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第二章 35話『『元』究極メイド、心当たりへ向かう』

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心当たりがある――ネレはそう言った。

それに対してアミナは「詳しく」と返した。


するとネレは説明するよりも先に椅子から立ち上がり、アミナにただ一言「ついて来て下さい」と言った。

彼女の両親の顔を一度見て、アミナは既に部屋の出入口付近に立っているネレについて行った。

ライラもジグも、アミナに遅れてネレについて行った。


―――


ネレが向かった先は、この大豪邸の玄関口の広場だった。

そこは左右に大きな通路が広がっており、目の前には大きな階段。

そこもまた左右に通路が広がり、2階3階の様々な部屋へと繋がっている。


そして中央には巨大な魔物をかたどった銅像がある。

その像はスターターの冒険者ギルドにあったドラゴンの骨に肉付けをしたような雰囲気で、特徴的な角や牙がよく似ていた。


「ここです」


アミナが銅像を見ていると、丁度ネレはその銅像を指し示した。

しかし先程から見惚れ……いや、観察していたが、その銅像に何があるのかアミナには分からなかった。


「この銅像は何ですか?」


アミナは目の前のドラゴンの銅像が何なのかをライラに問いかけた。

彼女のその言葉に「はい」と言って説明を始めた。


「この銅像は、祖父が冒険者時代に見たドラゴンの魔物を再現した物です。初めてドラゴンを見た当時の祖父は、そのドラゴンを討伐するよりも、逃げるよりもまず、とても美しかった。とにかく美しかった、と興奮していたそうです。その時の姿が忘れられず、屋敷を建てたらまずこの銅像を設置した、と私に話していました」


「なるほど、これも思い出の品という訳ですか……それでネレさん。これの何が心当たりなのですか?」


今度はネレに問いかける。

母の次に口を開いたネレは銅像に近づき、黙ってドラゴンの瞳の中に指を突っ込んだ。

その行動に「えっ」と少し引き気味で呟いてしまった。

すると突然、地面がゴゴゴと揺れ動いた。


唐突な衝撃にバランスを崩したライラの体をジグが支えた。

アミナ自身も少しだけ体を揺らして転びそうになったが、揺れに動きを合わせる事で転倒を回避した。

そして当のネレ本人は、それが起きる事を知っていたかのように全く動じていない。


「これは……!!」


目の前に現れたものに、アミナは驚愕した。


「私の心当たりはこれです」


銅像が後方へ引き、銅像があった場所には、地下深くに降りていけるような階段があった。

その階段は所々ボロボロだったが、ホコリはあまり無く、少しだけ小綺麗だった。


「地下への階段か……」


アミナは階段を見下ろしながら呟いた。

説明させてばかりで申し訳無いと思いながらも、アミナはネレに顔を向けた。

アミナの言いたい事を察したネレが説明をしてくれた。


「はい。ここは曽祖父が私に教えてくれた地下室へ通じる階段です。昔はよくここで遊んでいました」


「しかし地下室なんですよね?一室だけではないのですか?」


「……確かに、私は1番手前にある部屋でしか遊んだ事はありません。しかし、その部屋の奥にはまだ通路がありまして、そこから先はかなり深くまで続いていると曽祖父は言っていました」


ネレはそう言った。

またしてもライラの祖父が教えたという事にアミナは、一体何歳だったんだろうか……、とくだらない考えが浮かんだ。


しかし地下に道が続いているのなら、期待しても良いかもしれない。

それに――


アミナはライラとジグの方を見た。

すると2人は初めて階段を見たかのような表情をしており、彼等はこの階段を知らなかったようだ。

驚きの表情を隠せていない。


お2人がこの通路の事を知らないのだったら、更に信憑性は高くなる。

私が欲しかった条件の情報がドンピシャで手に入った。

これはもう行ってみるしか無い。


「この先は階段を降りるだけでネレさんの遊んでいた部屋に出るのですか?」


「はい。降りてそのまま行けば私が曽祖父と遊んでいた部屋です。……それが何か?」


「……いえ、でしたらいいです。ここから先は私一人で行ってまいります。何が起きるか分かりませんので」


アミナはそう言って階段に足を一歩降ろした。

ミシッと嫌な音が鳴ったが、降りれなくはなさそうだ。

そのままもう一歩を踏み出して完全に階段の上に立った。


「そんな!何があるか分からないのはアミナさんも一緒じゃないですか」


とネレが止めた。

しかし、アミナは足を止める事は無い。

慎重に一歩一歩を踏み出している。

心配の声をかけるネレにアミナは笑顔を向けた。


「大丈夫ですよ。それよりもネレさんはお2人を守ってあげて下さい。私は何が起きるかわからない場所に大切なお客様を連れて行く訳にはいかないのです。しかし、メイさんがいないと鑑定ができないのも事実です。ですので私は行きます。私は不器用なので、2つの事を同時にするのが得意ではありません。……押し付けてしまって、すみませんね」


ニコッと笑って階段を足早に降りていった。

勝手に1人で行ってしまったアミナの言葉を聞いたネレは、彼女がとてつもない頑固な人間なのだとすぐに確信した。

今すぐ追いかけて少しでも力になりたい、そんな風に思うが、両親も放っておけない。

しかし目の前の不確定な恐怖と、人がこつ然と消えた謎に足が震える。

様々な葛藤が頭の中を駆け巡るが、覚悟を決めたように顔を上げた。


「お父さん、お母さん、ひとまず食堂に帰ろう。アミナさんがメイさんを連れて返ってくるのを信じて」


「……そうね。あの2人なら大丈夫……よね」


「あぁ、2人が戻ってくるのを待とう」


体勢を崩した母親を立ち上がらせるのをネレは手伝って食堂へと歩みを進めた。

そして信じて待った。

アミナがメイを連れて、無事に戻ってくるのを。



最後までお読み頂きありがとうございます!


この回までは導入です!

次回から大豪邸の地下通路をアミナが散策しながら屋敷の謎を解明していきます!

やっぱりホラーかミステリーっぽくなってるかも……?


それでは次回もお楽しみに!!

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