プロローグ
――――――この世界を壊してやる。
彼はそう呟いた。
-----------
今日は2019年12月19日。間もなくクリスマスである。時刻は19時となり、外では今年3回目の雪が降っている。
俺、三葉良人は家の中でダラダラしていた。
「クリスマスはリア充の日!爆発しろ!」
なんて去年まで非リア歴=年齢だった俺だが、つい3日前に非リアを卒業したのである。
俺の自慢の彼女の名前は美空キリカという。茶色い長髪の女の子で、俺の幼馴染でもある。
3日前といえど俺は立派なリア充様なのだぁ!(ドヤァ)
ピロリンッ
メールが来たみたいだ。誰からだ……ってキリカからか。
『こんばんはー
突然なんだけど、明日お店のクリスマスの飾りつけをしたいから来てくれない?』
「そういえばそんなのもあったな……」
キリカの家は洋菓子店を営んでいる。俺もかなりの頻度でお世話になる。特にモンブランは絶品だ。
『もちろん!キリカの頼みなら何でもするぜ!』
送信っと。
送信ボタンに指を押し付けた次の瞬間だった。
ドゴンッッ
玄関の扉が、文字通り吹き飛んだ。
「お前が三葉良人か!」
華麗にダイナミックお邪魔しますをしてきたのは黒ずくめの男二人。
アニメで見るような黒い戦闘服って実在するのか。…って感心してる場合じゃなかった。
「え、まぁそうだけど?」
なんのドッキリだ?
ところで、扉の修理代は払ってくれるんだよね?というか、直してくれるんだよね?
「黙れ。おとなしくしろ。」
二人が懐から取り出したのは拳銃と黒い箱。
黒い箱はバチバチと音を立てている。いわゆるスタンガンってやつだ。
「あのー」
「あぁ!?」
「素敵なドッキリお疲れ様でし――――――」
ガスッ
自分のすぐ後ろにある冷蔵庫に穴が開いた。
「………。」
「………。」
「えー……」
本物かよ…。
「あの、とりあえず…」
「今度は何だ?」
「逃げます」
隣の部屋へダイブし扉を閉める。
窓を開けて外へ飛び降りようとしたところで、
ぱしゅっ
炭酸飲料の缶をあけるような音。と、同時に左わき腹が熱くなり、右前方向に衝撃。吹き飛ばされ、ベッドに転がる。
「あ……」
撃たれたと気づいたときには吹きだすように脇腹から血がでている。
うん、ヤバい。これは、ヤバい。
シーツが真っ赤に染まってゆく。
「おい、殺してないだろうな!?」
「大丈夫だ」
なーんも大丈夫じゃねぇよ。
血が流れてゆく。
体が冷たくなってゆく。
そして。
「平和ボケした日本人はチョロいな」
あんたも日本人だろうが。
なんて言う間もなく。
意識が
途切れた。
何も、聞こえない。
-----------
良人が意識を失う直前。スマホが震えた。
『良かった。
じゃあ、明日は9時にお店に来てね!』
その約束が果たされることはなかった。
まだ未熟ですがよろしくお願いします。
本作品本来の仕様は第5話からで、それまでは世界観の説明のようになっています。
なので、それまではなかなか思い通りに書けず悶々としています。
不自然なところがあっても笑って見逃してくれるとありがたいです。