王都
王都に到着です。
嘔吐じゃなくて王都です(強調)
「はー……やっと着いたっす……」
長い道のりを踏破し終えイルテミス連合王国の中心である王都に入るとそこはクトリカとはまた違った賑わいがあった。
もちろん生鮮食品売り場や雑貨屋など、クトリカで見たような店もあるのだが単に物を売り買いするだけというより商人から買った品を加工する鍛冶屋や武器防具屋、料理屋などが目立つ。
そして兵士も多く歩いているので治安が良く一般の女性や子供の外出が多く見受けられた。
「ん……?」
そんな街中でふと遠くの方から何か引かれるような気配を感じた。
だがそれは微弱であり、恐らく勘違いだろうと判断したテトラは無視してここでの人探しの方法について模索した。
「さて、ここではどうやって探すか……」
スライムが活動できない以上、人海戦術が使えない。
となると地道に探すか人に聞いて回るかだ。
「とはいってもどう説明したものか……」
探している人がいると言ってもその容姿などは一切分からないので説明のしようがなかった。
唸って悩んでいるとミューが尋ねてきた。
「探してる人って偉い人なんすか?」
「……それだ」
盲点だった。
「彼女」は自分を待っている人がいると言っていた。
つまり頼られる立場――要職についているはずである。
だから要人の家や職場などへ潜入なりなんなりしてしらみつぶしに探して行けば良い。
ある程度の立場にいる人たちならば住所は割れているだろうから簡単だろう。
「ミュー……やるじゃない」
「え? あたし、褒められてるんすか? ご主人様ほどの人となると偉い人との繋がりがあるのかなぁって思っただけなんすけど……」
「褒めてる。よくやった」
「えへへ……なんかよくわからないけど褒められたっす」
テトラが親指を立てて褒めるとミューは気恥ずかしそうに髪をいじり始めた。
取り敢えず活動方針は決まった。
しかし一朝一夕で終わるような作業でもない。
そこでまずは宿を取る事にした。
幸い王都は綺麗な宿屋が多く女二人でもトラブルが少なそうであった。
彼女たちは財布の中身と相談して手ごろな宿屋『石の鞍亭』へと入る。
「ここをキャンプ地とする」
「わぁい! ……で、何するんすか?」
「潜入調査」
「へ!? それはお偉いさんのお宅にですか!? 無理無理! 無理っすよ!」
「声大きいよ。大丈夫。できるから」
「いやだって捕まったらヤバいっすよ……」
「捕まらなければいいんだよ。忘れたの? 私たちは既に人外。誰にもばれずに潜入することなんて簡単さ……」
テトラは悪そうな顔でにやりと笑い、隠れてこつこつと練習してきた技をミューに伝授した。
「そ、そんなことがあたしにもできるっすかね……?」
「できるよ。なんせ私と同じかそれ以上にミューの身体はスライムなんだから」
「なんかそう言われると急に身体が痒くなってきたっす……」
「取り敢えず手始めにここの宿屋で練習しよう。何かあっても迷ったとか言えば誤魔化せるだろうしね……。決行は今夜だ」
最初のターゲットは石の鞍亭。
その各部屋が潜入の練習台として選ばれた。
執筆中のものの題名は「すすすすすす」とか適当なものにしてるからいつか間違えてそのまま投稿しそうです。




