四
超 放 置 !
次もいつ更新するか、如何なのか。
めっさかわいい女の子に話し掛けたらいきなり大声出した後熟考し始めて俺がいくら呼んでも無視してくるんだが。
ちょっとラノベ風のタイトルにしたが内容訳わからないだろう?今俺はそんな状態だよクソ野郎。あんのジジイ武器に転生させるとしてもコミュ力は必要なことわかんなくって、俺からコミュ力抜き取ったのかな?
あ、元々無いのか。
『あのー。』
『えっと。』
『あーすいません。』
これは今まで呼びかけた奴ね。
『あー。』
『ちょっと。』
『えー。』
これはこれから言う予定の奴ね。
にしたって無視しすぎだろこの娘。
「何で私しゃべれてるのーーっ!」以降完全に止まって何か考えてるからな。
いや、待てよ?俺の呼びかけにも多少の問題があるのでは?短文の呼びかけで反応してくれないなら、長文で呼びかければ良いじゃ無いか。
パンが無いならケーキを食べれば良いじゃ無いみたいなクソ理論、実行致します!
『あー完全に無視か、自分の世界に入っちゃってるなこれ。……暫く待ってみるかぁ。』
ちょっと露骨に独り言言ってる風付き、呼びかけ!これでどうだっ!
すると、彼女はちらりとこちらを見て、何か思いついたように目を見開き数分ぶりに口を開いた。
「お話が途中だったわね。」
どうやら今までの熟考時間を何とも思っておられない模様。でも現状頼れそうなのは彼女だけだからそれで良かろうなのだ。
『あ、なおった?そうですね。話途中にいきなり叫びましたからね。』
少し嫌みったらしく返した。仕方ないよね。こちとら呼び掛けたらいきなり叫びだしてその後放置でボッ立ちだもんね。ちょっと嫌みも滲み出てくるよね。
「こちらこそ、末永くよろしくお願いするわ。」
『あ、はい──ってまぁ!?まのまのま!?』
つい元の世界原産のお言葉の改良版(要約すると俺の造語)がでてしまった。仕方ないそんな日もある。彼女にはニュアンスで判ってもらおう。
すると、澄まし顔で「まのまのまよ。」と。あっれーこの世界にもまのまのまってあるのん?言葉を構築した人俺と同レベル説が大きいですぞ。もしそうならこの世界の言語終わってんな。
まあ、理解してくれなたのならそれで良いだろう。詳しくは知らない。後は野となれ山となれ。家のわんこのためにフリスビー投げたのに、他の家のでけぇ犬に横取りされたあげく、そのデカ犬の飼い主の手に渡っても知らない。涙をのんで無視する。だって話しかけれないからね。
因みに、フリスビーは返して貰った。優しいおばさまでありました。
『それでは、契約内容について詰めていきましょう。』
気分はスマホ買うときの会社の人。あの人達凄いよね。スマホの見過ぎで視力クッソ下がってそうだよね。
「敬語は要らないわよ。力を抜いて?」
『ありがとうございます。じゃあ、そうさせて貰う。で、契約内容のほうなんだけど……。』
やっべぇなんて言えば良いの?『俺の持ち主になって下さい!』いやいやいや、何告白みたいになってんの今日いきなり会った人(?)に告白はちょっとレベル高いでしょう。
そんなこんなでこちらの熟考タイム。話が前々進まないよ。やったね!と思ってたらあちらから話してきた。
「私があなたを装備して冒険にでも行けばいいの?」
『イグザクトリー。』
あんま判んない俺の多少の英語力で格好つけてみる。
「それじゃあ、私からのお願いね。私と話して私が人と話すための練習相手になって欲しいの。」
『何だかんだ今は話せないみたいな言い方だけど……』
こんなペラペーラと俺と話しているというのに、更に練習?何を目指してるんだろうね。コミュ神?あのクソジジイよりはマシな神になるよきっと。
「色々会って人と話せないのよ。」
『俺とは話してるじゃん。』
「少なくともあなたは無機物でしょ?」
おうふ。まさか話途中にこんなジャブが来るとは。その通り俺氏無機物でこざる。
『そ、そうっすね。』
「私は人と喋れないのよ。色々あって、話そうとすると気持ち悪くなってしまうの」
『そりゃ大変だ。』
トラウマ的な?人は駄目なのに俺は平気とか判定ガバいな。ゴブリンっぽい顔の人とがオークっぽい顔の人とかに頼めよ。
……ああ、駄目か。そんな顔の奴ら悪役な気しかしない。
「そう、大変なの。だから、練習に付き合って?」
『俺でいいんなら。むしろ俺こそ人と話すいい練習だ。』
コミュ力無いからね。ちゃんと練習しないと冗談じゃ無く人と話せなくなるからね。
「それじゃあ、よろしく。私の名前はクシャトリア・クラウディアよ。クラウって呼んで。」
『俺は雪だ。よろしく、クラウ。』
「ユキっていうのね。あなたには見合わず可愛い名前ね。」
この名前については俺も文句がいくつもある。何で俺の弟には普通に男の名前なのに、俺はこんな女っぽい名前なんだろうね。両親は何を考えてこれにしたというのか、未だ謎のままだ。
『あんまりそれには触れないでくれ。俺だって気にはしてるんだ。』
「あら、それはごめんなさい。それじゃあ、握手でも……出来ないわね。」
『俺の柄を持つことで握手としますか。』
「そうね、それじゃあ、改めてよろしく。」
『うん。よろしく。』
握られた柄にはクラウの暖かさと柔らかな手が感じられた。