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第8話 実力テスト

第8話です。

翼と分かれて、真波と先に教室に戻る。

その途中で、真波が話を振ってきた。

「どうだった? 楽しかった?」

何故か、ニヤニヤしながら聞いてきたので、私は、なんてことのないように答えた。

「楽しかったよ! 上崎君、いつも一人だからどんな話していいのか迷ったけど、ちゃんと答えてくれたし」

(なんで最後の方、赤くなってたんだろう)

 そこは、鈍感なまどか。

翼がどうして顔を赤くしたのかわかってない。 無自覚の笑顔とはよく言ったものだ。

こういった、無自覚な部分がまどかの人気を上げている理由なのだが、本人には知る由もない。


「そういえば、話変わるんだけどさ。もうすぐというか来週も実力テストがあるじゃない? あんた勉強してる?」

「あっ! そうだった。 すっかり忘れたよ。どうしよう~」

 まどかはどちらかというと、賢い方であってバカではない。

この春美ヶ丘高校は、市内の高校の中では中々に偏差値が高い。

そこに、入学できた時点でまどかの頭は良い方だ。 が、いかんせん要領が悪い。

受験勉強の時は、特に苦労した。 やればできるのだが、どのできるまでに時間がかかってしまう。

今回もきっと同じだろう。

(どうしよう、確か実力テストって中学の範囲も含まれてたような気がする。 今から始めても間に合うかな~)

さっきまでの楽しい気分はどこへやら。 一気に現実に戻ってきたような気分だ。

「真波~。勉強手伝ってよ~。1人じゃ間に合わないよ~」

彼女にプライドというものはないのだろうか。

真波は、泣きついてきたまどかを見てそう思った。

「いやいや、私も自分の勉強あるんだから無理でしょ!」

手伝ってやりたいのは山々だが、あいにくまどかほど頭が良いわけではないので、自分の勉強で手一杯なのだ。

「そうだよね。ほんとにどうしよう~」

途方に暮れそうだが、やることは決まっている。勉強すればいいだけの話だ。

わかっているのだが、やらなくて済むならやりたくはない。

 幸いといっていいのか、まどかは、勉強は嫌いではない。(進んでやりたくはないけどね)

新しいことや、わからないことを新しく知ることができるのは割と面白いと思っている。

一人でどうしようと悶えている親友に助け舟もといおせっかいでも焼くかなと真波は思った。

「せっかくだから、上崎君と一緒に勉強したら?」

 普通なら、思春期の男女をくっつけるのは同い年としてどうなんだろうってなる。

そんな余計な、おせっかいなんて別に焼かなくてもいいのではと周りの人は思うだろう。

だけど、異様に鈍感なまどかにとっては、いい薬になるのではないだろうかとも思う。

(自分の気持ちにも中々気づかない子だからね~)

(きっと、まどかにとっては勉強以外に他意はないんだろうけど)と心の中で苦笑してしまう。

そんなこととは露知らず。

「良いのかなあ。一緒に勉強しようって誘っても」

「めずらしく弱気じゃない」

「だって、もしかしたら1人で集中してやりたいって思ってるかもしれないし」

まどかは、翼と一緒に勉強できたらいいなあと思っているが、彼が、積極的に人と接するというのが苦手なことを知っている。

別に直接彼にそうなの?と聞いたわけではない。ただ何となくそんな予感がしている。だからこそどう仲良くなったらいいのかわからないままでいる。

(まあ、でも結構私の方からグイグイいってる感はあるんだけどね)

自分自身で苦笑しつつ、それでも翼ともっと仲良くなりたいと思ってしまう。

「一応、聞いてみる」

まどかは、そう言って自分の席に戻っていった。


 自分の席に戻ってしばらくすると翼も戻ってきた。

まどかは早速聞いてみることにした。

「上崎君? 来週にある実力テストなんだけど、よかったら一緒に勉強しない?」



やっと、普通のペースで投稿していけるようになりました。

5月、6月は死ぬんじゃないかってくらい忙しかったです。

続きを待ってくれているユーザーの皆様にはご迷惑をおかけしました。

まだまだ、頑張っていきますおで、どうぞよろしくお願いします。

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