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MAGICA NEAT  作者: 孤独
第49話『仲間に売られて潜入しちゃいますよ、イケない島の本気かよ!』
188/267

Eパート

『惑わせ、フーロン』



表原とアセアセが驚き、大声を上げるものだから……。寝手は即座に妖人化し、この部屋の中に幻を仕掛けた。そして、騒ぎを聞いた傭兵達が乗り込んで来て、銃を構えていた。



「なんの騒ぎだ!」


傭兵達が部屋で見たのは……。


「なんだ虫か。それくらいで大きな声を出すな」

「僕達虫が苦手なんで、その銃で駆除してくれませんか」

「次は大きな声を出すなよ。銃など使わない」


しょうがねぇ奴等だと傭兵は思いながら、虫を潰してティッシュに包んで持ち帰っていった。もちろん、その虫は幻であり、存在していない。傭兵達を無事にやり過ごしたところで



「それにしても、表原ちゃんの恰好は性奴になるための恰好だね。可愛い」

「ちょ!」


次に大きな声を出したら、ヤバイため。表原は顔を滅茶苦茶赤らめるだけにした。なんてことを言うんだと……。

表原がそーいう状態故、レゼンが代わりに寝手とアセアセに尋ねた。自分達がそこへ訪れる理由は想像しやすいからだ。



「なんでSAF協会がいるんだよ。……ルミルミまで来てるのか」

「残念。僕とアセアセともう1人だけだよ。ルミルミちゃんは来てないさ」

「そ、そちらこそ!あなた達以外は来てないんですよね!勘弁してください!!レイワーズのペドリストを倒しに行くだけなんです!」


寝手は冷静に質問”だけ”を答えたのだが、表原と同じく焦るアセアセは泣きながら、質問以外の事も言ってしまった。それに、”あっ”という声を発しつつ、そんな答えを聞いて表原もハッとし


「え、寝手くん達も?」

「表原。それ以上はまだ言うな」


好戦的な此処野やムノウヤなどではなく、動かなきゃ基本は無害の寝手。女の子にとっちゃ、危険人物に変わりはないけれど。



「なんだ。同じ理由で来ちゃったわけ?……反応を見るに、最強候補の粉雪さんやキッスさんは来てないようだけど。野花桜か北野川がいるのかな?」

「同じ理由だと?」

「ん?もしかして、表原ちゃんは性奴に……」



バチンッ


「違うわっ!!まったく!」



さすがの表原もキレて寝手の顔にビンタをかます。そんな馬鹿な理由で来るかと、分かってはいたが。


「……ん~、痛いなぁ。冗談だよぉ~」

「今回の任務。あたし達以外、変態しかいないんだけど……」


同じ理由という事は


「顔を叩きましたけど、寝手くんと戦う必要はないよね?レゼンがいるし、あなたの能力は分かってるからこっちは対策できる」


本心は戦わなくていいこと。そして、寝手が自分に何かしようというのなら、ぶっ飛ばすという意志表示をした表原。能力が分かっているのと分かっていないのでは、有利になりやすい本気の空間が作りやすい。ルミルミやシットリ、ダイソンのような、瞬間的な高火力の攻撃もないため、この距離間では寝手に勝ち目はない。

そしてそれは、寝手にとっても都合良く


「此処野を置いてきて正解だね。アセアセ。彼なら間違いなく、騒動になってたよ」

「結果論です!結果論!!」


遠回しにではあるが、”お互い”に良かったなって事。そして、


「寝手とアセアセしか来てないのか?」

「そだね。ペドリストを倒しに来た。……という話なんだが、ちょっと面倒な事実確認も必要なんだ」


言うんですか?って感じのアセアセ。任務は確かに同じなんだが、ちょっと違うところがある。


「僕達は奴の”宿主”ごと、倒しに来た。まだ、その存在を確認してないけど。それがない間は戦う予定はないんだよ。こっちの都合さ」

「だが、そんなのすぐに分かるだろ。むしろ、追い詰めれば……」


レゼンはすぐに寝手との利害の一致を察し、協力を求めた。そして、寝手も分かっているかのように


「共闘か~」

「えーーーーー!?」

「な、何を勝手な事を言うの、レゼン!!」


その驚愕の言葉を発するも、アセアセからすればある意味に渡りに船。レイワーズの強さを知るだけに、共に戦ってくれるならマジカニートゥは心強い。一方で、表原からすればこんなセクハラ野郎。


「この、蒼山みたいなクソキモイ眼鏡下着オタクと同格な変態!見かけが多少良いだけの変態お坊ちゃんと、あたしが手を組めって!!?」


さり気に罵倒される蒼山。とっくに死んでいるのに可哀想。あの変態ぶりを見せつけてるから、当然かもしれないが。

とはいえ、表原からすれば今号泣してもいいくらいに、こんな人物と一緒に、



「キモイ相手と戦う予定なのに、さらに同レベルの奴と一緒にーって!!」

「落ち着け、表原!ちょっとタンマ!」

「いいよー」



寝手の了承を得て、部屋の隅に移動しレゼンは表原と話し合う。本当かどうかは知らないが、とりあえず


「とにかく落ち着け、泣くな。今なら倒せる状況とはいえ、寝手の実力は間違いなく俺達以上だ」


寝手と初めて会った時から、こいつが只者ではない事をレゼンには分かっていた。そして、人間嫌いのSAF協会が特例として囲うくらいの人間。妖人としての素質は、間違いなく表原以上。超ダメ人間。

目的がほとんど同じなら戦う理由はまずないし、


「レイワーズの強さは怪護達でよく分かってる。そして、寝手の実力にも底が見えない」

「ううっ」

「逆に考えて、寝手がレイワーズのペドリストを始末してくれるなら、こっちの負担は軽減できるし、互いに相討ちだってあり得る」


随分な悪巧みのある発言。変態同士がなんかの理由で戦ってくれるというのなら、そーいう”状況”にまでマジカニートゥがサポートすれば良い。レゼンの冷静でこちらにとって最良の考え


「うーー、今回だけだよ!ホントにホントに!」

「よし!」


話し合いが終了。

再び、寝手達の方に体を向けて、表原の方から


「戦う理由はないけど、変なことしたらぶっ飛ばします!」

「ふふっ、別にしないよ」

「対等な関係じゃないですよ!あたしが上!!絶対に変なことをしてきたらダメっ!!あたしの言う事を聞いてよ!」

「んん~~、どーしよっかな?僕は構わないけど」


表原の要求に対し、寝手はスンナリとしそうだったが。アセアセはというと


「えっ!?あ、あ!そ、そうですね!!寝手のセクハラはさせません!いけません!それはキッチリ叱りますので!今回限り、手伝ってください!」


何をされるか不安にはなったが、寝手の暴走を止めると決めてアセアセも承諾。この場で結託をしたわけで、表原も少しホッとしたのだが……。共闘とはいえ、敵同士。レゼンは気を抜かず、


「あと1人いるんだろ?そいつの意見は?っていうか、誰が来てるんだ?」


寝手の助っ人のもう1人が誰なのかを求めた。そー言えば、さっき言っていたなって表原も気が付き、それが此処野とルミルミじゃないってだけで、余計にどんな奴か分からない不安がある。その問いに対し、応えることは容易ではあり、彼女も概ね同意。

寝手は


「絶対に協力してくれるよ。”誰か”は、訊かないでくれ。表原ちゃん達のために言うさ」


その言い方が表原達に対し、とても最良な言葉だ。アセアセもそれについては否定しないし、誰が来てるのかは言いづらい。っていうか、”誰”の問題じゃない。どーいう状態なのかを見せるのは、”共闘”という面では悪い情報だ。アセアセにもそれは分かり、ぎこちない感じではあるが、要求の拒否


「あーーっ!それは事実です!此処野じゃないし、ルミルミ様じゃないし!!でも、ちょっと!あの会うのはその、止めた方が……。わ、私達のためっていうか」

「…………」

「僕達の印象、大きく変わっちゃうよ」

「私を一緒にしないでください、寝手!!あなたです、あなた!」

「寝手くんが変態なのは分かってます」



それは表原が知る限りでしかない。こう長く人間をやると、他人の本性は深いものばかりだ。



「レゼンくん。ついさっきの”約束”、まさか君達から破らないよね」


表原に言ってもしょうがないだろう。寝手からすれば”共闘”が不成立するのは宜しくないから、表原のことを気遣ている。それを察しろというのは、味方の時だけ。無理難題であるがため、


「当たり前だ!俺達が主導権を握る!」


その3人目の人物を呼ぶようにした。しかし、飴子がやって来た時の表原の反応は、寝手の予想以上であった。



◇           ◇




摩訶不思議に出会うことを夢見るのはいい。それとホントに出会った時、……。

首筋くびすじに流れる汗は何を思うか?



「不思議な子ネズミだ」



ペドリストとロバート裁判長はすぐに出会った。案内もそうだが、静止に向かわせた部隊達が次々と小さくなって、無力化されたからだ。

大人が小さくなるという現象をそうすぐに信じる事もできず。ロバート裁判長は逃げるのが遅れた。

しかし、それに怖気づく玉ではない。

この世に生まれて、いくつもの重圧を経験し、拳銃に躊躇はない。そして、言葉巧みさはもっとだ。



「すごいだろぉ!これが僕の力だぉ!」



ペドリストからすれば、自分が捜していた人物。その理想にとても近いことを一目で感じ取った。汚らしい体で興奮し、その汗がエキサイトしているのは自他共に分かってる。一方で、それとは対照的。そして、チビ化する恐怖とは違う。ワクワク感。ロバート裁判長は、体から出る汗で知る。



「私に会いたいと言うか?もしかしてだが、この島を占領とするのか?」


命とどちらが大事か。

ロバート裁判長には、今。自分が語る法律では止められない、暴力と対峙する。ブレーキの掛け方を間違えたら、大事故を起こす。まだその手前だ。故に表情も、ましてや心を揺らしているなど、出来やしない。

ペドリストには抵抗こそあるが、相手を殺傷するような雰囲気はない。そして、瞬時に判断したのは相手はそう賢くはないこと。歳をとるというのは悲しくも、経験という貴重なものを得られる。


「占領!?違うぉ!ただ、ここを改装したい!子供達が無限に遊べる島!!テーマアイランド!!」

「??」


価値観の違いは、理解に時間は掛かる。しかし、ロバート裁判長は把握せずとも察した。

こいつ、たぶん。精神的には不屈で折れず、かといって固まっているようで液体のように柔らかくもある。見かけによらず、一線を引いている。そのため、話させた。ペドリストは気持ちに乗って語る。



「子供達による、子供のための島!!それには島はもちろん、お金もいる!!仲間もいる!!子供が大好きな気持ちも必要だぉ!!その仲間に!僕の目からして、ロバート裁判長は同志だぉ!!ぜひ!僕と協力して欲しいぉ!!」



夢好きな男はむしろ好印象。夢に生きる男は、生きていてカッコいい。そーいう知り合いもロバート裁判長にはいるが、……自分と合う合わない以前にだ。



「ギブ&テイク。何事も、私ができることと君ができることがなければな」


夢を語るには、それなりの実力が必要。それが金であり、資格であり、実績である。

自分がチビ化する恐れもあるが、ペドリストからすればそんな脅しで成立させるテーマアイランドなんて、自分の理想と違う。夢の欠片もない。自分もできること。


「大人も小さくなって子供になれるぉ!!」


それは自信満々


「ほら!みんな、こーーんな風に!大人だって子供になって楽しめるぉ!ちゃーんと大人にも戻れる!!子供の目線で、子供として親も楽しむ!!まさに夢の島だぉ!!」


自ら人間達を小さくした存在をロバート裁判長の眼前に持っていく。その最中にペドリストの太って気持ち悪い姿に、退きもするロバート裁判長。この姿でそれやってると、危険以外何者でもない。

夢の大きさは分かる。



「…………で?」

「で?……で?……デブ!僕がデブだとぉ!?」

「お前の体型はそうだけれど、私はそう思っていない。で?……」


”で?”

夢を追う者に、興味を持たない者はそう尋ねる。

ペドリストには時間が掛かり、悩むことばかり。ロバート裁判長はここを勝負所として、踏み込んだ。



「お前にそれができてどうなる?大人が子供のように小さくなって、お前の夢や野望に近づくのか?私が仮に協力したとて、お前にはそれしかないのか?」

「………むっ……それだけじゃないぉ!!」


図星。それだけでは足りない。無意味。

夢と現実の違いというのは大きい。ペドリストの能力はその夢に近づける力があっても、実現するわけでもない。



「僕はもっともっと強くなれるぉ!そのためのパートナーを捜していた!この力はさらに強くなるだろうぉ!ロバート裁判長と僕が組めば、きっと良いぉ!どーいう感じになるか分からないけれどぉ!」



”宿主”と契約する事で互いに恩恵はある。しかし、その詳細については成らなければ分からない。ギャンブル展開。

ロバート裁判長からしたらペドリストの能力は凄いが、必要とは思えない。今はこの危機的な状況を乗り越えたいのが本心。


「…………」



そして、出来る事ならこいつを利用したいロバート裁判長。

ペドリストもまた、ロバート裁判長ほど自分の力と夢に一致する人材はまず出会えないだろうと思ってる。その”よっぽど”がなければ、組める。奴の甘さは、夢に対する認識の甘さ。主導権を握るべきはペドリストのはずであるが、ロバート裁判長が握れる。

”無理難題”と”自分の笑わせる夢”。絶対に叶わない夢という事を逆に言えば、永遠に歩ける夢となる。

ロバート裁判長がペドリストに提案した事は



「……お前の力が発展すれば、若返りができるのか?」

「ふぁっ!?」

「若返りは生命が求める夢!お前の夢と繋がる力。子供を楽しませるだけでなく、人々全てを楽しませられる!」


ロバート裁判長の発言。言葉には熱がこもっており、ペドリストはすぐに感化されていた。

それに冷静な思考をさせることなく、


「ならば、組もう!そして、共に歩もう!どんな犠牲を出そうとも、人類全てはその夢を抱く!!お前がやるのだ!!私はそれに協力をし、サポートをし続ける」

「!!っ……な、なんというデカイ夢だぉ……。しかしだぉ。それは可能かぉ?」

「私を捜したお前だ!!私に求めていたのは、金や権威、保有する島だけでなかろう!!私も知らぬ、私に秘めた力!違うのか!?」

「むむっ。そこまでできるのかぉ!なら、”宿主”になってくれぉ!!僕も、この力をさらに発展させるぉ!!夢のためだぉ!!」

「犠牲はいとわぬな!?」

「もちろんだぉ!!人の夢は、輝く未来だぉ!!」



ペドリストはロバート裁判長の言葉に圧し、自分から出る熱に酔いしれた。自分の夢など、通過点に過ぎないどデカい計画。自分の力を若返りまで発展できるのなら、自分の夢もさらに輝くものとなる。

感激の涙がペドリストの両目から零れた。

一方のロバート裁判長は凛とした表情で、ペドリストを見ながら、首元の汗が濃く。



「…………」



あっぶね~~~。

小さくされて、踏みつぶされたら終わりだ。無理難題を言いつけて、ペドリストを利用しておくか。金習を返り討ちにできるかもしれないが、厄ネタも引き受けそうだ。

利用しまくった後で、隙を見て島からこいつを海の沖合に投げ込んでおこう。

チビ化できるのは生物と物質ぐらいだろうし、爆弾を積んだ小型飛行機に乗せた後で、爆破させ、海に落とせばこの化け物も死ぬだろ。”宿主”だがなんだか知らねぇが、俺はお前みたいなキモイのとは関わらねぇし、そんな気持ち悪い夢は見ねぇ。


ただ、若返りが可能になるなら良いけどな。

そんなのあるわけねぇから、様子見するか。快楽と実験に使う子供達を与えておけば、困難で叶わない夢よりも現実的な楽しい夢で満足するさ。どーせ人間は。





次回予告:


野花育:ここの挿絵は寝手くんだったんだが、代打で俺になった

野花壌:編集をしないからじゃない

野花育:キャラのストックはできていたんだがな。(編集済みが俺だけだった)

野花壌:ペドリストの挿絵もそうだけど、キャラによって製作日が異なるのよ。寝手も手直した方がって思いつつ、時間ないしで

野花育:ホントね。エロシュタイン島編は短く収める予定だったのに、寝手とペドリストが中々戦わないから、長引いてるんだよ。次回、

野花壌:『縦横無尽に暴れすぎ!どいつもこいつも変態ばっか!』



挿絵(By みてみん)

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