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弱虫番長と幽霊番長  作者: 小森
2/2

2人の出会い


今日は入学式。

僕はホッとしている。

なぜかと言うと、周りの生徒は普通の子たちばかりだから。

あの番長たちに狙われているから、不良ばかりなのではと心配していた。


「…えいちゃん、おはよう」

小さな声で挨拶をしてきたのは幼馴染の桜井真菜さくらい まな

なぜか分からないけど、わざわざ同じ高校に入学してきた。真菜の学力なら地元の有名校にも入れたはずなのに。

「真菜、おはよう」

その後のクラス発表で違うクラスだったことに真菜は落ち込んでいたが気にせず別れ、入学式を終えた。

みんなは教室で各自の席に着き先生が来るのを待っていた。

周りを見ると、もう友達関係が出来上がっている。話しかけなきゃと思いつつ黙り込んでいた。

「おい、お前」

後ろから呼ばれた気がしたので後ろを振り向いても自分を呼んでいた気配はなかった。

「おい、聞こえてんだろ」

再び声が聞こえたが自分ではないと思い机に突っ伏していた。

「お前だよ、栄ちゃん」

「え?」

思わず声を上げて反応した。

栄ちゃんなんて呼び方するのは真菜くらいだったため驚いた。

すると目の前には先ほどまでクラスでは見かけなかった生徒が1人立っていた。

その生徒は金色の短髪で、ピアスをしていて目つきは悪く、体つきがでかく、学ランを着ていた。

僕には不良生徒にしか見えなかった。

「やっとだよ」

僕は怯えた表情で見上げていた。

「俺の名前は武蔵むさし。お前は?」

「あ、はい。田中栄輝たなか えいき…です」

「それで栄ちゃんか〜」

彼のニヤニヤは怖くて気持ち悪かった。

「俺とお前はもう友達ダチだ。だから友情の証として連れションに行くぞ」

無理矢理にトイレへと誘導された。


「でさ、頼みがあるんだ」

彼はいきなり真面目な顔してそう言った。

「俺さ、幽霊なんだ」

いつの間にか目の前の自称友人さんは自称幽霊さんになっていた。

「んーと、信じられてないと思うけど、本物の幽霊だからな?」

そんなことを信じる人の方がおかしいと思う。

「それで頼みがあるんだよね」

「…お金ならありませんよ」

「いやそんなんいらねえよ」

「…焼きそばパンでいいですか?」

「いや、だから「すみません、許してください!!」

「お前は人の話を聞けえええええええええ!!!!」

そう怒鳴られ、涙目になりながらも話を聞くことにした。

「お前に頼みたい事は、単純に身体を貸してくれってこと」

いきなりの意味不明な質問に色々な思考が飛び交う。

何処かに売りつけられるのか。

それとも、ボコボコにされるだけなのか。

怖くなり震える足を叩きながらも振り返り逃げようと走り出した。

しかし後ろにいたはずの彼が目の前に。そして彼の身体をすり抜けた。

寒気と吐き気が僕を襲い、信じられない出来事に腰を抜かした。

「これで信じてもらえたか?」

僕は呆然としていた。

「身体を貸してくれって言ったのは、乗り移らせてくれってこと」

何を言ってるのかがまったく分からなかったが、彼は話を続けた。

「お前に害はないし、お前の意識は常にある。ただ身体を共有をするってだけの話だ」

頭の中は真っ白だったが、彼の気迫に押され相槌をうっていた。

「お、いいんだな!?じゃあ、早速」

そう言うと辺り一面が光に包まれ、彼は光と共に消えていた。



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