第一章 9話『『元』究極メイド、素材集めに行く』
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アミナはいつも通り悩んでいた。
それもいつも通りの悩みで、机の上に今所持しているお金を全て並べた。
金貨4枚、銀貨5枚、銅貨4枚。
これらは銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚、といった価値だ。
銅貨一枚で大体、果物を買える程度。
この大陸に来て恐らく1週間弱。
街に着く前は外の魔物や木の実や野草を食べていた為、お金は使わなかったのだが、この街に来てお店の準備をするうちに、普通に食料を買い、食事をしていたらそこそこの額を使ってしまった。
そこで一つの案として、さっさと図鑑や説明書を買い揃えてお店を開店してしまおう、という考えも思いついたのだが、ついこの前、食料を買いに行った帰りに本屋に立ち寄った。
しかし本の値段を見るなり驚愕した。
その理由は、本一冊あたりの相場が金貨数枚から数百枚だという。
第四大陸では本など、高くても銀貨4、5枚で買うことが出来た
紙が貴重なのか、製造方法が確立されていないのか分からなかったが、とてもじゃないが今はそんな大金使っていられない。
欲しいのは本だけではない。
物作り屋を開くならばもっと追加の素材が欲しいところだ。
依頼者の人に素材を持ってきてもらおうと考えていたが、流石に一般人にもそうしてもらう訳にはいかない。
だから全部を全部依頼者に任せるのは却下だ。
私自身も素材収集に赴いて、様々な素材を売っているお店としての役割も果たせるお店ということにしよう。
その為にはやはり、この大陸の様々なところへ行って素材を集めなければならない。
解決策とはならないが、冒険者ギルドに依頼を出すというのも考えた。
素材収集の間の護衛を、冒険者の人達に依頼して守ってもらう。
そうすれば安全に素材を収集することが出来る。
だが依頼を出すのにもお金がかかり、報酬を出すことにも勿論お金がかかる。
この案が解決策にならない理由がそれだ。
幸い、この街に似たような商売をしている人はいなかった為需要は期待できるだろう。
何せ、その辺に落ちている物で何かをしようとする者なんていない。
それは嬉しい誤算ではあったが、ノウハウが学べないという点で言えば良いことでは無い。
「やっぱり第一はお金……それを優先する為には大元となる素材……」
頭を抱えるアミナは、机の上のコインに目を落とす。
その額では素材を買うことはもちろん、本や道具を揃えることすら難しい。
頼りのスキルがあっても、材料がなければ何も作れない。
「仕方無い。自分で集めるしかないわね」
アミナの決意は揺るぎないものになった。
究極のメイドと呼ばれた過去の自分に恥じないよう、自ら行動を起こすしかないのだ。
―――
翌朝、アミナは身支度を整え、家を出た。
外の空気は清々しく、広場には朝市の準備が進んでいた。
露店の主たちが商品を並べる中、アミナはじっと目を凝らして素材になりそうなものを探した。
「見た感じ、この街には材料に使えそうなものは少ないわね……」
街中を歩き回って気づいたのは、手頃な素材がほとんど見当たらないという事実だ。
生活必需品を扱う店は多いが、彼女が求めるような加工しがいのある素材――たとえば未加工の木材や動物の皮、魔物の素材といったものは、ほとんど扱われていなかった。
「やっぱり予定通り街の外に行くしか無いわね」
アミナは街の入り口に向かいながら考えた。
この街は冒険者の拠点として発展しているため、外に出るための門が複数ある。
その先には魔物の棲む森や広大な平原が広がっていると聞いていた。
危険だけど、素材集めには一番の近道。
最悪スキルがあれば食べ物には困らない。
どんな食に適さないものでもスキルでいくらでも作り変えることが出来る。
毒素だけを他のものに融合すれば、不味いけれどお腹に溜まる物は作れる。
危険な森に一人で行くのは無謀だ。
冒険者ギルドに依頼して護衛を頼むべきだが、そのための資金も今はない。
アミナは唇を噛みしめながら、街を歩き続けた。
途中、広場の一角で賑わいを見せる屋台に目が留まる。
そこでは、粗末な毛皮や木の切れ端が並べられていた。
「おっ、これくらいなら……」
彼女は店主に声をかけ、値段を聞いた。
銅貨3枚で毛皮と木材を手に入れることができたが、それでもまだ足りない。
「ちょうど"これ"を作ったから革が足りなかったのよね」
アミナは腰に巻いている革製のベルトを擦りながら言った。
それは素材収集に行くと決めた時に必要だと感じて作ったベルトだ。
小さなポケットが幾つかついており、ナイフや短剣くらいなら収納できる鞘のカバーもついているお気に入りの一品だった。
今購入した狼の毛皮は鞣しの工程が終わっていないが、スキルでその工程を省くことは出来る。
なんとも便利だ。
思わぬ収穫があったアミナは一度、荷物を整理するために家へと引き返した。
―――
家に着いたアミナは、荷物を整理しながら独り言をつぶやいた。
「街の外に行くとなると準備が必要よね。食料や水、ちょっとした石とか木とか……あっ……」
アミナは荷物を整理していると、一つの短剣が目に入った。
それは自分がこの大陸に来て、使ったこともなかったスキルを使って作り上げた最初の物だった。
短剣を見て、アミナの意識は高まりつつあった。
彼女は短剣を腰に巻いている革製のベルトに差し込んだ。
その瞬間、彼女の中の決意は固まった。
外での素材集めは初めての挑戦だ。
だが、アミナは不安よりも期待で胸を膨らませていた。
この街で店を構えるための第一歩――それを自分の力で切り拓くのだ。
「よし、不肖アミナ………一狩り行きます!!」
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