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助けられる少年少女

こっそりと家を出た

休日だからか街は賑わっている

すれ違う人のなかにちらほらと傘が見えた


かちりと目が合う

相手はすぐに目をそらした


視線がささるのを感じる

周囲の人がすれ違いざまに必ず自分を見る

気のせいではない


気づいた途端、息苦しくなる

足は人のいない場所を求めて走った


「…迷った」


人のいない路地裏

とても静かで、こわい

宛ても無く歩いていると怒鳴り声が聞こえた


「テメェ!」

「やってくれやがったな糞ガキ!」


如何にもガラの悪そうな男2人

足元には女の子が倒れていた

既にボロボロで蹲っている


ー助けるか?

ーもし標的扱いされたら…

ー女の子動いてないぞ

ー怖い

ー助けないと

ー嫌だ

ーでも、

ー怖い


「っ!何やってるんだ!!!」


初めて大声を出したかもしれない

男2人はこちらを向いた

女の子を一発蹴ってこちらに来る

恐怖と緊張で心臓が早鳴りする

やけに音がうるさくて話し声なんて聞こえなかった


「あ」


漏れた声

バキリと音がした

呆然と眺める


女の子が殴る蹴るで男をボコボコにしている


動きは素早く、猫のよう

打撃音は重々しい


「……すごい…」


感動しているのだろうか

自分でも分からない

それでも、女の子の強さに圧倒されているのは事実


「あの、」


「っえ?あ、……終わってる…?」


「強くはなかったから

…お兄さん、迷子ですか?」


自分より一頭身低い女の子

黒髪に深い青の瞳

雰囲気は落ち着いていた


夜空のような女の子の問いに

ただ頷くことしか出来なかった

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