最終決戦
そう。
イベントが終わりました。
リアルでもゲームでも。
サンタさんは来ませんでした。
「話し合いは……出来なさそうね」
まるでカルスのような細胞の塊から出てきた人型を見てレティアは嘆息した。
それは確かに人の形をしていたが大切な何かが欠けている。
理性だったり心だったりそう言う人を人たらしめるものが感じられないのだ。
「私ハ生キトシ生ケル者全テノ敵。何モカモヲ食イ殺ス化物」
「自己紹介どうもっとと」
その間にもスゥは触手を伸ばしレティアたちを絡め取ろうとする。
それらをすんでのところで避けながらレティアはミューたちに目配せした。
「くそぉぉぁ! やけくそだぁぁぁ!」
まず最初に飛び出したのはコルオン。
もちろんスゥは触手で邪魔をしようとするが彼らの周りに控えていた護衛が盾となりコルオンはスゥのもとへとたどり着く。
「そらっ!」
そしてその右腕をスゥの体内へと突っ込んだ。
「うわっ!? 腕がっ!?」
だがその腕は元々スゥの細胞である。
取り込まれて肘から先がなくなってしまう。
やはり直接攻撃は無意味かと思われた。
「っ!?」
しかしスゥは突然、体をぶるぶると震わせて苦しみだした。
「ナ、ナンダ……!?」
「特効薬……と言ったところかな?」
突っ込まれたコルオンの手には超高濃度の魔力結晶が握られていたのだ。
それは城内で生成されていた魔力結晶のひとつで、それ一個で一つの街が一年間暮らしていけるほどのエネルギーを秘めていた。
先程、大量の水を吸わせたことで明らかになった一定容量しか取り込めないと言う弱点から数多の計画のひとつにあった魔力結晶を取り込ませる作戦を決行したのだ。
人にとって高濃度の酸素が毒であるように魔獣にとっても高濃度の魔力は毒であった。
「ア……アァ……」
やがてスゥの体は自壊を始めた。
サンタさんには5000兆円欲しいって言ったのにくれなかった。
よってサンタさんはいない。Q.E.D




