第二章 30話『『元』究極メイド、遺品修理を依頼される』
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明け方より少し前、アミナはメイドだった時の影響ですっかり目が覚めてしまう。
隣の部屋ではメイがまだ寝ており、同部屋のフィーも丸まって寝ている。
ただベッドの中でゴロゴロしていても仕方が無い為、顔を洗い、歯を磨き、髪の毛をセットする。
そしていつものようにメイド服へと着替える。
「翌々考えてみれば、もうメイドでも何でもないのにメイド服を着てしまっていますね」
アミナは全身が映る鏡を見ながらそう呟く。
彼女がメイド服を着続ける理由はいくつかあるが、その理由の中で一番大きかったのは、可愛いから、という理由だ。
あまり服に関しての知識が無い彼女は、何がおしゃれで何がダサいのかなど分からなかった。
しかし唯一可愛いと胸を張って言えるのがメイド服だった。
だからこそ、今も解れたり穴が空いても、同じ色で似たような材質の生地を買ってきて、スキルで直して着ているのだ。
ちなみに、同じような服がまだあと5着ほどあるのは内緒だ。
服に無頓着なのに不潔だのなんだのとメイに言ってしまったのだ。
何を言い返されるか分かったものではない。
「さて、外の掃き掃除でもしましょうか」
アミナはそう呟いて家の外へ向かった。
ようやく太陽が昇り始めただろうかという時間帯にアミナは外に出た。
まだ薄暗く、少しだけ肌寒い。
ほうきで店の前の汚れを端に寄せながら体を伸ばす。
「今日は晴れそうですねぇ」
そんな他愛もない事を言っていると、アミナのいる方へ誰かが近づいてきた。
薄暗かった為顔はよく見えなかったが、何か手に荷物を持っているのは一目で分かった。
それに、近づいてきた事でその顔を確認できた。
女性が2人に男性が1人。
女性の内の1人と男性はそこそこ年齢がいっているように見えるが、残りの女性はとても若い。
恐らくはアミナと同年代だろう。
そして、ほうきの動きを止めたアミナの目の前で立ち止まり、彼女の顔を見た。
「あの、何か御用でしょうか?」
3人は一瞬、お互いの顔を見合い、頷いた、
そして女性の1人が代表してアミナの方を見た。
「お願いしたい事があってきました」
―――
「……なるほど。お祖父様の遺品の修理ですか」
アミナは3人の話を聞いてそう呟いた。
仕事なのに外で立ち話というのも良くないと思い、アミナは3人を店の中に入れて話を聞いていた。
どうやら3人は親子らしく、母親がライラ、父親がジグ、そして娘がネレというらしい。
今日ははるばる遠くから来てくれたようで、この街に到着したのが今さっきだったらしく、試しに訪ねてみたらタイミング良くアミナと遭遇できたという。
すると、ようやくまともにお茶を淹れられるようになったメイは、寝起きながら紅茶を3人分淹れて運んできた。
寝癖が酷く、目も半開きだった為「そこに座っていていいですよ」と言って、お客さんが座っている横の椅子に座って虚ろ虚ろしていた。
「神妙な面持ちで仰られるから一体何事かと思いましたが、そういう事ならお任せ下さい。材料とイメージをお伝えいただければ修理してみせます」
アミナが自信満々に言うと「いえ……」とライラが言った。
「実は、その祖父の遺品なのですが、少し問題がありまして……」
「問題?」
「……祖父はそこそこ名の知れた冒険者でした。それ故に貰い物や現地で買った物が我が家に大量にありました。流石の量で管理が大変だと最初は思っていたのですが、それでも祖父との思い出だからと、全て保管してあるんです」
「はい、それは先程お伺いしましたけど……確かその中に壊れてしまった物があるから修復して欲しい、という内容でしたよね?」
ライラは小さく頷いた。
後ろで立って見ていた娘のネレは、焦れったそうにしていた。
アミナはそれにも気がついていたが、流石に指摘する訳にもいかない。
すると、ネレが母親のライラに向かって肩を叩き、「早く言っちゃった方がよくない?」と耳打ちした。
それに対しライラは「でも……」と言うが、困ったような表情をしてから意を決したようにアミナの方を見た。
「……先程、問題があると言ったと思いますが、その問題というのが……」
アミナは黙って聞いている。
そしてライラは額に汗を浮かべて真剣な顔をしていた。
その表情から、アミナはただならぬ予感がしていた。
そして、意を決したような目をアミナに向け、ライラは重い口を開いた。
「親類縁者の誰も見た事が無い……謎の遺品が見つかったのです」
最後までお読み頂きありがとうございます!
さて、収穫祭が終わってから初めての依頼!
何だか不穏な空気が漂っている気がしますね!
それでは次回もお楽しみに!!




