第2話 古い伝承
エイラはタレンとの会話が頭から離れなかった。「星の遺跡」という言葉が彼女の胸に残り、何か大きなものが自分を呼んでいるように感じていた。その夜、彼女は眠れずに村の外れにある高台へ向かう。ここは彼女が幼いころからよく訪れていた場所で、空を見上げるには最適だった。 夜空には無数の星が瞬き、静寂の中に風の音だけが響いている。エイラは星を眺めながら、アヴィアンたちの起源について考えを巡らせた。タレンが語った伝承を思い返しながら、彼女は自問する。 「私たちが空を飛べるのは、単に生まれつきの力なのだろうか。それとも、何か理由があるの?」 そのとき、空を流れる流星が彼女の目を引いた。その光は短い時間で消えたが、エイラの心に火を灯したようだった。彼女はこの瞬間、星の遺跡を探しに行く決意を固める。 翌朝、エイラは村の書庫を訪れる。この書庫はタレンが管理しており、アヴィアの歴史や文化に関する古い文献が保管されている場所だ。書庫に入ると、埃の匂いと古い本の革の感触が彼女を迎えた。 「タレン、遺跡についてもっと知りたいのですが」 エイラの言葉にタレンは微笑みながら本棚を指さした。 「星の遺跡に関する記録は少ないが、この棚にいくつかの手がかりがあるかもしれない。だが、注意しなさい。知識を得ることは責任を伴う」 エイラはその言葉に頷き、熱心に本を調べ始めた。彼女は何時間もかけて古い巻物や書籍を読み、遺跡についての断片的な記録を見つける。そこには「風の谷」「火の山」「星の地図」といった手がかりのような言葉が記されていた。 書庫での調査を終えたエイラは、自分が手に入れた情報を整理する。「風の谷」は比較的近くにある場所で、そこにはアヴィアンの中でも風を操る技術を持つ一族が住んでいると聞いていた。 彼女は次第に心が躍るのを感じた。「この手がかりを辿れば、星の遺跡に近づけるかもしれない」。 その夜、エイラは母親に旅立つ決意を告げる。母親は驚きと共に心配を隠せなかったが、エイラの強い意志を感じて最後には応援してくれる。 「あなたが自分の道を見つけるなら、それを応援するわ。でも、必ず無事に帰ってきてね」 エイラは母親に感謝しつつ、旅立ちの準備を始める。彼女は村の仲間たちに別れを告げ、いよいよ未知の地への一歩を踏み出そうとしていた。




