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今日の始まり  大袖編

私の名前は小袖と言うのに父上譲りの大柄のせいか私の身長は異様に大きくそこらへんの男より少し高い

だから友達はあたしのことを小袖とは言わず大袖と言う


私は家に帰ると紙ふぶきのごとく狭い部屋に習字の紙が散らかり、その真ん中で瓢箪を抱えて酒を飲んでいる女を見て溜息をつく、これが私の習字のお師匠にして母上なのだからなおさらだ

母上は私が一生かかっても無理だと思うほど字が上手い、それをうまいの一言で私が決めつけていいかと思うほど、しかし私にしてみればそれ以前にその人は、母であり私が小さいころに分かれ私が八歳の時

彼女に会いにこの長屋に向かった、そこでこのゴミ屋敷のような部屋を目撃したのだ

その時そこんは一人の男が居た、と言ってもそういう中ではなく、弟子の一人があまりの腐れ気味に呆れて掃除にちょくちょくしに来るのだ、そんな母だが習字の時は恐ろしく張りつめた空気が彼女を包みまるで別人のようだが、昼間の真昼間から一人身で汚れた部屋で酒を飲んでいる人間から考えるとさしてそれは常識から外れているわけで、どちらも普通ではない


「あら、あんたも酒のめ、小袖」父親以外で唯一小袖と言うのが彼女だ

私は断り散らかっているそれをまとめて片付ける、その後それを紙屋に売りに行く

事実失敗作のその山でも売ればそれなりにはなるのだが書いてある字が不潔ながら

それ以前にあまりにも多く書くため、それすべて売ってしまっては商品価値がものすごく下がるのが目に見えていた、だから私は、親戚の紙屋にいちおばらばらに切り裂いて売っている

これで今日の食費になるのだからかなりの量と言える


私は一通り飼育部屋のようなそれを片付けると、急いでお稽古に行く

稽古と言っても寺子屋の勉強だ、なんでももとは添えなりに名のある剣術指南役だったらしいその男の人は、町内の長屋に住んでおりそこだけ三部屋壁を無くし少し広めに作りその中で子供が集まって勉強を教わる、私は習字以外の読み書きそろばんを教わっているが、、、


「や―大袖、それは同い年の虎だった」

いつも赤いべべを着ていてその上、男のような短い髪、少し粋な青年に見えなくもないがれっきとした女の子である「おはよ」時間はまだ明け四つである、急いで朝、母の所にに行ってからなのでいつもよい少し遅い、私は虎ちゃんと色々と最近の近所報告をしながら先生が来るのを待つ

今のところこの寺子屋で最年長が私と虎ちゃん後、柳吉と言うひょろっと頼りない青年がいるがほとんど頼りない、実際頼りないのだがなぜかリーダーみたいになってる、ただ尊敬はされているようには見えない、ただ虎曰く剣は強いらしいが彼女がどれほど剣を知っているのか少し疑問視したくないがする

だってこの前、野犬に襲われてひーひー逃げているのを目撃したから

そんなやつは今教室の一番後ろで竹刀を抱えて眠りこけている

何でも父親に新しいものを昨日買ってもらったとかで、きっと一晩中手入れでもして撫でていたのだろう

私は少しいじわるがしたくなり、懐から小石を出すと投げつけてみる

ぺし と音がして彼の額に当たると

「だーーれ――だ――」と声を徐々に怒らせて私たちの方を見た

もちろん無視である

そんな時丁度よく

「えーーー授業を始める」

そう言って大人の男にしては珍しく残バラ紙で、目が歪むほどの眼鏡をかけた少し髪が赤い先生が登場する。ここが住居お言っている割にはほとんどここにはいないその人をためしに授業が終わった後つけてみたことがあったが、いつもの無駄に明るくてひょっとしたら抜けているのではと思えているその人を

参班に分かれて追ったところなんと見失ってしまった、それも一度ではない、もう三十回目だが未だに足を隠されてしまう、そんな恐るべき大人がふやけた猫みたいな甘ったるい笑みを浮かべながら今日も教壇に立っていた。畳の床に横長の余人机が三列二つ並べられており、課題をその学年に合わせて学ぶが私たちは空いた時間下級生にもお言えなければならず、てんてこ舞いである、特に柳吉は自分より二、三低い奴に教わっているのだから始末に負えない


授業が終わり、私たちはぼちぼち帰り始めていた

実際帰り始める真似をした、それはもちろん先生を油断させるためであり今回は私たち最年長者三人で尾行することにしたのだ。そのため他の皆和そのことを知らされていないのでいつも通り帰る始める

いつも彼らを引き連れて色々と面倒なことが起きる、だからこそ今回は少数で行こうとしたのだ


皆が帰り静まり返った教室、私はその様子を近くの路地から見ている

格好は乞食姿で何故か母の部屋その汚い服をたまたま見つけて拝借したのだ

顔には泥をを少し塗りはたから見ても私とは、気づきまい


他の二人はそれぞれいつも先生が通る場所に待機している

そう言ってもその道はいつも違い今二人がいるのはその中でも先生を見失う確率の嫌に高い場所で張っている、

と、その時「ガラガラガラ」と寺子屋の戸が横に開いた

私は身を横にして隠れる

そこで自分の行動の甘さを思い知らされた







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