第二章 48話『『元』究極メイド、帝都に到着する』
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帝都までの時間、アミナ達は国境警備隊の1人であるポルコと会話をしていた。
「それにしても隊長が帰ってきてくれるなんて感激ですよ。急にいなくなっちゃうんだから体術や武器の扱いを教えてくれる人がいなくて教官困ってましたよ」
「へっ、あのへっぽこルイズはまだ教官なんてやれてんのか。さっさとクビになってると思ってたぜ」
「……というか隊長、僕等の事どうして覚えてるんですか?僕等特に目立った成績も無くて、直接教わったのだって1回やそこらですよ……?」
ポルコがそう言うと、御者台で話を聞いていたポルコも「確かに」と同調した。
「あ?1回教えたヤツの名前と顔忘れるヤツなんかいねぇだろ。そんな事すら忘れるヤツは何やってもダメだろうよ」
そう言って彼等の疑問を一蹴した。
メイは物覚えが素晴らしいようだが、面倒くさいと言う理由でわざとやらない事もある。
それなのに面倒くさがらずに名前と顔を覚えているという事は、彼女にとってそれだけ大事な事だったのだろう。
「えっと、アミナさんとカイドウさん……でしたっけ」
ポルコが確認を撮ってきた。
するとアミナの膝の上に座っているフィーが不機嫌そうにした為「フィーちゃんもいますよ」と一応言っておいた。
「皆さんには大変ご迷惑をお掛けしました!コルネロ帝国武装騎士団第3師団のポルコ、小指を切り落としても償いきれません!!」
そう大声で言って土下座するポルコを「やめろ馬鹿野郎、誰も何とも思っちゃいねぇよ」とメイが止めた。
「あの、何故小指を切り落とすのですか?」
「はい。我が国……特に武装騎士団の方は名前の通り戦闘を主軸として編成された組織です。ですので、罪を犯したり軍の重い規則を破った者は小指を切り落とされるのです」
確かに、人間は小指を失うだけで握力が異様に低下する。
武器も握れなければ、素手での戦闘も難しくなる。
だからそれが最大限のお詫びと謝罪の証という訳だ。
「まぁ、メイさんも言った通り気にしていませんから、お顔をあげてください」
アミナは優しくそう言ってポルコも素直に顔を上げた。
すると次はどうだろうか、カルムが何やら不機嫌そうな顔をしているではないか。
「ん?どうしたカルム。そんなに頬っぺた膨らませてっと破裂しちまうぞ」
「別になんでもございません。ただ、メイ様が私の事を誰にも紹介していないという事実が分かっただけです」
それだけ言ってカルムはそっぽを向いた。
彼女の言葉を聞いたメイは「やべっ」と声を漏らしてからカルムに弁明した。
「いやぁよ、聞いてくれよカルム。私が隊長やってみたいって言った時あからさまに不機嫌になったろ?だから何も言わねぇ方がいいかなって思ったんだよ。だから、な?そんなに拗ねんなって」
メイに異常なまでの忠誠を誓っているカルム。
そんな彼女は、メイの口から自身の話が出なかった事に起こっているらしい。
自身の尊敬して敬愛する主が別の部下の所に行き、自身の話もしてくれないとなれば、拗ねるのも何となく分かるような気がする。
なんだかメイとカルムは、久しぶりに会った飼い主とペットみたいな感じだ。
久しく構っていないとペットは怒ってしまうが、飼い主に放っておいた気は全く無い。
見ていてとても可愛らしい2人だ。
「ねぇポルコさん。コルネロに着いたらさっき僕等を撃ってきた魔道具を見せて貰えないかな?実は僕魔道具が大好きでさ。他国の品を1度見てみたいんだ」
カイドウがポルコに問いかけた。
彼の知識欲も侮れない。
今さっきまで殺されそうになっていた相手に、自信を殺そうとした道具を見せて欲しいとねだっている。
……まぁカイドウの場合、殺されそうになっている場面も快楽の内の1つになりそうではあるが。
「えぇ、構いませんよ。むしろ我が国としては他国からの意見も聞きたいと思っています。口振りから察するにカイドウさんは魔道具にとても詳しいように思えます。こちらとしてもそんな方に見て頂けるのは光栄です。兵器開発部門に掛け合ってみますね」
「本当!!やった!これで僕にもコルネロ帝国に行く大きな理由が出来たよ」
子供のように嬉しそうにはしゃいでいるカイドウに「フフ、良かったですね」たアミナは親のような目線で彼の喜びようを見ていた。
「そういえば、我が国の騎士団には獣人の騎士もいますので、フィーさんの通訳などもしてくれるかもしれませんよ。フィーさん自身も、獣ゆえの有意義な会話が彼等と出来ると思います」
ポルコは視線をアミナの膝の上に落としてフィーを見た。
別段フィーは興味無さそうだったが、それに誰よりも食いついたのはアミナだった。
「本当ですか!?フィーちゃんが何を言っているか、ようやく知る事が出来るんですね!普段なんて言ってるんだろう〜。私の事は好きですか?カイドウさんは?メイさんは?フフン〜なんだか夢が広がりますねぇ〜」
アミナは一段と嬉しそうに言った。
獣であるフィー本人としては別にどうでもいい事なのだが、アミナが嬉しそうなのでとりあえず良しとした。
「あっ、皆さん!見えてきましたよ!」
御者台でネールが大きな声で言った。
その言葉に一同は窓の外を見た。
「あれが、コルネロ帝国が誇る帝都『パラディン』です」
石造りが多く目立ち、人通りも多い。
活気に溢れているようで、遠くからしか見えないが、大きな広場では何やらイベントが開催されているようだ。
そしてなんと言っても1番大きくて目立つのがコルネロ帝国のシンボルである大きな城だ。
今からあれに向かうのだと思うと、少しだけ緊張してくる。
「さぁ、もう少しです!皆さん、降りる準備はいつでも出来るようにしておいて下さいね」
ネールはそう言って帝都の入口付近に向かう為、馬車の方向を斜面の方へと向けた。
これから何が起こるのか、メイは何故呼び出されたのか。
そんな事を考えながらアミナ一行は、馬車が帝都の中に入るのを待った。
最後までお読み頂きありがとうございます!
ようやく帝都に到着しましたね!
次回は何故メイが呼ばれたのかが明らかに!
それでは次回もお楽しみに!!




