第二章 56 話『『元』究極メイド、突然の知らせを受ける』
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日はすっかり暮れて夜。
アミナは街から城へと帰り、カイドウは研究室から部屋へと移動し、メイとカルムは訓練場から部屋に戻った。
「ただいま帰りましたぁ〜!」
「おうお疲れ」
「おかえり」
「おかえりなさいませ」
「にゃー」
アミナが勢い良く扉を開けると、そこには全員が既に帰ってきており、アミナの手に持っている大量の荷物に驚く。
「えっと……その荷物どうしたんだい?」
カイドウがあまりの量に訊いた。
彼女は両手に溢れんばかりの土産荷物を抱えていた。
すると嬉しそうに、そして少し恥ずかしそうに「えへへへ」と笑ってから話を始めた。
「えっと、こちらは水道を直してあげたお肉屋さんのロゾットさんから頂いた魔物のお肉で、こちらは野菜を運ぶ為の籠と荷台が壊れてしまったのを直してあげた八百屋さんのギネルさんから貰ったお野菜達で、こちらが煙突の中の煤を掃除した事で貰ったブラパさんのパンで、それからそれから――」
アミナは嬉しそうにずっと喋っていた。
カイドウは「お、お……」と言葉の物量と今日一日で手に入れたとは思えない品々に唸るばかりだった。
「――っと、こんな感じですかね。皆さんはどうでしたか?」
数分ほど頂き物の紹介をしていたアミナはそれぞれにも問いかける。
最初に答えたのはカルムだった。
「私達は訓練場に行ってきました。メイ様にとっての顔なじみの方が大勢いらしていたようで。メイ様もとても嬉しそうでした」
「おい、適当言うなよ。別に嬉しくなんかはねぇ。ただ懐かしいってのだけは正解だ」
メイはカルムを指差して注意する。
しかしカルムは何の悪気も無いように話を続けた。
「それと、この国の王子であるナタ王子にお会いしましたよ。アミナ様とカイドウ様はお会いになってないかもしれませんが」
「え、たしかネブロ陛下が60歳くらいで、そのお兄さんのお子さんだから……かるく40代は越えてる方でしょうか?……いや待てよ。それなら国の統治は息子であるナタ王子という方に任せればよくないですか……?」
「早とちりすんなアミナ。ナタはまだ11歳だ。だから国の統治なんて出来ねぇし、そんなガキがいきなり皇帝の座についたら皇帝が死んだってバレるだろうが」
メイにそう説明され、「確かに……」とアミナは頷いて納得した。
その後に「そういや」と、何かを思い出して笑いながらメイが口を開いた。
「皇帝が死んでるって事、騎士団のヤツ等にはバレてるらしいぜ。次男坊も三男坊も嘘が下手だって言われてたな。隠し通せてるってあいつ等は確信してるって思うと笑けてくるぜ」
言った通りに笑っていたメイだが、それは嘲笑の類では無く、騎士達が王族を良く見ているという、信頼と尊敬を感じた事に嬉しくなって笑ったのだ、とアミナは感じた。
しかし彼女の性格上、それはあり得るのか微妙なラインだった為、そっと黙っておく事にした。
「僕は兵器開発部門の魔道具を沢山見せてもらって、そこの代表のイーリルさんとも仲良くなっちゃった。今度予定が合えばレリックに来てくれるって。魔道銃器の話も聞けたし、僕としてはかなり、というか大分満足だよ!……あとは……あ、武装騎士団総団長のベルリオって人も来てたよ」
「あっ、カイドウさんもベルリオさんをご存知なんですか?」
「うん、彼とイーリルさんは幼馴染で同じ町出身なんだって。一緒に最強の騎士を目指そうって約束し合ったんだって。そこから色々あってベルリオさんは総団長、イーリルさんは代表。イーリルさんの作った魔道義手と、それを装着したベルリオさんが最強でいる事で、道は違えど2人で最強の騎士になったんだって。僕その話聞いてから感動しちゃって……」
「だから鼻がちょっと赤かったんですね。……ん?待てよ。ベルリオさんってあの人獣の方ですよね」
アミナは記憶を辿ったが、一応の確認の為にカイドウに訊く。
すると彼は「そうだよ?」と知っているなら何故訊くんだ、と言いたげな表情で不思議そうに返した。
「ベルリオさんって義手してましたっけ」
記憶をほじり返しながら思い出す。
すると、自身とフィーが出会った時のベルリオは、騎士団らしい制服のようなものを着用しており、それが長袖で、しかも手袋までしていたのを思い出した。
それのせいできっと義手だって分からなかったんだ。
アミナがそう1人で納得した時、城の中にウーウーウーウー、とやかましい音が鳴り響いた。
それは本能に危険だと知らせるように、音を告げている。
「何だ!?」
カイドウが思わず見上げて叫ぶ。
そして何やら部屋に向かって何かが走ってくる音が聞こえる。
足音は部屋の前で止まると、アミナ達のいる部屋の扉をバンッ!と大きな音を立てて開けた。
「ネブロ大臣!?どうしたんですか、そんなに慌てて」
走って入ってきたのが息切れした老人だったのにアミナは驚き、肩を貸すために入口の方へと小走りで向かった。
ネブロは慣れない走りに息を切らして、胸を抑えていた。
年相応の反応といえばそうなのだが、それにしても大分焦っていた様子だった。
「お主等……はぁはぁ……すまんが今から街へと行ってはくれんか……?」
息切れを起こしながらもなんとか喋っているネブロへメイが近づく。
「何があった」彼女はそう聞いた。
少し間が空いて、ネブロは息を整えて大きな声で言った。
この部屋にいる全員に聞こえるように。
「魔人会の連中が、街で騒動を起こしている……!!」
最後までお読み頂きありがとうございます!
ついに魔人会が姿を現した!!
次回は騒動を収める所を描きます!!
それでは次回もお楽しみに!!




