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第二章 76話『『現』コルネロの英雄達、古の戦士を見る』

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「おらぁッ!!ドンドン出てこいやぁ!!まだまだこちとら喰い足んねぇんだよ!!」


 ザストルク東部。その城壁付近で怒号が飛び散りながら血飛沫が宙を舞っている。

 文字通り先陣を切って戦いに走っているベルリオの後ろを、遠距離から魔道銃器で援護したり、もう片方の手で持っていた剣で応戦したりで、ベルリオの殺し損ないへととどめを刺しているイーリル。彼の戦い様を遠くから見てみると、改めてその荒っぽさと靭やかさに驚いて呆れる。


「ったく……皆を守る為の戦いってのはどこ行ったんだよ」


 まだまだ喰い足りない。そんな発言をした彼に先程自らが口にした、「誰かを守る為に強くなる。誰かを守る為に戦うんだ」という言葉を再び聞かせてやりたい。


「早く終る分には助かるんだけどねぇ……」


 地面に転がった魔人会の構成員の死体を複数見下ろしながらイーリルは、無惨な死に方の亡骸に感心を抱く。体が上下に真っ二つだったり、的確に首が刎ね飛ばされていたりで、到底自分には出来ない芸当だった。


 そしてふと自身の使っている剣に目を落とした。するとその剣は肉を裂いた後に残った血と脂で汚れ、久しぶりに剣を振った事で雑な扱いとなってしまったのだろう。既に刃こぼれを起こしていた。

 先程戦闘が開始してから今までで、イーリルは12人、ベルリオは23人程度魔人会の構成員を斬っていた。もはやこの時点で40人という予測は外れている。やはりもっと多くの構成員が地下から侵入していたのだろう。


「僕はもうお腹いっぱいだ……なんせ云年ぶりの戦場だし」


 自らが仕留めた構成員も混ざっている死骸達を見つめて呟く。


「おいイーノ!何してんだ。人数が減ってきたから中入んぞ!」


「あぁ、悪い。すぐ行く」


 ベルリオに呼ばれたイーリルは、魔人会の構成員が使っていた剣を拾い上げて複数回握ってみてからベルリオの方へと走っていった。

 人数が減ってきた。外に出ていた魔人会の構成員がベルリオによって殺され、残りが奥に引きこもってしまったのかもしれない。

 2人の目的はその残党を残さず殺す事。誰一人として逃がす訳にはいかない為、城壁内部に入って生き残りを全滅させる。その為に2人は城壁の入口へと近づいていく。


 そんな時、上空からとてつもない殺気を感じ取り、2人は急いで交代する。

 そして、その判断は間違いではなかった。2人が先程まで立っていた場所にその殺気の正体は着地し、地面を大きく揺らしてヒビを入れた。


「テメェも魔人会の野郎か」


 ベルリオ以上の巨体に発達した筋肉。それを見せびらかすかの如き服装の下からは、灰色の肌が露出している。口を固く結んでしばらく黙って俯いていた男は、イーリルが一歩地面を踏み直した瞬間、顔をピクリと動かした。

 すると一瞬で男の背後から大量の青い炎が飛び散り、超高温が2人の肌をピリピリと刺激する。


「ンだ!この熱量……!!」


 ベルリオが驚きと圧倒的な力を前に、思わず一歩後退りして炎の温度に耐える。イーリルも似たようなものだったが、彼はベルリオとは少し違い、何かに気がついたような顔をしていた。


「灼熱の青い炎に屈強な肉体……そして何よりも灰色の肌……」


 イーリルは震える。それを止めようとして足に手を置くが、その手すら同時に揺れて全く役に立たない。

 異常なまでに震えているイーリルが視界に入り、ベルリオは「どうしたイーノ!?」と訊く。するとイーリルは覚悟を決めたように唇を噛んで目の前にいる屈強な男を睨みつける。


「ベルは覚えてないかもしれないけど……僕等がまだバルグレアの学校に行ってた時の話だ。当時の僕等が歴史の教科書片手に盛り上がっていた英雄談義――」


 イーリルがそこまで言うと、どうやらベルリオも何かを感づいた様子だった。目の前の男の炎の温度に耐えている顔から、驚愕と汗が浮かび上がる。


「おい待てよ、まさか……!!」


「あぁ、そのまさかだ。50年以上前に戦死したと言われていた、コルネロ帝国武装騎士団8代目総団長。そして、コルネロ帝国史上、最強の英雄……『灰燼のリグザ』だ……!!」


 

最後までお読み頂きありがとうございます!


すみません!今回短めでした!

次回もまたベルリオ達の視点になります!

細かい事は次回描写となります!


それでは次回もお楽しみに!!

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