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ノラ猫と女子高生の恋  作者: 藍瀬 七
第1章 猫と少女の奇妙な日常
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第8話 予期せぬ告白の連鎖

「好き」という気持ちは、誰かに伝える瞬間が一番難しい。

でも、それ以上に難しいのは、伝えた後の関係。彼女の涙が夕焼けに照らされてきらめいたその瞬間、僕たちはお互いの想いに気づいた。だけど、それを見守るもう一人の視線があるとは、誰も思っていなかった。三角関係に巻き込まれる青春ラブストーリー、開幕です!

 唯の瞳に浮かんだ涙は、夕焼けに照らされてきらめいていた。その時、俺は確かに感じた——この瞬間、2人の距離は少しずつ縮まっているのだと。


 唯が話し始めたところで、ふと少し離れた場所に立っている人影が見えた。それは透だった。彼は唯と俺の様子をじっと見つめ、何かを考えているようだった。


 俺は少しだけ透の視線が気になりながらも、唯に集中しようとした。しかしその時、唯の携帯が突然震えた。


「ごめん、ちょっと……」


 唯がスマホを確認すると、画面には透からのメッセージが表示されていた。少し焦った表情で俺を見上げる。


「哲也くん……ちょっと一緒に来てくれる?」


「え?どこに?」


 唯は俺の手を握りしめ、透のいる方に向かって歩き出した。驚きながらも、俺は彼女の後を追う。校舎を抜け、校門に向かうと、透は既に待っていた。どうやら唯が連絡を確認する前に、透は心の準備を済ませていたようだ。


「透さん……どうしてここに?」


「唯お嬢様、少し気になって、つい……お二人の大切な話を邪魔するつもりはなかったのですが」


 俺は思わず目を見開いた。透が唯のことを気にして、ここまで来たのか?


「えっ、ちょ、ちょっと待って!俺たち今、重要な話をしてたところで——」


「重要な話だというのは分かっています!でも、私も黙って見過ごせませんでした!」


 透は真剣な顔で俺に向き直り、突然胸に手を当てて深呼吸をした。まさかと思った瞬間、透は声を張り上げた。


「唯お嬢様、私のことも考え直してくれませんか!?」


 俺も唯も、思わず驚いて息を飲んだ。透はいつもの冷静な態度とは打って変わって、全力で叫んでいる。その声は校門付近にいる学生たちの耳にも届き、次々と注目を集めていった。


「えっ、な、何が起きてるの!?ただの三角関係じゃなくて、こんな公開告白なんて!」


「わぁ!どっちが勝つんだろう!?ちょっとドラマみたい!」


 ざわめきの中、透は唯に向かって一歩踏み出す。


「唯お嬢様、俺の気持ちも本気です。お嬢様の気になる人が誰であれ、俺は諦めるつもりはありません!」


 唯は困惑しながらも、透の真剣な表情に少し戸惑っていた。


「透さん、そんなこと……」


 すると、そこにタイミング悪く、女子生徒たちがやってきた。


「あれ?唯ちゃん、何かあったの?」


「あ、あれは哲也くんと透さん……二人とも唯ちゃんに告白してる!?」


「きゃー!なんて展開なの!」


 一気に周りの注目が集まる中、唯は真っ赤な顔で俺に目を向けた。


「哲也くん……どうしよう、私、恥ずかしい……!」


「えっ、えっと……(なんか、取り返しのつかない状況になっちまった!)」


 俺は一瞬、どうしたらいいのか分からなかった。だけど、今ここで引いてしまったら、唯に想いを伝えた意味がなくなる。だから俺は思い切って、唯の手を引いた。


「唯ちゃん、行こう!」


「えっ、どこに!?」


「とにかくここから逃げるんだ!」


 2人で駆け出し、透やクラスメイトたちの驚く顔を背にして、校門を飛び出した。


 夕暮れの街中を走り続け、ようやく息が切れたところで俺たちは公園のベンチに腰を下ろした。


「はぁ、はぁ……哲也くん、何だかドラマみたいだったね……」


「そうだな……まさかあんな告白バトルが始まるとは思わなかったけど」


 唯は笑顔を見せながらも、少し照れたように目を逸らした。


「ねぇ、哲也くん……私、本当にあなたのことが好きなんだよ」


「俺も……唯ちゃんが好きだ」


 お互いの想いを確認し合ったその瞬間、俺たちは笑顔になり、恥ずかしさから目を逸らしながらも、手をつないだまま静かに寄り添った。


「これから、どうなるんだろうね?」


「分からない。でも、俺たちならきっと大丈夫だよ。どんな困難があっても、乗り越えられるさ」


 その言葉に唯は頷き、夕焼けの中で二人きりの時間を楽しんだ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

透の告白には、書いている私もドキドキしてしまいました。皆さんは、哲也と透、どちらを応援したくなったでしょうか?この後、唯の選ぶ未来が気になるところですが、それはまた別の機会に…。ぜひ、感想や応援のコメントをお待ちしています!

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