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最終話 .拝啓、父さん、母さんへ

二話同時投稿です。一つ前があります。

手紙を書くのも久しぶりですね。


私は今、二年ほど暮らした国を出て、日本と似た島国で暮らし始めました。


ここでは食文化も似ているので、懐かしい気分になりながら毎日を過ごしています。


それと、報告があります。


生涯の伴侶を見つけ、結婚しました。


あんなに結婚は出来そうにはないと言っていた私ですが、世の中分からないものですね。


この世界でのウェディングドレス姿を、見せたかったです。


そしてもう一つ、来週から、保育園をかねた孤児院を開くことになりました。


ここフローライトという国では、女性も働いている事が多く、小さな子供達が街に溢れ返っていて、大人の目が届かないそうなんです。


同時に、台風も多いので父親を亡くして母子家庭になってしまった家族も少なくなく、そんな人達の支えになれたらと思い、開院を決めました。


孤児院といっても、簡単な読み書きや世界の話など、将来の役に立つような勉強も教えていくつもりです。


学校もあるにはあるのですが、神殿の管轄になってしまい、将来神官になる人達しか入れないそうなんです。


出来る事なら、国の大半を占める漁師や農家の子供達にも、学ぶ楽しさを知ってもらえたらいいなぁと思っています。


なんて、偉そうなことを言ってしまいましたね。


それでも、お世話になっている人達への恩返しが出来ないかと考えた結果、これに決めました。


夫となった人も、支えてくれています。


二年を過ごしたアイオライト王国の皆とも、結婚式で久しぶりに会えました。


次にアイオライトで行われる建国祭で、里帰りもしようと思っています。


そうそう、陛下も王妃様を迎えたんですよ。

東のマラカイトのお姫様だそうです。


まだ王妃様を見たことがないので、建国祭で二人が並んでいる所を見るのが楽しみです。


最後に、いまだにこの手紙を届ける手段も、帰る方法も見つかっていません。


諦めないつもりですが、手掛かりが全くないのも事実で。


親不孝な私を、父さんと母さんは、恨んでいるかな。


どうか少しでも、今の私の事が伝わるようにと、文字に思いを込めてこれからも手紙を書きます。


私は今、本当に幸せです。


父さんと母さんも、どうか幸せでありますように。




有紗








長い間、読んでいただいた皆様、ありがとうございました!

まだ書きたかった話もありましたが、忙しくなってしまい、とりあえずこれで完結とします。

初めて物語(に、なっているのか)を書きましたが、読むのと書くのは全く違い、本当に大変なんだと思い知りました。

けれど、書きたいものを思う存分書く事が出来て、楽しかったです。

拙く、読みづらい所も多々あったとは思いますが、お付き合いいただぎ、本当にありがとうございました。


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