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第二章 75話『『現』プロの殺し屋、《結晶》を相手取る』

よろしければブックマークや感想の方よろしくお願いします〜!

もしかしたら後半部分、不快にさせてしまうかもしれません。

あらかじめご了承下さい。



『結晶』

 一般的には、内部構造が一定の間隔で繰り返されている固体を指し示す。

 しかし、オセ・グラウデ・メルナスが名乗った『結晶』はそれとは全くの別物だ。魔人会の幹部がその言葉を言うのなら、彼女の言った『結晶』の意味は明白だった。


 この大陸に太古から住んでいた魔人達。彼等にそれぞれを表す言葉が与えられていた。


 魔法やスキルなどの神秘の力、この世の目に見えぬ法則や幻想そのものを司るという意味を持つ『幻理(げんり)』。


 世界を形作る物質。土、水、金属、宝石などあらゆるものの基盤となるという意味を持つ『環害(かんがい)』。


 生命や時間、風や水の流れを司る力。すべてのものは輪動によって動き、変化し、果ては不変のものとなっていくという意味を持つ『輪動(りんどう)』。


 もう1つの現実、または真実と嘘。過去や未来と繋がる扉となり、世界に変化をもたらすという意味を持つ『鏡界(きょうかい)』。


 生命に宿る魂、情熱、意志の力。世界に生きる全ての存在の本質的なエネルギー源という意味を持つ『結晶(けっしょう)』。


 そして、魔人が住んでいた第二大陸そのものを表し、世界が生まれる前に存在した、純粋な力の源。混沌という意味を持つ『原初(げんしょ)』。


 これら5つの言葉を冠する魔人が、原初――すなわち第二大陸に集まる。それこそがかつて存在したこの大陸の本来の姿である。そして、メルナスはその中の1つを自ら名乗り、自らを天魔六柱と称した。

 メイはメルナスの言葉の意味を考えると、魔人会の幹部はそれ等の言葉を冠した者の集まりなのだと、用意に推測できた。


「もう一度、あの花を――咲かせてくれる?」


 ズドンと重い衝撃を愛用の剣で受け止め、力の流れを横方向に逃がす。行き場を失った力はそのまま部屋の本棚を貫通して壁をも破壊する。貴重である紙が使用された本が次々に裂け、周囲に千切れた紙を散らばらせる。


「―――」


 次の瞬間にはメイの鋭い蹴りが少女の首を抉る。何かが潰れる音と折れる音の2つが鈍く響き渡る。

 その一撃でメルナスはザストルク案内所の二階から外の石畳の通路に叩きつけられ、砂煙を巻き上げる。


 空気を斬り裂く勢いでメイも通路まで飛び降りて着地する。その風圧によって砂煙は晴れた。しかしそこにメルナスの姿は無かった。


「――ッ」


 メイは周囲を経過して見回す。そして彼女が背の方を向いた瞬間、直角に折れた首を擡げているメルナスの姿があった。

 メルナスはメイと目が合うとニヤニヤと微笑んだ。するとその後、彼女の首がゴキゴキと音を鳴らして蠢き、最終的に元の形へと戻った。


「へぇ……本当に気持ち悪いな、お前」


「っぷはぁ……。はぁ、お姉さんの攻撃、最ッ高だね!」


 まるで何事も無かったかのように、吹き出ていた血も蹴られた痕の打撲も無い姿でメルナスは、最高の笑顔を浮かべてメイに向ける。

 再生してやがんのか……とメイは心の中で呟くが、そう私の考え通りだと良いんだがな、とも続けた。


「容赦も躊躇も無しでこの威力なんて産まれて初めて!!私とお姉さんってぇ、体の相性バツグンなのかもねぇ」


 メルナスが自身の身体を抱きながら前屈みになってメイに言う。彼女の態度がいちいち癪に障るが、メイはそんな考えを取っ払って次なる一手を繰り出す。


「お前なんかと相性がいいだなんてまっぴらだぜ。まだその辺の馬糞のがマシなくらいだぜ」


「糞尿……それも生きた証。血肉には劣るけれど、私にとってはそれ等と同じくらい大切な生きる糧……ハッ!もしかしてお姉さん!!私にお姉さんの排泄物をくれるの!?」


 あまりの事にメイはいい加減怒りを通り越して呆れすら感じていた。それがメルナスにとってわざとなのか、それとも本音なのか。知りたくもないし知らなくていいような事が頭の中をよぎる。


「はぁ……本当に話通じねぇな。てか、話に出てくる単語の3割くらいしか聞いてねぇんだろ」


「そんな事無いよ。私は私の好きと生と性を繋げてるだけだから」


 やっぱり駄目だ。会話が成立してない。こっちの話聞く気がないなら喋っても時間の無駄だな。メイはそう考え、剣を構えて戦闘態勢を取る。


 地面の石畳が爆ぜる程の踏み込みから、メイはメルナスのいる方向へと跳んだ。そして腹部へと建を振り抜いて斬撃を繰り出す。

 斬られるのと同時に後方へと押し退けられたメルナスは、背に佇んでいる建造物を次々に破壊しながら飛んでいく。1つ、また1つと既に崩壊した民家を更に破壊して瓦礫の山を作り出す。

 自身で吹き飛ばしたメルナスだが、メイはそんな彼女に追いつく勢いで走り出し、すぐに上を取った。


「街壊し過ぎってアミナに叱られちまうかもしれねぇが、お前倒せねぇ方が叱られるんでな」


 平行移動しているメイは上空から更にメルナスの胴体にキツイ一撃を加える。メルナスは悲鳴1つ挙げずに地面へと叩きつけられ、石床が大きくひび割れて凹んだ。

 もはや肉塊と化しているメルナスだったモノを見下ろしていたメイだったが、ふと何かを感じ取って、一瞬にして距離を取った。

 すると、その選択が現状最も正解の行動だったという事を思い知った。


 メイが飛び退いたコンマ数秒後、メルナスの周囲に巨大な蛇のような牛のような、様々な動物が混ざったような形をした生物が飛び出した。それはメルナスのいる地面以外の周囲3〜4メートル程を抉り取ってから、理由もわからず爆ぜて血の雨を降らせた。


「お姉さん容赦無ぁい。……でもそこがいいっ」


 先程のグロテスクな化け物が地面を抉った後、メルナスはまたしても何事も無かったかのようにしてメイを見つめている。目玉が独立してギョロギョロと動いていたのは、ついさっきまで再生をしていたからに違いない。


「はぁ……はぁ……また心臓がうるさいぃ。でも、もういいの。これからお姉さんの体に綺麗なお花を咲かせてあげる」


 興奮で息を荒げている話の通じない犯罪者の言葉に耳を傾ける暇など無く、メイは再び建を構えてメルナスのいる方を見つめた。その後、崩壊した建物達の方へと、一般人が走るような速度で走って入っていった。


「え?やだやだ、いやだよ。逃げちゃうの……?」


 メルナスは心から悲しそうな声を上げて両手をギュっと強く握る。そんな彼女は思考がまだ追いついておらず、メイを追いかける事はしなかった。

 しかし次の瞬間、メイはメルナスの背後へと一瞬にして回り込んでいた。後方から浴びせられる斬撃にメルナスは目を見開いて驚く。これこそが、メイの作戦だった。


「―――ッ」


「生憎私には、不意打ちを卑怯だと思う感性なんてねぇからな」


 それは意識外からの攻撃――。

 もし仮に、メルナスが意識した攻撃だけに再生をしているのだとしたら、この攻撃のダメージは通るハズ。そう考えた上での緩急をつけた走り。

 地道で時間のかかる攻略法だが、敵の能力の全容が分かってない以上、そういった事で埋めていくしか無い。メイは自身の実力を加味した上でそういった結論に至った。


 建に突き刺さったメルナスを前方へと蹴り飛ばしたメイは、姿勢は低いままでメルナスの様子を伺っている。

 血は吹き出ているしメイの持っている剣にも、メルナスの血液は付着している。先程と状況は何も変わっていないが、多少なりの変化があれば大収穫だ、とメイは変わらぬ姿勢でメルナスの転がった方を見つめる。


 しかし、状況が変わる事――それはそこまで簡単な事では無かった。

 メイが不意打ちで突き刺した背中の傷。それをメルナスは立ち上がった瞬間に破けた服ごと再生していた。僅かに見えた傷口の治り方。何かがうねうねと動き、傷口をその何かが編み物をするかの如く動き回り、傷口を塞いでいた。


 また次の一手考えねぇとな。そう考えていたメイの二の腕を、何かが掠った。そこからは血が吹き出し、ぼたぼたと音を立てて地面へと落下する。


「――ッ」


 メイは反射的に目の前にいる少女を睨みつける。するとメルナスの人差し指がこちらに向けられており、何故か人差し指の第二関節より先端が無く、まるで何かに切り取られたかのように出血していた。

 そんなメルナスは何故か誇らしげで興奮している。そんな表情をメイに向けている。


「アハハハッ!痛い!?ねぇ!?痛い!?あんまり自分の血なんて見た事無いって顔してるよお姉さん!腕に綺麗なお花が咲いているよ!?」


 メイはドクドクと流れる続ける二の腕の血液を一瞬だけ見た後に再びメルナスへと視線を戻す。彼女はプルプルと小刻みに震えて頬を赤らめて微笑みながらくねくねと動いている。下腹部の洋服をギュっと握りしめ、下に履いていた股下で裾が切られたスパッツが露わになる。シワが握られた拳に集中し、彼女の興奮具合が理解できてしまうのが無性に腹立たしい。


「さぁ――もっと咲かせてよぉ!!」


 メルナスは片腕を勢い良く伸ばした。すると彼女の腕は顔だけ獅子のような化け物を生み出し、それをメイへと放ってくる。大口を開けたメルナスの腕は、メイの体を食い千切ろうと鋭い牙を煌めかせている。

 

 反応できない速度ではない。そう思考したメイは剣を開かれた口の頬に沿って斬り裂いた。紫色で気色の悪い血が飛び散り、メイの顔面や体に付着する。それを気にしている暇は無く、メイはすぐさまメルナスに距離を詰めてまた懲りずに斬撃を加える。


「―――ッ!!」


 その瞬間、メイの体を激痛が襲う。肌が焼け焦げるような痛みと劈くような異臭。メイは初めての感覚に長い殺し屋歴で稀に見るよろめきを見せた。

 そんなメイを見て再びメルナスは喜びの声と狂気を感じる程の笑顔をメイに向けた。


「アハハハッ!!やっぱりお姉さんの血はとっても綺麗だよ!赤くて、黒くて、煌めいて、滲んで、滴って、弾けて、流れて、粘って、染み込んで、焼き付いて、香って、温もって、絡みついて、跳ねて、裂けて、光って、鈍って、艶めいて、飛び散って、這って、纏わりついて、乱れて、渇いて、濡れて、蠢いて、潤んで、砕けて、散らばって、響いて、震えて!!そんな貴女の血液が私は大好きィ!!」


 焼けるような感覚が体全体に広がっているメイは、2度目の不覚に膝をついて息切れを起こした。


ンだこの感覚……!まだ体力も痛みも耐えられねぇレベルじゃねぇハズだ……。なのに体全体に力が入らねぇ。……いや、そんな単純な話じゃねぇ。よくは分からねぇが、この力の根源を探らねぇと、このままじゃジリ貧だ……。


「んーでも、今の私の理論だと、自論を否定する事になっちゃうなぁ……」


 元に戻った手を人差し指だけ立てて顎に当てながらメルナスは呟いた。上目遣いの彼女は夜空を見上げていたが、恐らくそんなものは微塵も目に入っていないだろう。


「だってぇ、私はどんな犯罪者でも聖人でも、動物でも人間でも、血の色や美しさや温度は同じだって言ってたじゃない?でも貴女の血液だけはなんだか今まで見た事無いくらい素敵に感じるの。何でかは良く分からない。貴女の顔が良いから?それとも殺した人間の数が多いから?それとも私には持ってない何かを持っているから?力があるから?知恵があるから?愛があるから?憎しみがあるから?ううん。全部貴女から感じる事だけれど、きっとそれだけじゃないんだよね。でも、そんなのおかしいよね?血ってみんな平等に流れているはずなのに。でも貴女の血は違うの。輝いてる。まるでこの世のすべての罪を洗い流すみたいに、強くて、深くて、鮮やかで、ただの赤じゃない。まるで夜空を切り裂いた流星みたいな煌めき。まるでこの世のものじゃないと感じさせる温度。何百、何千の命を見送ってきたから?それとも、貴女自身がその"業"の結晶だから?だとしても私は不公平だと思っちゃう」


 苦しんで3度目の不覚である嘔吐を味わっているメイの顔を覗き込みながら、メルナスは細めた目をメイに向けている。細められた瞳の中に小さく苦しんでいる自分が映っていると考えると、情けなくて仕方がなかった。


「だって、今まで見てきた血と臓物と肉と骨と神経――筋と腱と軟骨と髄と皮膚と脂肪と粘膜と毛と爪と歯と眼球と網膜と虹彩と硝子体と涙腺と声帯と咽頭と気管と肺と肋骨と横隔膜と食道と胃と腸と腎臓と膀胱と肝臓と胆嚢と膵臓と心臓と動脈と静脈と毛細血管と脳と小脳と延髄と脊髄と神経節と指と関節と靭帯と骨髄と掌と足裏と踵と踝と鎖骨と肩甲骨と肘と膝と肋骨と大腿骨と腓骨と脛骨と骨盤と尾骨と胸骨と胸筋と腹筋と背筋と血管と神経と鼓膜と内耳とと舌と味蕾と喉仏と喉頭と副腎と睾丸と卵巣と子宮と胎盤と乳腺と乳頭と涙と汗と唾液……それら全部を否定する事になっちゃうんだもん。そんな事私には出来ない。でも貴女の血を、体温を、この肌に感じたい」


 地面に滴っているメイの血液と吐瀉物が混ざった液体を両手ですくい、口元へと持ってきてズズズと飲み干す。手と口は血まみれになり、鉄臭い匂いが更に広がる。


「貴女を殺して貴女の血と体温で私は生きる。でもそれは今まで私を生かしてくれた血と体温を裏切る行為。あぁ、なんてもどかしくて愛おしい私のお姉さん。……でもこれは、貴女1人を特別だと感じてしまった私への罪と罰。殺しても殺さなくても、私の心には大きな穴が空いちゃうの」


 そう言ってメイの頬を血の着いた手で持ち上げた。ぬっとりとした不快感がメイの皮膚を襲うが、そんな事よりも目の前のイカれた存在に報いる為にメイは唾を吐きかけた。

 顔が歪むだろう、そう考えていたメイだったが、珍しく読みが外れた。

 メイに唾を吐きかけられたメルナスは、頬どころか耳まで赤らめて最高の笑顔を浮かべた。そして、蛇のような長い舌をシュルっと動かしてメイの唾液を舐め取った。


「あぁ……やっぱりお姉さんは最高だぁ……」


 メルナスはうっとりした表情でそれだけ呟くと、メイを民家の残骸の方へと投げ飛ばした。

 抵抗する力が欠けているメイは、投げられた衝撃のされるがままに瓦礫を吹き飛ばしながら体中を打ち付ける。

 木材が頭部に当たって折れる。煉瓦が腕に当たって砕ける。鉄骨が腹部当たって曲がる。どれもメイにとってはダメージになり得ないものばかりだったが、先程メルナスの肉体を引き裂いた時に噴出した血液によるダメージがかなり響いていた。


 頭の上から次々と落下してくる瓦礫を全く意に介していない様子で立ち上がるメイは、落下物を気にしていないハズなのにヨロヨロとよろめいている。息も切れている。こんな状態、アミナとの戦いで腹部に風穴を空けられた時以来の感覚だった。


へっ……へへへ……ったくよぉ、何が悲しくてこんな無様晒してんだ私はよ。アミナ達に派手なタンカ切ってきたじゃねぇか。ここで負けるなんて私のプライドが許さねぇ。そして何より――


「テメェみたいなイカレ野郎に無様晒して嗤われるのはもっとごめんだな……!」


 メイはバッと顔を上げて自身に追いついてきたメルナスへと目を向ける。彼女は余裕そうにあるいて近づき、素足で瓦礫を蹴って避けながら進んでいる。


「んーん。無様じゃないし嗤わないよ。綺麗な赤いドレスを着たみたいで凄く綺麗だよ?」


「テメェの美的センスはアミナの服を選ぶセンス以上に壊滅的だな……」


 メイは「開け二門」と呟いて巨大な大剣を取り出した。重たく大きく分厚い謎の金属で作られたその剣と、両刃の剣である建を片手ずつに持って改めてメルナスに向き直る。


「あれ、もう痛み消えちゃった?お姉さんって何でも早いね」


「悪ぃが、痛みっつーのは耐えられんだよ。耐えた先に立ってる奴だけが、生き残る。それが私の世界のルールだ」


 よろけながら武器を構えるメイの姿に説得力はあるだろうか。しかしそれはメイにとってはどうでもいい事だ。他者の評価より、己の中でどうあるかが最も大事だという事をメイは知っていたからだ。

 その証拠に、足や体が少々震えていようが、武器と瞳だけは全く揺れていない。しっかりと目の前の敵を捉え、次の一手を数千通り程脳内で検証して突破口を編み出そうとしている。


 その時、メイはふと思い出した。この街の構造を。

 コルネロ帝国の流通と交通の2つを担っている、帝国の中でも帝都に次いで重要な街。それがザストルクだ。

 そしてこの街の地下には街全体の排水を集める為の下水道がある。つまり、どこからそこにアクセスしても、下水道のどこかには必ず辿り着く、という事だ。

 

「一か八か……か。へっ、やってやろうじゃねぇか」


 メイは久しぶりにニヒルな笑顔を浮かべ、メルナスの顔を見つめる。いきなり光を取り戻したような顔をしていたメイに、メルナスはキョトンとした顔を向けていた。


「よぉ変態。第二ラウンドといこうぜ!!」


 そう叫んだ瞬間、メイは勢い良く地面を殴りつけた。それは彼女の中ではかなり本気に近く、その拳の衝撃で大地は揺れ、石床は大きなヒビを入れた。

 そして巨大な穴が形成され、そこにメイもメルナスも落下した。

 

 大きく暗い通路のような空間。メイはそこに膝をついて着地したが、メルナスはどういう訳か背中から鳥のような羽を出して優雅に降り立った。そんなんだったらわざわざ降りてくる必要もねぇだろうに、とメイは1人ツッコんだ。


「ここって……」


「あぁそうだ。テメェ等がこの街に来て身を潜めるのに使ってた下水道だよ。広くて戦りやすいだろ」


 そう言って武器を構え直すメイ。後ろではザーザーと凄まじい勢いで流れている下水の音がよく聞こえる。通路そのものも昼間歩いたところよりも随分広かった。流石案内所の付近で、管理人の家の近くだ、と本当にそんな理由なのか分からない事を心の中で呟いた。


 いつも通りのニヤリとした笑顔を浮かべたメイを見て、メルナスもやる気になって体を変化させた。 

 うねうねと動く謎の物質から形成されていくキメラのような生物達。そんなのを前にメイのやる気は依然、高まっていた。


「さぁ、正念場はこっからだ……覚悟しろ。こっから結構、マジに戦るぜ」



最後までお読み頂きありがとうございます!


メイ初のピーンチ!!

そして本当にメルナスが気持ち悪くてすみません!!

気持ち悪くしようとしているのでそう思っていただけたら成功なのですが、それを喜んで良いのか悪いのか少し微妙ですね……。


それでは次回もお楽しみに!!

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