表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAGICA NEAT  作者: 孤独
第50話『縦横無尽に暴れすぎ!どいつもこいつも変態ばっか!』
191/267

Cパート


「あの~」



2階の尋問室に運ばれた表原巫女。その彼女と机を挟む形で敵意はなくとも、睨みながら確認をするリーシィア。

雰囲気と返答から明らかに表原巫女は今回の騒動どころか、エロシュタイン島がなんなのか分かっていない。

誰の差し金と聞いても、親友の名と自分の娘の名前を答えるだけ。



「は~」



これに拷問をかけたところで何も情報でねぇーな。

だが、


「だけどね、あんたの車椅子に盗聴器とかが出てるわけ」

「そ、そんなー!私、知りませんよ!」


利用しているのは間違いない。

奴隷にしようものなら売れるのかどうか、巫女の体がどーなのか分からないが


「分からん奴の処分は、ロバート裁判長の指示が出てから」

「えーーーっ!私、どうなるんですか!?娘の麻縫の事も気になります!」

「黙ってな!」



尋問室には窓がない。

入って来られるのは廊下のある扉の方からである。それを遮るようにリーシィアは座っており、巫女ではどうにもならない。そもそも、脱出などという方法なんてまったく考えてもいない。



フワッ



巫女の後ろは壁。紛れ目もない城壁だ。

その先も、その中も見えてはいないが、……。外では高速に縦回転をしながら飛んでる、痴態を晒す女性。

回転からの一極集中へと連動する跳び蹴りは、城の外から



「『BEE QUEEN』」



ドゴオオォォッ



爆発物を用いなければ破壊できないであろう、強固な城壁。それを人間技かつ一撃でぶっ壊して中に侵入。尋問室へとダイナミックに突撃した野花壌に、巫女もリーシィアも驚いたが。


「テメッ!」

「壌さん!?」


壌の視線。瞳孔はゆっくりと情報を捉えて、脳に送っていた。

自分が着地した場所が巫女の横であり、左手で掌底に作って前方の机を押し上げる。それは急に戦闘態勢をとったリーシィアに向かってのこと。リーシィアは素早くナイフを出して構えたが、机という障害物が向かってきた事でナイフの刃先を机から避けさせ、手の甲で留めに来た。自分の足が潰されないようにしたが、その緩急の間。机という障害物をものともしない、武力。


「『六 TOM』」


浮いた机のわずかな隙間からの下段蹴り。机を貫通・破壊・散らすほどの中段蹴りを3つ。首OR顎をぶち抜く、上段蹴り。


「っがぁ」


防御も回避も許さず、最後の6連撃は回し蹴り。



ガゴオオオォォッッ



城に爆弾でも落ちたかのような衝撃。リーシィアが気付いた時には、もう終わったほどの瞬殺。完全に尋問室を破壊し、その廊下までも貫通。



ガラァァッ



リーシィアの体が1Fの大広間に落っこちた。


「ふ~~っ、ごめんね。みこみこ、怖かった?」

「つ、壌さーーーん!ど、どこから来たんですか!?壁壊して来た!?ここ2階ですよ!」


尋問から救出よりも壌がとんでもない方法。もっと言えば、どーやって入ってきたと思うこと。

そんな巫女の混乱を他所に


「ごめん!ちょ~~っと、順番ズレちゃった。あとで男の子を巡ろう!」

「そ、それより麻縫や壌さんは……?」

「大丈夫!私達は強いから!まほまほも自力でなんとかするでしょ」


こんな派手な侵入で構わない。

巫女の状況は分かっていたが、ロバート裁判長が何かしらの手品を披露したとは育から連絡が入った。


「未だに〇交パーチーにならないのは不思議だね。気を遣ってる?」


妖人でもない壌には、違和感のようなモノは感じ取れない。しかし、場の雰囲気から1Fの大広間に落ちたリーシィアとは別に、騒ぎがあったのは伝わる。



「リーシィア。すぐに治療していいのか?」

「おい、お前達!すぐに避難しねぇと、巻き込むぞ!!」


医師でもあるグレイフアが落ちて気絶しているリーシィアを治療し、エーブラックがロバート裁判長の術中に掛けた大人達に、脅しを込めて誘導。地下の方へと誘導させる。立て続けに起こった出来事の前に、意気消沈で従うしかない大人達。

蹴り殺されるのも、人間とは違う”物”に変えられるもゴメン。



「ロバート裁判長。すぐに上へ行きましょう」

「ああ。まったく、なんて日だ」

「エーブラック達!ここは任せるよ~!」



ロバート裁判長は相手の正体を掴めずとも、即座に逃げを実行。ワズーシャとダースサンの護衛2人を連れて、エレベーターへと向かう。

2Fで何かが起きたと分かり、それを探るべく2Fに来たのはホワッキー。

壌達の視認を急いでいた。

皆殺しならば、ゆっくりとしているだろうが。



「!あの3人だね」


2Fから見える1F大広間の様子から、壌はすぐにロバート裁判長を発見。そして、彼に向かって跳んでいった。その跳躍は人を超えたものであり、逃げるロバート裁判長の分まで届きそうなところ。

その襲撃に気付き、防御に回ったのはワズーシャ。



ゴオオォッッ



ワズーシャが壌の蹴りを受け止めつつ、ロバート裁判長をエレベーターへと急がせる。狙ってくるとは思っていたが、こうしておよそ生身の人間が飛び掛かってくるのは想定していなかった。


パチャッ


「!……」

「へぇ」


壌とワズーシャが向き合った瞬間。壌のその破廉恥な恰好に目など留めず、その”超人”と言える身体能力を警戒するワズーシャ。それを珍しく思ったからこそ、ロバート裁判長を連れているダースサンがワズーシャに振り返らず、叫ぶ事無く、それでも焦りに


「お急ぎします!」

「うおぉっ!?」


お嬢様らしい恰好から”葬儀屋”とも言われる人物。ロバート裁判長と一緒に走るのではなく、抱え込んでしまい、さらにスピードアップ。ワズーシャはロバート裁判長達に背を向けている以上、壌の足止め。

壌との力量を感じ取りつつ、先手を打ってきた。

当て身の突きを



「危ないわね」



壌は難なく、ワズーシャの手首を掴んでしまうが。それはロバート裁判長のところへ行かせない動き。手首を掴まれた状態から、


「ぉっ」



壌の体と足が地面から離れる。当て身が温い遅さであったが、繰り出される柔術は鋭く速く。壌のバランスを崩して、彼女の要である両足を大地から離した。ワズーシャは腕の拘束じゃなく、両足の無力化を狙ったもの。

柔術と同時に、壌の体と密着して、寝技に持ち込もうと狙うが。


「いっけな~~い」


地面から浮いた程度では、壌には温い。密着しようとするワズーシャの肩に足をかけ、軟体生物の類と思わせつつ、関節のいくつかが滑らかに外れる音と共にワズーシャに体を巻き付き、彼の背中へと移ってしまう。

ワズーシャの寝技を軽々と封じ、逆に寝技で返す壌。腕の一本を折ろうとした。


「ぐっ」

「”手ぶら真拳”はそんなに甘くないぞ」


蹴り技主体かと思えば、寝技においても……壌の性格などからしてあり得ないわけではないが、脅威的な身体能力と状況判断能力。



「!」



相手が雑魚ではなく、意識をしっかり保つことでそれはねぇーって思っていたが、壌はワズーシャに掛けた寝技を解除したほど



パアァンッ



あわやワズーシャも撃ち殺しかねない中、2Fから壌への狙撃を試みて来たホワッキー。

その狙撃には自信があり、反応が遅れていれば撃ち殺していただろう。狙撃の腕前は確か。ワズーシャも寝技から解放したが、壌を自由にしたも同然。


「じゃ!」



ワズーシャは倒せなかったが、壌の狙いはロバート裁判長。すでにエレベーターは到着し、ロバート裁判長とダースサンが乗り込んでいた。壌が俊足だろうと間に合わない。案の定、エレベーターの扉は閉まって上に行く。

階段か、次のエレベーターが来るまで……。ワズーシャとホワッキーはその考えでいたが、



「そんなに待てないわ」



ドゴオオォォッ



エレベーターの扉を蹴り破り、エレベーターの壁に足をかける壌。その様子に戦慄が走り、ワズーシャが叫ぶ。


「ダースサン!!油断するな!!」



その叫び声の方がわずかに速い。しかし、壌はすでに壁を駆け上り始めた。常識が通じない人間が、さらに人間を超えている常識破り。上がるエレベーターに対して、走って追いかけてくる。



「『HEAT 渡 RUN』」



火花を発するほどの駆け上がり。その初速・加速はエレベーターの性能を遥かに上回る。そして、構造上。このエレベーターが決して速くない事と、停止するために減速・停止をすること。

箱の形をするエレベーター。追いかけたところで侵入する術など、常識は通常の人間にはない。



ガシャアァァッ



エレベーターの床から突き上げてくる連続した衝撃。

壁を駆け上がるだけと思っちゃいけない。壌は今、エレベーターの底に足をつけては、這い回る。

重力に対して完全に逆らい、エレベーターをぶっ壊して中へと入る。エレベーターの底からやってくる様はまさに、化け物だ。



ガシャアァッ



「!」



しかし、壌がエレベーター内でロバート裁判長とダースサンを確認できなかった。そして、すでに開いている扉。

あちら側もエレベーターを待つ気はなく、扉をぶっ壊して出て行った。

だが、完全な逃走にならず。ロバート裁判長を抱えて走る、ダースサンを発見、


「待て待てーー!!」

「ひいっ!」

「その男の首をちょっと蹴り落とすだけだから!!そんだけだから、置いていってーー!!」


ダースサンも相当な身体能力を有するが、ロバート裁判長を抱えている事と壌の身体能力が高すぎることで追いつかれそうになる。

その危機的状況で、


「でゅふ」


この場に相応しくなく、しかし、その汚らしい男からすればエロシュタイン島は似合う。


「あら」


壌の姿を見て、襲うというより止めに来たという動き。

ペドリストがその太った巨体を活かして、壌に向かっていくが


「あなたのお相手をするのは今度ねっ」



バギイイィィッ



壌の本心としては、一撃で葬ろうと蹴った攻撃であるが、……。衝撃通りの音と結果でも、ペドリストは倒れない。

だが、ペドリストの体に白いヒビが走り。壌はロバート裁判長達を追う事はできなかった。

強烈な一撃を


「っ……ふふふっ、まさか一撃で、この体にヒビができるなんて、驚きだぉ!」

「おっかしいなぁ。私の全力の蹴りで生きてるの、なかなかいないし、ヒビも謎」



ペドリストが持ち堪えていること。さらに


「ロバート裁判長!早く、上に避難してくれぉ!!ここは僕が食い止めるぉ!!」


壌の足止めを引き受ける。

それに返事はないものの、ロバート裁判長は別のエレベーターで上に行く。その様子を知るだけしかできない壌は、


「あなたがペドリスト?」

「如何にもだぉ!!」

「革新党の標的じゃないんだけどな~……」


これを倒すとなると、


「どいてくれると、嬉しいわん。この恰好のお色気でも通してくれにゃーい?」

「それは嬉しいけれど、僕にも僕の大事なものがあるんだぉ!!申し訳ないぉ!!lせめては、綺麗なその体は傷つけないんだぉ!」


壌は誘惑するかのようなポーズを出すも、御礼だけしてNOを伝えるペドリスト。彼なりの敬意のある断り方に、壌も満更ではなかった。浅はかな考えだったよね。そりゃあ。


「ちぇー、……でも、まぁいいか」


この子を倒すのはちょっと難しそうね。何してくるか分からない。それとロバート裁判長が、どーいう事をしてくるかも気を付けたい。騒動からして、なんかやったんでしょ。ま、私の間合いに引き込めれば勝負は一瞬でつくけど、周りの連携がなってる。

時間を与えると手間取るなぁ。



お互いに膠着。ペドリストからも仕掛けて来ないのは、あくまで壌を倒す相手とは認識していないから。一方で、その女を止めるべく駆け上がって来た者達。



「ペドリストか!助かった!その女は俺達で止める」

「お前、野花壌だな!その超人ぶり。合点がいく!」


エーブラックとワズーシャが壌の下に辿り着いた。奇襲からの暴れぶりもそうであるが、一度動きを止められると実力勝負になってくる。ペドリストはそれを見越してか、壌から視線を逸らして、ロバート裁判長の下へ向かおうとする。その隙を突こうにもこれじゃあダメだと、壌もワズーシャ達の方に体を向けた。



「しょうがない。私の”手ぶら真拳”を堪能してちょーだい」



壁の向こう側は、1Fの大広間に落下する通路での格闘。



◇         ◇



ゾロゾロ……



騒動に次ぐ、騒動。

その様子を不可視の空間で覗き見ている表原達は、1Fに辿り着き、大広間の通じる通路までやって来ていた。

そこで入れ違う形で出会ったのは、誘導されている大人達の様子。



「な、なんか様子おかしくない?」

「大人というか、ここのお客様達が地下に向かってますね」



エロシュタイン島でどのような行動となるかは、表原達にとっては分からない。だが、好からぬ快楽をするパーティーで、泣いたり俯いたり、戸惑いを見せるといった。表情に恐怖を感じさせる行進は、異常。



「さっきの”邪念”の衝撃で何かあったんだろ」



洗脳のような類ではなく、脅しがあって地下へと送られる大人達。あんな牢屋で


「牢屋で一緒にやるなんて品がないなぁ」

「何を考えてる!?寝手!」

「あり得ないって。そーいうのは極少数か、貧乏人くらいだ」


お客様専用のVIPルームがあるだろう。

誘導というよりかは、幽閉させようとする段階と見た寝手。

そして、そのすぐ後に自分達がまったく反応が追いつかないほど、壌の奇襲が加わった。ロバート裁判長達は上層に逃げて行ったらしい事も声から分かったが、表原達の狙いはペドリストだ。



「というわけで上を目指そうか。ほら、アセアセ」

「おぶられてるのに……」

「あ、寝手くん。なんか壌さんがエレベーターをぶっ壊したみたいだよ」

「階段か~、嫌だなぁ」

「私の方が嫌です!もーー」


寝手をおぶりつつ、上へ行く手段を探す表原とアセアセ。

自分達の周囲を透明化しているため、進みは遅くとも確実。壌の奇襲で周囲が混乱しているのも確か。

そんな一行とは裏腹に。



ヂャキンッ



「おいお前。あの飛び込んで来た女を止めろ」

「ええぇっ!なんで”銃を向ける”んです!?そんなの止めてください!」

「さっきから厄介事起きてんの!!責任とれっ!」



2Fで壌を狙撃したホワッキーは、リーシィアが尋問していた巫女に拳銃を突き付けていた。

これが壌との関係があるのは分かったが、大事かどうかまでは分からない。戦闘力という面で脅威はなくても、人質としての利用価値がある事もないが……。ホワッキーがその価値を理解するとは思えない。

車椅子の彼女を壌の下へ連れて行くのも、リスクとムダがある。

言葉を出すというのは、とても優しいこと。

ホワッキーが銃の引き金を引いたのは事実だった。



パアァンッ




巫女の体を撃ち抜いたはずの弾丸だと思ったが、


「あっ?」


いつ、どこで、……自分の情報が変わっていたのか、分からない。

自分で自分の腹を撃ち抜いていた。

気付いた時は、痛みで歪んだ顔を作って、血を噴いていた。

ホワッキーが拳銃を床に落として、両足を震えさせながら



「な、なんで私が……自決してんだ……」



その場で崩れ落ちた。

彼女の言葉と共に血を流し、巫女はホワッキーを助けようと車椅子から転げるようにでも、向かった。


「だ、だから言ったじゃないですか!”自分に銃を向けないで”って!」


巫女が見て・聞いたこと。ホワッキーが見て・聞いたことが噛み合っていない。

現実を見ていたのは巫女の方だ。

ホワッキーがここにやって来た時、銃を取り出して、巫女に構えていたが……。いつの時点か、幻覚を魅せられて銃を自分に向けていた。それが結果に過ぎない。

その整合性を唯一とれる人物。



「残り1人」



寝手の存在だ。

大勢の客に紛れているはずだった状況が、こちらの想定と大幅に異なり、自分達が考えていた乱戦や暗殺になりにくいと判断。

明らかにロバート裁判長と協力する連中を確実かつ葬ること。

今、アセアセにおぶられているという情けない状態に反し、寝手の視界は一緒にいるアセアセや表原、レゼンとは違っていた。空間内を透明にできる力を部分的に応用すれば、人間の視界、視角にも多大な影響を与える。

光の屈折にも働きを掛けることで見えない位置の様子も分かるのだ。


砕けた言い方をすれば、VR空間をリアルで展開できるほどだ。

寝転がっている状態でも女の子の胸の谷間をマジマジと見たり、自分が立っている状態でも女の子の股下から今日のパンツは何を履いているのかを確認できる。(もっとも、こんな事まで可能なのはアセアセも知らない)。

寝手は周囲を索敵し、巫女とホワッキーの衝突に割り込んで、ホワッキーを自決させた。いちお、ホワッキーの血を巫女には見えないようにしてあげる。寝手本人はまったく動かないが、索敵と感覚操作で妨害をするという、乱戦での強さを見せつける。それに表原達が気付く頃は、もう遅い。




「ホワッキー?なんだ、今の銃声はどーいうことだ?」



1Fでリーシィアの治療に当たっていたグレイフア。彼の位置からはホワッキーが自決した事を確認できない。銃声は


「顔を見せてもらっていいのか!?」


敵を始末した事だろう。そのはずだ。

そうであってくれと思うのは、自分が考えている事よりも状況が悪いからだ。

不吉な奴と手を組むと


「ロクな事はない……か」


リーシィアの治療を終えた後、すぐにホワッキーの様子を確認しに向かったグレイフア。迷わず、巫女のいた尋問室へと入り、そこで血塗れで倒れているホワッキーの姿を確認。……巫女の姿はどこにもなかった。


「ホワッキー!」


傷口と状況から、……ホワッキーが何をされたかは不明なものの、自分で自分を撃ったという暴挙が分かる。グレイフアが彼女を治療中。彼女から流れた血が跳ねるっ



パシャァッ



治療している人間の後ろから、銃を持った人が現れて躊躇なく連射する。

心も何もない人間にしかできない、迷わない動き。ホントに心がないからだ。



「…………0」



権田飴子がホワッキーの血を利用して瞬間移動。そこからの零距離の射殺。

奇襲&奇襲で、一気にロバート裁判長の陣営を崩すのであった。



◇             ◇




ロバート裁判長の警護人達が一気に3人も敗北・死亡となった。

城内にいるいるのは、ロバート裁判長の傍にいるダースサン。壌と今戦っている、エーブラックとワズーシャ。



ブオオオォォッ



「俺は今日、非番なんだが……」

「またそれですか」



残りの2名は今、高速の小型船でエロシュタイン島に向かっている最中だった。

通信のやり取りでは絶対に来ず、直接迎いに行かないといけない面倒な男がいた。

ロバート裁判長の執事を務め、船を操縦するフィニン。その横で休暇中の気分が抜けない男、スターブ。

タバコを咥えながら、その先端をなぞると



シュボッ



ともる。

スターブ、一服中。

所属する者達はいずれも曲者かつ、特殊な人間である。強さだけならば、このスターブが一番強い。

指でなぞっただけで、発火を起こす。

彼もまた、妖精などというモノがいなくとも、可能としている人間。



「警護を増やす必要、あんのか?」

「無論。スターブが丁度、休みのせいでもありますよ」

「でも、ロバート裁判長はご存命だろう。よく分からんのが乗り込んだとはさっきから聞いたけど」



野花壌とより近い同族、2名。

そして、エロシュタイン島の城内。ロバート裁判長とダースサンの2名はついに、




「は~、なんとか7Fまで来れましたね。ロバート裁判長。ここなら籠城できるでしょう」

「冷や汗掻いた~。ダースサン、俺をちゃんと護れるんだよな!」

「もちろん、ヘリの手配も済ませてあります」

「いや、奴等がその時まで来ないって事だ!」


早くスターブとフィニン、戻ってこーーい。

ペドリストなんて信用できんし!あれが噂の野花壌!革新党の差し金か!!


「次の”法律”ができるまで、あと2分!だが、法律は10分間だけ!!それに今のようにいきなり襲って来られたら、まったくの無力じゃねぇかこの野郎!!」

「わ、私にそれを仰られても!ペドリストに言ってくださいよ!」

「いらねぇーんだよ、この能力!!使えねぇーんだよ!法律なんてもんは、自分の都合が良い時だけに使われる辞書に過ぎねぇーんだよ!」

「あなた、国際レベルの裁判長でしょ!?まー、こんな島を運営しているから、いいんでしょうけど!!」



コントをやっている場合じゃない。

定めた法律ルールを破った者に対し、罰を与えるといった簡単な説明で済むが。

この力の発動条件・発動時間がかなりのピーキー。



おまけ:


表原:随分前と違いますね。印象が

レゼン:前の飴子ちゃんの挿絵から2年以上経ってるからな。

寝手:洗脳しちゃったら、髪の色素が落ちちゃってさ~

表原:明るく言うな!!気持ち悪い!

レゼン:……えー、最近になって、挿絵の作り方を一から見直したんで、雰囲気が大分変わるかもとのこと。既存キャラを改めて更新したいとか。挑戦中だって。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ