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第7話 昼のひと時 side翼

ここで小話をちょっとと思って書いてみました。


「上崎君、大丈夫?」

お昼を買うのに手間取っていた翼は、声を掛けられて振り返った。

振り返った先に居たのは最近何かと話すようになった九条まどかさんだった。

翼は彼女が自分に声を掛けてきたことにも驚いたがそれと同時に彼女がこんなところにいるということにも驚いていた。(こんなところとはもちろん食堂だ)

翼もまどか同様彼女があまり教室から出ないことを知っているからだ。

まあ、席が隣ということもあるし、特別意識して見ているというわけではない。

(って、僕は誰に向かって言っているんだ)

そんな内心で自分につっこんでいると、まどかが声を掛けてきた。

「上崎君、お昼ご飯まだだよね? よかったらいっしょに食べない?」

なんと彼女は、お昼をいっしょに食べようと誘ってきたのだ。

翼はあ今まで女の子から「お昼をいっしょに」と誘われたことがなかったので、こういう時どんな返しをしてしていいのか答えを持ち合わせてはいなかった。

「えっと…僕まだ、お昼買えていないんですが」

なんというか、事務的な返しになってしまった。

何故、まどかが自分に声を掛けてくれたのか、そして自分をお昼に誘ってくれたのかはわからないがまどかが慌てているように見えたので幾分か落ち着くことができた。

そんなこんなで、一緒に食べることになったわけだが、ここで気になるのが彼女と一緒に来ている女の子の存在だ。

その子は、まどかといつも一緒にいる。(確か名前は、小林 真波さんだったかな?)

小林さんとは一度も話したことがなかったので翼は緊張していた。

人付き合いがあまり得意ではない翼は、女の子二人と一緒にいるというだけで居心地が悪い。

唯一の救いは、まどかだ。彼女とは学外でもあったこともあるのでそれなりに話せるのでまだ大丈夫だ。


全員が、お昼を持って席に着きようやく食べ始めることができた。

食事中はあまり喋らない翼も今回ばかりはそういうわけにはいかない。

なぜなら、一人で食べているならまだしも誰かと一緒に食べている時に黙々と一人食べているのはあまりよろしくない。

人付き合いが得意でない翼でもこういったばの空気を考えて行動するということができないわけではない。

むしろ、集団の中ではなるべく空気を壊さないように自分の役割を考えて行動している方だ。

(ある意味ヘタレなのかもしれない(苦笑))

そんな風に、自分の中で考えを巡らせていると、小林さんが聞いてきた。

「同級生だし、砕けた喋り方でもいいわよ?」と

意識して、ていねいな話し方をしているわけではないのでどう答えたものかと困ってしまう。

「いえ、昔からこういう話し方なので、気になさらないでください」

正直に答えると小林さんは納得してくれたみたいだ。

だが、改めて考えてみるとなぜだろう?いつからこんな話し方になったんだろう。

自分自身に対しては、そんなに丁寧ではなくむしろ今の二人のように高校生らしい話し方ものかとできる。

でも、人と話す時はなぜか堅苦しくなってしまう。

「私だったら、1日ももたないよ」とまどかは笑いながら言っている。

その子は笑顔に妙に惹きつけられてしまう。なんでだろう?

そうこうしているうちに予鈴が鳴りだした。

食べ始めるのが遅かったので、昼休みも丸々使ってしまっていた。

二人とのお昼が楽しかったので翼は残念な気持ちになった。

(実は、まどかもそう思っていたのだが、もちろん翼には知る由もないのでことだ)

だから、まどかから「また、一緒に…」と言われた時は嬉しかった。

『迷惑でなければ…」

翼はそう答えた。

今までお昼はただ食べるだけの時間だったが楽しみが一つ増えたなと感じるのであった。

なんとなく、翼の内心というものも書いてみたいと思っていたので、今回のお昼の回を ベースに書いてみました。

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