おわり
ついに、俺と由紀と空だけになった。
由紀が出て行くと同時に、やっと教室は静かになった。
楽しい最後のお別れ会がどうしてこんな事になったんだろう……
そう思いながら、あのおっさんが書いた暗号をもう一度よく見る。
「うはないなかあ」
これは一体どういう意味なんだろう。
空は死ぬ順番だろうと言っていたが、おれはそうは思わない。そもそも死ぬ順番なんてあのおっさんが守る必要が無いからだ。
「うはないなかあ」かぁ……
「うはないかなあ」というのはどうだろう。
「う」はないかなぁ。という事は臼井先生は死んでいないという事になるのかな?
いや、流石にそれはないか……
俺はきちんと臼井先生の死体は確認した。確かに臼井先生の死体はグチャグチャだったが、顔はしっかりと残っていたし、いつもしている結婚指輪もそこにはあった。
いや、でも臼井先生は双子だと聞いている。もしかしたら臼井先生は生きているのかも……
俺は黒板にチョークでこう書いた。
「臼井先生は生きている」
そっとチョークを元に戻した。
「やっぱり何も起きないか……」
そんな事ないよ
と、後ろから声が聞こえた。
後ろにいたのは……臼井先生だった。
白「どうしてここに……」
臼井「どうしてって、それは白君が暗号を解いたからじゃない」
白「そうですか」
臼井「ええ、そうよ」
意味は分からないが、これで解決ならこれで良いだろう。
俺は学校から出た。
みんな死んだ。
この後、バーベキューを食べて帰った。
みんな美味しかった。
結局、暗号とか殺す順番とかそういう事は臼井先生のただの遊びだったようだ。ただ、バーベキューの具材が無かったし、お腹が減っていたという理由だけだったらしい。
学校から出れなかったのは、特殊なコーティングを教室にしていただけだという。
色々あったが、今日は良く勉強になる1日だった。
おしまい