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幽閉大陸アトランティス -大戦乱へのプロローグ-  作者: sunset
第一章 チュートリアル 編
3/19

第2話 -魔法-

もうしばらくボッチが続きます。

誘拐集団やら老人のことも少し待ってください。


※12/3 誤字訂正しました。

魔法は体のどこかにある「魔力器」から供給される魔力を使って発動する。魔力器は大気中の魔力を人が加工可能な魔力に変化させて貯める役割がある。この変化した魔力は人によって性質が異なるため、人から人に魔力を譲渡することは出来ない。魔力器の魔力を変化させる速度と貯める容量は人によって異なるが、魔法の熟練度によって増やすことが出来る。

また、魔法には火炎、水氷、樹草、雷電、岩石、風雲、瘴毒、幻影、鋼殻、光輝、暗黒の11の属性があり、人間には使える魔法の属性が決まっている。これは、魔力器によって変化する魔力の質によるものという説が一般的である。



-----------



この町、ファナリアの南に広がるのがラーシュ平原だ。ここには、【サングルード・ボアー】というイノシシに似たモンスターが生息する。【サングルード・ボアー】は比較的大人しく、初心者にも狩りやすいモンスターだ。

この世界におけるモンスターは、「魔力の塊」である。濃度が濃くなった魔力が物理的な肉体を持ったもので、倒すと数分で一部を除いて魔力に還り拡散する。(この時残った素材を売ることで冒険者は金を稼いでいる)

魔力が大気中にある限り何体も湧いて出てくるうえに、人を襲うことが多い。再湧出(リポップ)ってやつだな。


「さて、まず魔法の前に剣術だ」

普通に考えて俺が剣を振れるわけがないが、俺には剣を振っていた偽物の記憶がある。

とりあえず、一番近くにいる【サングルード・ボアー】めがけて走り、偽物の記憶の中にある通りに剣を振る。

「せいやぁぁっ!!」


ザシュッ


体が半ば勝手に動き、【サングルード・ボアー】を分断する。

「ガウラァァァァアァアッッ!?!?」

【サングルード・ボアー】は断末魔の叫びをあげて倒れた。


「すげぇ………」

体が軽い。かなり鍛えられているようだ。俺がサボって駄目にしないようにしないとな。


「次は待ちに待った魔法だ」


その後立て続けに5匹の【サングルード・ボアー】を剣で倒した後、魔法の練習にうつる。

家の本棚の片隅でほこりをかぶっていた「魔法入門書」を持ってきた。かなり古い本だが、まぁ大丈夫だろう。

『魔法の練習をする前に、あなたの属性を調べましょう。次の呪文を詠唱して光球ができたものに印をつけ、できた光球の大きさを記録してください。』

その後に11の呪文が並んでいる。あまり大声で叫びたくないような感じの呪文だ。一応、周りに人がいないことを確認してから火炎属性の呪文を詠唱する。


「偉大なる火炎の力よ!全てを焼き尽くし、灰に帰す火炎の力よ!!我にその力があるならば、その姿をそこに現せ!!!」


体中を流れる血液がカッと熱を帯びる。熱は血管を移動し手のひらに集まり――――――


ボゥゥウッ


赤い光球が現れる。大きさは30㎝くらいだろうか。

「おお………」

ただの光球とはいえ、魔法というファンタジーが目の前で発生して感動する。

光球が出来るということは素質があるということなのだろう。

火炎属性の呪文の上のチェックボックスにチェックをいれ、横に30㎝くらいと記入する。


次は水氷属性だ。

「偉大なる水氷の力よ!全てを潤し、大地を流れる水氷の力よ!!我にその力があるならば、その姿をそこに現せ!!!」


ポウッ


青い光球。大きさは15㎝くらい。

火炎属性より素質はないが、一応使えるということだろうか。

光球が出るんだから使えるんだよね?



-----------



属性調べは着々と進む。15㎝くらいの光球がほとんどだが、5㎝くらいの光球も出来る。30㎝の光球は今のところ火炎属性のみだ。


「次は暗黒属性か」

闇属性って使えたらかっこいいよね?

「偉大なる暗黒の力よ!全てを呑み込み、喰らい尽くす暗黒の力よ!!我にその力があるならば、その姿をそこに現せ!!!」


………シーーーン


「…………」

何も起こらない。才能ゼロかな?呪文を唱えた後に何も起こらないとなんかイタい人みたいなんだけど。


「最後は光輝属性」

光属性も使えたらかっこいい……よね?サポート系な感じがすごいするけど。

「偉大なる光輝の力よ!全てを照らし、清める光輝の力よ!!我にその力があるならば、その姿をそこに現せ!!!」


ドォォンッッ


「へ?」

ええええ?

目の前には1メートル近くある白い光球が現れていた。しかも今までと輝き方が段違いだ。

なんか、うん。微妙。

なぜに光輝?暗黒のがかっこいいのに……。

まぁ、どれもパッとしないくらいしかできないよりも一つ大きな得意分野があった方が良いか。


『どうだったでしょうか。光球ができた属性は全てあなたが使える属性です。その属性の魔法は全て使えます。

ここで光球の大きさについての解説をします。

通常の魔法は、使うとその規模に応じた魔力を消費します。しかし、あなたに今詠唱してもらった魔法は一定量の魔力でできるだけ大きな光球をつくるというものです。できた光球の大きさがあなたのその属性の才能に比例します。普通の人は15㎝くらいの光球ができるはずです。』


つまり、こういうことか。


才能が普通の場合、つまり15㎝の光球ができた場合、魔力を1使えば1の規模の魔法が使えると。

で、30㎝なら1の魔力で2。1メートルなら大体6の規模の魔法が使えるということだ。

逆に、5㎝なら1の魔力で0.3、できなかったならそもそもその属性の魔法は使えないということになる。

さらに、魔法の威力も才能に関係があるらしい。

さすがに威力6倍なんておいしい話はないけど。


『1番大きな光球ができた属性があなたの主属性です。主属性を最優先で習得すべきですが、その他の使える属性も習得しましょう。次からが初級編です。』


やっと本格的な魔法練習だ。その前に、俺の属性適性をまとめるとこうなる。


主属性(使用魔力1/6):光輝

副属性(使用魔力1/2):火炎

副々属性(使用魔力等倍):水氷、樹草、雷電、岩石、風雲、鋼殻

副々々属性(使用魔力2倍):瘴毒、幻影

その他(使えない):暗黒


使えない属性があるのはちょっとツラいが頑張ろう。


さて、まずは初級。


『まず、魔法の習得方法について説明します。

最初に詠唱によって魔法を発動します。次に、無詠唱でその魔法を再現します。詠唱によって魔力が体の中を移動する感覚をイメージしてください。そして最後に、無詠唱でその魔法をアレンジしてください。例えば水氷属性の魔法、【ウォーターボール】では、水を球状ではなく直線状に発射したり、熱湯や冷水にしたみたりすることができます。』


ふむ。魔力が体の中を移動する感覚ってのは、血液が熱くなるようなあの感覚だろうか?


まぁ、やってみればわかるか。

最初は光輝属性初級の【レーザー】だ。……うん、そのまんまの名前だな。


「偉大なる光輝の力よ!無限なる矛となり敵を貫け!!」


血液が熱くなり、次第に人差し指へと集まってゆく。


ピュンッ


【レーザー】はまっすぐ飛んでゆき【サングルード・ボアー】の頭部を貫いた。【サングルード・ボアー】はゆっくりとその場に倒れ、絶命する。

って一撃かよ……。主属性の魔法とはいえ初級だぞ?


「で、これを無詠唱で再現か」

力を指先に集めるような感覚……。さっきの光線をイメージして……。

「ていっ」


ピュンッ


……一発で成功した。【サングルード・ボアー】が再び犠牲となる。

まぁ、初級だからこんなもんなのか……?


少し練習すると連射できるようになった。イメージ力が大切なようだ。ラノベを読み漁って良かった(?)


さて、次はアレンジだ。とりあえず、レーザーを太くしたり発射時間を長くしたりしてみる。


ピューーーーンッッ


イメージした通りに太くなったり、細くなったり。軌道を途中で曲げたりすることも出来た。


「これが俺の才能(妄想力)の力だ!」


……虚しくなるからやめよう。


ともかく、無詠唱魔法には強固なイメージと、魔力量の調節が必要なようだ。魔力量で威力を指定し、イメージで制御する。

わかりやすくて助かる。

このまま今日中に初級をマスターしてしまおう。



-----------



「ふーっ。疲れた……」

丸一日練習したおかげで、俺が使える全属性の初級はそこそこ使えるようになった。あとは組み合わせてアレンジするだけ。イメージさえできれば、【ウォーターボール】と【ファイアーボール】を組み合わせて熱湯にしたり、【ストーンエッジ】と【ファイアーボール】を組み合わせて溶岩弾を放てたりした。

「それにしても……」

MP切れを全くおこさずに12時以降ずっと魔法を撃ちまくってたけど俺の魔力量って……?いや、まだ初級だから消費MPが少ないのか。


呪文と無詠唱について分かったことがある。

呪文はいわゆるプログラムのようなもので、決まった魔力を消費し、決まった威力、形状の魔法を放てる。

それに対して無詠唱は威力、形状を自由に指定できる代わりに使用魔力を考えないと威力が変わってしまう。

無詠唱の方が使い勝手がいいが、その前段階として1度呪文で魔法を発動する必要がある。経験によってイメージをより強固なものにするためだ。例えば、重力を操るという魔法があったとしても、1度呪文で使ってみないとどこに、どのように、どれだけ魔力を送り、どんなイメージをしたら良いかが分からないのだ。下手に無詠唱でやろうとしても、暴走して自滅するだけである。


「……まぁ、日が暮れたし、帰るか」

元の世界に帰るには、かなりの戦闘能力が必要だろう。世界に逆らうのだからどうせバグキャラと戦うことになる。

そもそも、まだこの世界について知らないことが多すぎる。


まだまだ頑張らなくては。



-----------



1週間が過ぎた。午前は剣術、午後は魔法の練習に費やし、魔法は上級まで全てを修得した。これでこの本に書いてあることは全て学んだことになる。

さらに上に超級というのがあるらしい。本屋で探すことにする。


「無属性魔法?」

超級の本を見つけたが、その隣に無属性魔法についての本を発見。

誰でも使える属性のない魔法らしい。身体強化系がメインのようだが。

早速買って試してみることにした。

ちなみにお金は親が残していったものがあり、かなりの額だった。余裕があるので多少は好きなものが買える。


「……あれ?」

ページを開くと、前の本と同じように呪文と、その説明が並んでいる。だが、その隣に「略呪」という欄がある。

なんだこれ?

ページを遡り、読み飛ばしていた「魔法の習得方法」のページを開く。


『魔法は呪文を詠唱することによって発動することができる。呪文を何回も詠唱し、体が魔法に慣れることで呪文の一部を省略しても魔法を使用できるようになる。呪文の省略例は略呪として記した。』


…あれ?無詠唱についての記述がない。無属性魔法は無詠唱で使えないのか………?


まぁ、やってみれば分かるか。


「偉大なる力よ!我が力を増幅せよ!!」


カァァァッッ


腹の奥が熱くなる感覚。

使ったのは、次に使う魔法を強化する無属性魔法だ。試しに【レーザー】を使ってみると、イノシシの頭部が蒸発し爆散した。グロい。


2発目はいつも通りの火力だったので、やはり強化されるのは一度だけのようだ。中級にはしばらくの間強化できるものもあるらしいから使い分けろってことか。


さて、無詠唱でできるかな?



-----------



……うん。

その日のうちに無属性魔法を無詠唱で習得出来てしまった。

まぁ、誰でも使える魔法って書いてあったからそんなもんだと思うが。


これでこの世界から脱出できるかは分からないが、やるしかない。

そのためには実戦経験が必要だろう。そういえばこの南にダンジョンがあるって聞いたことがある………。

調べてみるか。

さて、3話目です。どうだったでしょうか。

魔法。うん。ファンタジーな感じですね。


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