第26話 ペンダントに映る恋心
唯が悩みながらも夢に向き合う姿と、哲也と浩平の真っ直ぐな想いの交錯を描きました。ペンダントが紡ぐ恋と夢の物語、ぜひ最後までお楽しみください!
唯は、スマートフォンに表示された2つのメッセージを見つめていた。
『唯ちゃん、少し話せないかな?』――哲也
『唯ちゃん、会って話したいことがあるんだ』――浩平
二人からの真剣な言葉が、唯の胸にずしりと響いた。どうしてこんなにも同じタイミングで届くのだろう。それは、唯が二人の間で迷い続けている心を映し出しているかのようだった。
「……私は、どうすればいいんだろう」
唯は悩みながらも、まず哲也に返信を送ることを決めた。
『哲也くん、いつか時間があるときに相談したいことがあるの。会えるかな?』
送信した瞬間、哲也からすぐに返事が届いた。
『もちろんだよ、唯ちゃん。どこでも会いに行くから、教えてね』
その返事にほっとした唯は、続いて浩平に返信を送る。
『浩平くん、話したいことがあるなら今度聞かせてほしい。その前に、発表会の準備で少し忙しいけど……』
少し間を置いて、浩平からの返事も届いた。
『了解。唯ちゃんの都合に合わせるよ。でも、無理しすぎるなよ?また笑顔を見たいんだからさ』
唯はスマートフォンを閉じて深呼吸をした。二人とも優しすぎる――それがかえって唯を迷わせているのだと感じた。
♦♦♦
その日の放課後、唯は哲也と会う約束を取り付けた。哲也が待つ動物病院の外に着くと、彼が笑顔で迎えてくれた。
「唯ちゃん、来てくれてありがとう。少しでも力になれたら嬉しいよ」
唯はその言葉に安心し、ゆっくりと口を開いた。
「哲也くん、私、発表会の準備をしてるんだけど……夢について話すことが、自分にとって本当にできるのか、自信がなくて」
哲也は静かに頷き、唯の隣に腰を下ろした。
「唯ちゃんが語る夢は、本当に素敵だと思う。俺だって、唯ちゃんが夢に向かう姿を見てたら、自然と応援したくなるんだ」
哲也はふと、自分の胸元に触れた。そこには唯が一度忘れていったペンダントがあった。彼はそれを見て、一瞬ためらいながら唯に手渡した。
「あ……そのペンダント、探してたんだよね」
「机の上に置きっぱなしだったよ。俺が預かってたんだ、一言連絡すれば良かったね。それでさ……これは唯ちゃんが持つべきものだと思う。きっと、これも唯ちゃんを応援してくれてる」
唯はペンダントを受け取り、じっと見つめた。その光が淡く輝くように感じたのは気のせいだろうか。
♦♦♦
一方、翌日唯は浩平と再び動物カフェで会うことになった。店内に入るなり、浩平は手を振りながら彼女を迎えた。
「唯ちゃん、ここだよ!」
唯はその明るい声に思わず微笑んだ。浩平の前に座ると、彼が早速メニューを広げた。
「発表会のこと、無理しすぎてないか?今日は甘いものでも食べて、リラックスしようぜ!」
唯は少し笑いながら首を振った。
「ありがとう、でも、やっぱり気持ちが落ち着かなくて……」
すると浩平は真剣な表情になり、唯の目をまっすぐに見つめた。
「唯ちゃん、俺は唯ちゃんのことを支えたい。夢も応援するし、でも……それ以上に、唯ちゃんにとって俺が必要だって思ってほしい」
その強い言葉に唯は目を見開いた。浩平のこんな一面を見るのは初めてだった。彼の真っ直ぐな気持ちに戸惑いながらも、胸の奥に温かさが広がるのを感じた。
「浩平くん……ありがとう」
浩平は満足そうに微笑み、カフェの柔らかな空気が二人を包んだ。
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その夜、唯が自室で発表会の原稿をまとめていると、ふとペンダントが淡く光り出した。唯は驚きつつも、その光を見つめた。
すると、そこに映し出されたのは――哲也と浩平の姿だった。哲也は病院で忙しそうに働きながらも、唯のことを考えているような表情をしていた。一方、浩平はカフェで唯の笑顔を思い出すように、少し照れたように笑っていた。
「二人とも、私のことをこんなに……」
唯の胸に、再び迷いが生まれる。しかし、彼女は深呼吸をして、ペンダントをそっと握りしめた。
「まずは……発表会を頑張ろう。それが、今の私にできる一番のことだよね」
唯はペンダントを机に置き、再び原稿に向き合った。その瞳には少しずつ決意の光が宿っていた。
唯の決意が固まり、いよいよ発表会の日が近づいてくる。一方で、哲也と浩平の間に微妙な緊張が走り、ついに二人が唯を巡って対峙することに――。
さらに、唯が手にしたペンダントには、彼女自身も知らなかった秘密が隠されていた。その真実が二人の対立にどんな影響を与えるのか――。果たして、唯が選ぶ未来とは?
最後までお読みいただきありがとうございました!唯が選ぶ道、そして哲也と浩平の想い……物語の中で感じたことを皆さんの心にも響かせられたら幸いです。ぜひ感想をお寄せください!次回もお楽しみに!




