作る事ができるものの、一度決めてしまった後は10分後にならないと再度法律を作れない。



「どーしろってんだよ、これ!!私が手に入れてもしょうがねぇだろ!!」


以上のようなルールの下、手に入れた能力であるが……。

本人が言う通り、すでに権力者と言える人物が手に入れても使い道がない。無能とは言わないが、そんな回りくどい事をせんでも金と権力で相手を動かすなんてほぼできる。むしろ、ペドリストが監視しているような状態では、自分の〇〇ニーもオチオチできるものではない。


とにかく、弱者に対しては強者から護れるような優れた防御・制御に長けた力である。が、最初から強い人間はまるで要らない。それこそ、欲しいのは若返りといったもの。自身に影響を与える者の方が好ましい。

見た目と思想は大きく異なるだろう。

ペドリストには裁判長というより、指導者という思いで見ていたのかもしれない。



「ええーいっ、ダースサン!早くマイクを持ってこい。島内全域に伝えてやる」

「分かりました!でも、あんまり難しいのだと、ワズーシャ達も巻き込まれますよ」

「うぐぐぐっ……」



単独ならば間違いなく強能力。しかし、手にしたばかりな事と組織を持つロバート裁判長には、使い方が難しい。法律を作れるというのはそう容易くないと分かることだ。

ロバート裁判長は現状を整理する。

この7Fからでは島内全域に放送を流すことはできても、下の様子までは分からない。

壌の姿は分かったが、他に誰がいるかは分かっていない。単独で来るわけがねぇとは分かっている。性質上、受け。自分の安全を第一に考え、ルールを敷くべきだとの判断。

連続してできないが、10分毎に入れ替えができる。

本人は知らぬが、近い能力で言えば、マジカニートゥだ。時間稼ぎという点も考え



ピンポンパンポーンッ



マイクを使って島内全域にルールを伝える、ロバート裁判長。



『これより!各自、自分のいるフロアから離れてはいけない!!”いいな”』



知らぬ者からすれば、なんだそりゃ?って放送ではあるが。

知っている者からすれば、どうなるか分かるから首を頷かせた。

ロバート裁判長は、まず。”誰も上がって来るな”、”誰も下がるな”とも言える法律を張った。

放送と同速で張られる嫌な悪寒。見えない結界が聞いた者達をスキャンさせる。これで何人なのかが特定できれば、ロバート裁判長も困らなかった。少なくとも、足止め。



「スターブとフィニンが来るまでの時間稼ぎだ」



絶対に信頼できる2名が来るまで、自分の命を護ることだけを考えた法律。


「フィニンに通信をして、こちらの情報を伝えないとな。何も知らないと巻き込んでしまう」



◇            ◇



ロバート裁判長のファインプレイとは。


「”暴力”を禁止するとか、言えばいいのに~」



戦闘状態でそんな法律を作れば、壌もろともワズーシャとエーブラックの2名を葬る事になる。

タイミングが上手く行けば壌を瞬殺できたかもしれないが、逆の場合はどうなることやら……。壌の機動力を見ていた事で、”暴力禁止”だと彼女を止めようがない。

そのルールを省いたのは、英断。

難しいルールを組み込まないのは、正しい。



「……今ので、叩き落とせば、壌を止められるわけだよな?」

「ああ。だが、俺達も叩き落されねぇーように」



2VS1。そして、殴り殺すのではなく、相手を3Fから場外にさえすれば勝てるというルール。

壌の圧倒的な戦闘力でも、勝ちの目は上がった。


「お二人共、私の妖艶さを見る目が変わったねぇ~~。私もジャネモン知ってるから、気を付けるんるん!」


3Fから上がるなり、下がるなりをすれば無事じゃないってのは把握。自分が突入前に一騒動があったのは、これによるものだと推察した壌。2人の男を足止めするなら良い判断だが、ペドリストがどこに行ったのやら。

表原達が巻き込まれてなきゃいいが……っと。




スウゥッ



「前羽の構え……」


壌が戦う構えを取り始めた。それは空手の型の1つに近いが、肘の曲がり方がやや違う。両手で受けるより、薄く覆うように見える。

R_18指定されるべき、裸体に近い恰好はどうにかならんのか。しかし、この生乳の揺れがたまらん、魅了。覗きたくなる


「あなた達は私の胸をた~んっと、視れるかしらぁ?」


前に伸ばして広げる両手が両胸の中心を見させない。

いかなる戦闘でも、



”自分の乳首は相手に見せない”



じゃあ、その恰好をちゃんとすりゃいいじゃねぇか!!ってツッコミもあるだろうが、そーいうポリシーが強さを引き上げる事もある。両足を戦闘に活かす戦い方をする壌にとって、そのふざけたポリシーは本気であり、誰にも見させない。

常識では考えられないトリッキーさも武器。



「……俺がまずやる」

「お前ごとやってもいいか?」

「構わないぞ、ワズーシャ。俺ごと壌を突き落とせ」



連戦では歯が立たない。連携でなければいけない。

エーブラックは自ら志願して壌を正面から引き受け、ワズーシャは壌の右側面へ移動する素振りを見せる。戦闘の隙を見て壌を3Fから突き落とすという判断。



「……………」



先ほどから、3Fから突き落とすという言葉を互いに出し合っている。

通路には壁ができているが、決して厚みのあるものではない(元々、ここでドンパチは想定してねぇ)。

壌はいわずもがな、エーブラックとワズーシャだって、壁なんざ意味ねェくらいの格闘をこなせる。

長さはもちろん、横の広さも喧嘩するくらいには十分。それは2正面から攻めようとする連携も、すぐに対応できるとも言える。



ヒュウゥッ


左の軸足はピンっと揺れず。

優雅に右足は上がっていく。野花壌は、次の攻撃は右足でやりますよって宣言しているもの。エーブラックは右足に意識を集中する。特に足首だ。中段から上段に繋げてくる。

どちらかが踏み込めば、休みのない攻防になる。


「……………」


壌の左の軸足が大きく揺れ動いた瞬間。



バヂイィッッ



エーブラックの左足と壌のローキックが激突した。威力は明らかに壌の方が上であり、エーブラックが押された様子を見せるも意地で食らいつく。それを躱してやろうと、足技とは思えない変幻自在ぶり。下段に来たかと思えば、上段にも来るし、急接近もしては逆立ちの態勢を作る。


バギイィッ



「おぉっ!」



エーブラックの懐に入り、華開くかのようなカポエラ。左腕を軸にし、蹴りの連撃をエーブラックの顔に集めていく。奇襲を伺うワズーシャも、タイミングを間違えればこいつをもらっていた。

壌は激しく回った後、両腕でバランスをとり、エーブラックの足へと急降下する足払いを仕掛ける。

その不意にエーブラックの体のバランスを崩される。硬い防御の緩みを逃さず、壌は彼の鎖骨付近を蹴り飛ばす。


「ちょーっと、力入ってない?」

「!」


無理矢理過ぎる態勢でエーブラックの体に響く壌の蹴り。

言葉と、ちげぇだろって感想。


バシィッ


「!」


柔術という事において、ワズーシャの経験からでも起きた試しはない。

足の器用さ・技術力。それらが手並になるのなら、シンプルに脅威は分かっているが。

壌の右足、その足指がワズーシャの服をガッチリ掴んでいる。それを戦闘の一瞬にして、利用する術。



「『武利牟 ON』」



足運びだけで相手を翻弄する事もある。しかし、足の精密さを持ってしても、自身の肉体に投げ技を仕掛けてくるなど初めて。

不意にもらったものではあるが、上手い受け身でノーダメージで凌いだワズーシャに



「そう簡単に喰らってくれないねぇ~」

「そう捕まれる事はないんだがな……足指で投げ技なんて仕掛けるとは」

「その恰好と同じ以上に、イカレてやがるぞ。テメェ」



強い。

それは分かっていた。



ビイイィィッ



だから2人は、壌が一瞬。振動を感じた瞬間を逃さなかった。



◇            ◇



ロバート裁判長の法律が島内全域に張り巡らされた。

その悪寒で何かがあると分かっていたが、具体的な事は表原達には分からない。



「な~んか、嫌な感じ……」

「だろうな。たぶん、俺達と似た能力」


空間に働きかける力が起きた事に、レゼンは言及。表原も頷いた。

表原、レゼン、寝手、アセアセ、飴子の5名は透明のまま、4Fへと来ていた。階段を昇っている最中。もう少し昇ると5階。


城の構造上。

エレベーターは分散されるようになっているが、階段には直通で昇れるようになっていた(地下から6階まで)。

直通の階段には人が配置されており、彼等を気絶させてこのフロアまで来ている。放送の中身からして


「気絶したこいつ等を外に放り込めば、分かるんじゃねぇか?」

「鬼畜な事を言ってるよ!!」

「でも、僕達にとっては安全だね」



5人の内、誰かに先行させるにはリスクが高い。

少し良心は痛むが寝ている人を窓のある部屋まで運びつつ、ひょーいって投げ落とす。



ビギィッ



「うっ……」



投げ落とした時、表原とアセアセは目を瞑ったが……。そんなことを何とも思わず、寝手とレゼンは視ていて……。フロアから離れた人間が落下する速さよりも凄い速度で変形していること。



ボオォンッ



煙を出して、変わったものは……バナナ。

人間が果物となり、地面に落ちるとその中身がやや露出していた。


「人間が果物になったね」

「罰を破ると、それなりのダメージが来るってわけか」

「な、なに冷静になってるんですか!!果物とかに変えられるって、食べられる可能性もあるじゃないですか!」

「こ、怖いんだけど。まともに喉に食事が通らないかも……」



解除方法があるのか。これを防ぐ術はあるのか。

決められたルールが城全体に適応されたとなると、昇れる方法は現状ない。少なくとも、階段やエレベーターという手段では……。


「あ、飴子ちゃんが上に行くとかできない?」


瞬間移動で昇る。

その試しは必要だが


「悪くないけど、飴子ちゃんがやられた後はどうする?そもそも手詰まり」

「マジカニートゥで無理に上に行く事はできるだろ。だが、俺達はペドリストが相手だ。おそらく、ルールを設けたのはロバート裁判長って方だろうよ」


ロバート裁判長がジャネモン化OR”宿主”となっているのは、この状況で察した。

となると、ペドリストが”傍にいない”可能性もある。


「細かく罰を指定できないんだろう。おそらく、この手の能力には自分もルールを護るリスクがある。つまり、全員フロアを行き来できない」



レゼンが焦らずにいるのは、ともかくこの手の能力は相手をひっかける事が要であること。急いで行動するのは、敵にやられる可能性がある。


「4階を少し探ってみないか」

「そーいう寝手はずーっと、私におぶられてますよね?降ろしていい?」

「いいよ」


寝手をゆっくりと降ろして、ほっと溜息を吐くアセアセ。一方で寝手は目を瞑ったまま、床の上で楽な姿勢で座ったまま、ある提案をする。


「2チームに分けてみようよ」

「チーム分け?」


そんなことを言っておいて


「僕はここでゆっくりするから、誰か護ってくれるのを一人置いてくれるといいんだけど」

「それってあなたの勝手ですよね?」


やる気なくなったって発言。それにムッとする表原。悪い提案ではないし、寝手が率先して離れるなら良いと思う。アセアセもまたですかって感じの表情で、ため息。飴子は相変わらずの無言。

一方で寝手の様子に違和感を見たレゼンは


「……じゃ、”そっち”は任せる。表原。……っと、アセアセ、飴子ちゃんも借りてくぞ」

「それ賛成。ベストアイディア!」

「えええ!?ちょちょ、寝手をここに置いていくんですか!?無防備です!寝手が歩けばいいじゃないですか!」



賛成する表原とは違い、相方であるアセアセは慌てるのであるが。



「動かないで透明化してれば、敵が気付くわけもない」



レゼンのアドバイスで納得してしまう。

アセアセも表原達と一緒に4階の探索を行うことに……。そして、寝手は言うと



ビビッ



『…………』


5階・6階・7階、地下の様子を探り始めた。

自分の能力を活かし、この中間階層から覗き視する。本体の位置が固定されている状態で、能力による索敵は法の外という事だろう。

空間の光彩を捻じ曲げて視る……リアルに作るVR空間というのは、誤れば他人にも違和感を与えかねないが……。それを気にすることなく、ほぼ無人。この使い方だと、カメラのような道具はなく、生物が感じる気配とやらも残らない。



『…………』



7階には、……ロバート裁判長と護衛が1人。この可愛いお嬢さんがペドリストじゃなさそうだ。……黒のTバックなんだね。ここまで来るには、エレベーターを使わないとダメか。

6階はフロアが多いなぁ(密閉じゃないから潜入できるけど)。色んな道具が置いてあるけど、ロバート裁判長の趣味か。良い趣味してるね。



法律がなくなれば、7階までは一気に行けるだろう。それくらい人はいない、スカスカだ。不自然なくらいにだ……。

その様子を見た後、地下への。自分達が見た、大人達の様子は言うと……




「は、早くここから出せ!」

「こ、これ以上下に行ったら、俺達がーー!!」



丁度、地下へ移動中。そのほとんどが地下1階にいるわけだが、タイミング悪く階層を降りてしまった者達は悉く、人間ではない何かに変えられてしまった。そして、その混乱で騒動が起きていた。

どうしようもない金持ちのクズだから、放っておく。……子供達を檻にそのままにしていたのは英断だろう。子供達には何が起こっているのか、把握できていないだけだ。


寝手が、表原達と別れていたのは情報収集という点もある。こちらの情報はあまり出したくない(っていうか、表原からしたらキレられるの間違いなし)。能力の性質上、”視る”情報でしか得られない。確定情報とするにはあまり薄い。



『!……こいつは、なんだ?』



寝手が6階で見たある存在達。

彼等が何を叫んでいるか、分からないが……見られる限り、彼等は人間で



『小人?』



人間の姿形でありながら、そのサイズは消しゴムくらい。新種の生物とも思える小ささ。

そんな彼等が檻に入れられている。……服からして、ここの警備員やらお客様だった連中が小さくされているように寝手には見えた。この結果はロバート裁判長とは異なるもの。




ドスウゥンッ




寝手がそうしている間に、4階を捜索している表原達は遭遇するのであった。



「デュフフフ~~」



彼からしたら待ち構えていたというより、偶然に過ぎない。エレベーターに乗っていた時に法律ができたもんだから、焦った。

ロバート裁判長の法律によって、ペドリスト自身も上の階にも下の階にも行けない。自分の持つ”索敵手段”によって、城内の違和感を知ったペドリストが、壌よりも表原達に敵意を見せたのは同類の匂いを感じたからか。

初めて彼を見た、表原とアセアセをして



「うへぇ……」

「あ、あなたですね」


一発で自分達の目的である相手と看破できる。不気味さ。不健康な中年具合。青色の一つ目鼠が描かれたTシャツ。体に白いヒビができているが、実態は不明。

それを誇らしげにか、彼女達に名乗ってあげるペドリスト。


「僕の名はペドリストだぉ!可愛いお前達!僕の夢のために、協力するんだぉ!!」


キモいおっさんが、女の子に夢を語る姿は気色悪い。


「うわああぁっ!!ちょっと、この展開はあたしが戦う流れじゃん!!」

「落ち着けって、表原!アセアセは一旦、元のところに戻れ!ここは俺達で相手をする!」

「わ、分かりました!!」



4F。

3F~5Fまで繋がるエレベーター付近でペドリストと遭遇した表原達。



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