報告
23:00から書き始めました()
ぎりぎり今日。
20話の伏線回収。
薄い暗闇に閉ざされた部屋の中に黒い影が一つ突然現れた。
獣のように光るその眼は部屋の中でキャスケット帽を被ったまま難しそうな分厚い本を読んでいる少女の足元に注がれている。
「黒の3番、帰還しました」
「うん」
影は興味なさげに本を繰る少女に畏敬を込め、跪く。
「で、なにかあったの?」
情報戦略部隊である黒の部隊が来たということは何か重要でめんどくさい事案があっての事。
それを分かっている少女はめんどくさそうにため息をつきながら本を閉じた。
「我らが星よ。王都に潜入しているものから報告が」
「何か問題があったの?」
「いえ、王都で人間の協力者を得た者が……どういたしますか?」
「信用できそうなの? なるべく不確定要素は潰しておきたいんだけど……」
「分かりません。が、此方を知られた以上、利用できる物は利用する方が良いのではないかと愚考いたします。特に人間の協力者となると後々有利に事を運べるものかと」
「んー……こっちの内情を探るスパイの可能性も否定でない……が、今更何が漏れたところで王都はすでに包囲されている。蜘蛛の巣の中でもがく蝶みたいなもんだし……うん、そのままでいいかな」
「はっ!」
黒の3番はけして面を上げないまま少女の決定を聞く。
それから少女は本の上で手を組んで背筋を伸ばし精一杯の威厳を込めて続けた。
「よし! 命令だ。その者の動向を逐次報告すること。怪しい動きがあれば報告。くれぐれも気づかれないように」
「はっ! 畏まりました!」
「それじゃさっそく取り掛かって。解散!」
「ご命令のままに」
少女が手を打つと影は暗がりに溶けるように消えた。
「んーっ……」
少女は本を読んでいて強張った肩をほぐす為、誰もいなくなった部屋で大きく伸びをする。
すると被っていたキャスケット帽が小さくずれた。
「おっと、いけないけない」
ずれた帽子の隙間からは狐のような耳が飛び出していた。
彼女はそれをいそいそと帽子の中に詰め直す。
「それにしても人間の中にも奇特な人がいるもんだねぇ……何か裏があるんだろうけど」
帽子を被り直した少女は組んだ両手の上に顎を乗せ、一人で考える。
「ま、邪魔はさせないけどね」
結果、どんな裏があったころで計画に支障がないのは確実であった。
王都は獣人達に包囲されているのだ。
既にチェックメイトは決定している。
王都の命運はあと数日であった。
今55分で後書き考える時間ないので投稿。




