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卒業式の後に  作者: 空暉
2/4

石田と桜


教室


意外なことに、教室に戻って1番初めに喋り出したのは空だった。


空「ごめん、ちょっといい?」


みんなは下を向いて黙ったまま、何も返事をしない。


空「こんな時に悪い…実は暗号の意味がわかったんだ。」


暗号の意味?そんなの今はどうだって良い気がする。


空「みんなが今すごく落ち込んでいるのは分かる。でもこれは今後重要になってくるかもしれないんだ。聞いてくれ。」


桜「なんなの…?その暗号の意味って…」


桜は疲れ切った声でそう言った。


空「あぁ、今から説明する。」


そう言って空は黒板にこう書き始めた。




う は な い な か あ


臼 橋 中 石 中 海 ?

井 機 西 田 城 馬 ?

柑 蓮 桃 融 桜 雅 ?

菜 資 敏 ?


➡︎➡︎➡︎➡︎➡︎➡︎➡︎➡︎➡︎➡︎➡︎➡︎➡︎


死ぬ順番





正直、恐怖しかなかった。


由紀「どういうこと…?」


本当は分かっている。だが、私の想像しているのと違う答えを返して欲しかった。


空「書いた通りだよ。この暗号は今まで死んだ人とこれから死ぬ人の頭文字を順番どうりに書いたものなんだ。」


やはり、予想通りの返答だった。


海馬「なぁ、最後の【あ】の部分は頭文字が[あ]で始まる白と空と由紀しかいないよな?」


空「そうだね。」


海馬「って事はまだ暗号は解けていないってことか…」


空「そうだね…」


最後に死ぬのは私か空か白の誰か1人。つまり、私は三分の一の確率で死ぬという事になる。


だが、石田と桜と海馬は空の推理が正しければ確実に死ぬという事になる。


海馬は今の所冷静に見えるが、桜は違った。


桜「違う!違う違う違う‼︎そんなのありえない‼︎」


今にも襲いかかってきそうな顔で桜は叫 んだ。


海馬「じゃあ、確かめに行けよ。」


海馬はとても冷静な声で言っていた。だが、額から出ている汗の量を見れば、海馬もそうとう気がおかしくなっていることが分かる。


桜「そうだ…ちゃんと確かめないと…」


桜はそう言うと、すぐに教室を飛び出した。私もこうしてはいられない。


由紀「私も行ってくる。」


そうして、私と桜は石田を探しに行くのだった。



後で後悔するのに…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




石田を発見した。


場所はまた、家庭科室だった。


そこで石田はミキサーの中身を全て床にばらまき、右手だと思われる物をぐちゃぐちゃと音を立てながら美味しそうにしゃぶっていた。


石田は私たちに気がつくと、気持ち悪い表情でこう言った。


石田「桃が…桃が食べて欲しいって言ったんだ…‼︎邪魔はするなよ…」


ああ、ダメだ。これは石田じゃない。こんな石田は見てられない。それを1番感じているのはきっと桜の方だろう。


だって桜は石田が好きだったから…


桜「ねぇ、それって美味しいの…?」


さっきまでの焦りがまるで嘘だったかのような静かな声で桜は言った。


石田「とても美味しいよ。桃のだからね。」


こんな時にあれだが、蓮も忘れないでやって欲しい。


桜「ねぇ、私とどっちが美味しいかなぁ…?」


石田「は…?何言って…」


桜は倒れたミキサーの方へ歩き出した。


桜「私ね、石田のことが好きなの。意外でしょ?だから、好きな人の死ぬ所は見たくないなぁって思う訳。だから…」


桜がミキサーの刃の部分を簡単に引っこ抜いた。初めから簡単に取り外し可能だったのかもしれないことを考えると、桜達がこうなる事はやはり予測されていた事だろう。


桜「私が先に死ねばいいよね…?」


そうして桜が刃を胸に刺そうとした、そのときだった。


石田「うあぁぁ‼︎」


おっさんがまた現れて石田の顔面をわしづかみにし、上に持ち上げた。


桜「う、動かないで!私が先に死ぬよ!」


おっさんが桜を睨むと、石田を離した。やはり、殺す順番は初めから決まってあるのだろう。


桜「そうよ‼︎そのまま動かないで!」


桜がそう言うと、おっさんはどこかへ消えていった。


桜「ふぅ、」


桜が一息ついた、そのときだった。


カランカラン


上から降ってくる一枚の皿。その皿はとても丈夫そうで、とても大きかった。


桜はその皿に微動だにせず、またミキサーの刃を持つ。


だが、降ってきたのは皿だけではなかった。


桜「きゃっ‼︎」


桜の腕にロープが絡みつき、上にぶら下がる。


桜「ぐうぅぅちぎれる〜‼︎」


そこにまたおっさんが現れる。


おっさんは、石田を腹から持つと、手を縛りつけた。


石田「何するんだ‼︎離せ‼︎」


石田が必死に抵抗するも、おっさんの力が強すぎて全く敵わない。


すると、今度は上から大きな板のようなものが降ってきた。


その板をよく見てみると、どうやら大根おろしの削るやつをそのままでかくしたような感じの板だった。


その板をいつの間にか敷かれてあったシートの上に置き、その横に石田を寝かせた。


もう予想はついた。石田はそのままその板で右足の爪先から徐々に削られていく。


石田「ぎっ‼︎」


もう叫びの声も出ない。というか、石田はその板を見たときにはもう気絶していた。


右足を全て削り終わった後、シートにある残骸を全て皿に移した。


そしておっさんは初めて口を開く。


食べろ、と。


桜「いやぁぁ‼︎絶対いや‼︎」


桜の手に縛られていたロープが解かれる。それと同時に、おっさんが桜のもとへ行き、顔を掴んだ。


桜「無理無理無理無理‼︎」


ガシャッ


と皿に桜の顔が押し付けられる。


桜「おぼっごぽごぽごぽ…」


桜が皿の中に入った石田おろしで息がしずらくなっている。


数秒間皿に顔面をつけられた後、ようやく解放される。


そしておっさんがまた話し出す。


全部食べろ、と。


この時、私はわかった事が一つあった。


このおっさんは、さっき桜が反抗したから怒っているのだと。つまり、このおっさんには感情があるのだと。


でも今はそんな事くだらない。


桜はさっきから何度も何度も皿の中に顔を押し付けられていく。


流石に桜も苦しくなってきたのか、おっさんの言う通りに食べ始めた。いや、飲み始めた。


もうそれから何分経ったのだろう。


桜は吐きながらも、その汚物ごと全て飲みきった。


部屋中に臭い匂いが漂う。でも私はこれに慣れてしまった。もう何も感じない。


もう早く2人とも死んでくれ…


私がやけくそになったその時、願いは叶った。


まずまだ生きている石田をミキサーの刃でぶっ刺した。


もう誰の叫び声も聞こえない静かな部屋で次は桜が襲われる。


おっさんは桜のお腹を思いっきり殴り、全てを吐かせた後、右手の親指を桜の口に入れて下の顎を持ち、左手の親指を口に入れて上の顎を固定した。


そして、桜の下の顎を外した。


よく顎が外れた〜とか言うが、そんな可愛いレベルの外れ方ではない。


下顎の皮ごと全て外してしまった。


桜はあまりの痛さに目は上を向き、全身をぶるぶると震えさせながら倒れていった。


私は桜の死に方を見て、あぁ、まだ可愛い死に方ができて良かったね、としか思えなかった。


おっさんが家庭科室を退場する。


やはり私にはまだ危害を加えないのだろう。私は教室に戻る事にした。

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