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ノラ猫と女子高生の恋  作者: 藍瀬 七
第2章 唯の揺れる想い
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第25話 未来のカケラは夢で作る

「未来のカケラは夢で作る」というタイトルには、唯が自分の夢や気持ちに向き合い、一歩一歩未来を築いていく姿を込めました。今回は校内発表会の話を中心に、哲也くんや浩平くんの存在が唯にどんな影響を与えているのかを描いています。唯がどんな気持ちで選択していくのか、ぜひ読んで感じ取っていただけたら嬉しいです!

 廊下に出た唯は、校内放送で呼ばれた理由を考えながら、胸がざわついていた。哲也と浩平、それぞれから同時にメッセージが届いたことが頭から離れない。


「どうして……二人とも同じタイミングで……」


 職員室に入ると、担任が唯に微笑みかけた。


「唯さん、ちょっと話があって呼びました。実は、先日提出した夢についての作文、とても良い内容だったので、校内発表会で読んでもらいたいと思っているんです」


「発表会……ですか?」


 唯は驚きと戸惑いを感じたが、担任の期待を裏切りたくない思いで、曖昧に頷いた。


「はい、分かりました。でも……もう少し考える時間をもらってもいいですか?」


「もちろん。期限までに答えてくれれば大丈夫です」


 唯は職員室を後にしながら、ふと哲也と浩平のことを思い出した。二人のサポートがあったからこそ、自分の夢に自信を持てるようになったのだ。


「発表会で何を伝えるべきか……それを考えるのが今の私にとって一番大事かもしれない」


 しかし、唯の胸の中では、哲也と浩平、二人の思いが交錯し続けていた。


 ♦♦♦


 唯は廊下を歩きながら、担任からの話を反芻していた。


「校内発表会で、私の作文を読む……」


 それは唯にとって誇らしいことであり、同時に緊張を伴うものだった。動物への愛情や獣医への夢を堂々と語れる自分がいる一方で、まだ迷いが残る自分もいる。


 スマートフォンを取り出し、哲也と浩平、それぞれから届いたメッセージを再び見つめる。どちらの言葉も真剣で、唯を思う気持ちが伝わってくるものだった。


『唯ちゃん、少し話せないかな?』


「どうして二人とも、こんなに優しいの……?」


 唯は心が揺れ動く自分に気づき、少し深呼吸をしてスマートフォンを閉じた。


 ♦♦♦


 その日の放課後、唯は動物病院に立ち寄った。哲也は受付で書類を整理しているところだったが、唯に気づくと穏やかな表情で迎えた。


「唯ちゃん、どうしたんだ?」


 唯は少しうつむきながら、正直な気持ちを打ち明けた。


「哲也くん、私、校内発表会で作文を読むかもしれないの。でも、夢について書いた内容をちゃんと伝えられるか、自信がなくて……」


 哲也は彼女の隣に座り、真剣な眼差しを向けた。


「唯ちゃんが書いたことなら、きっと誰かの心に響くよ。俺だって、唯ちゃんの夢にどれだけ感動してるか分かってるから」


 唯はその言葉に胸が温かくなるのを感じた。哲也のそばにいると、自分が夢を追う意味を再確認できる気がした。


「ありがとう、哲也くん……本当にありがとう」


 ♦♦♦


 翌日、唯は浩平からの誘いを受け、動物カフェに行くことになった。浩平は唯を元気づけるために、軽快な冗談を飛ばしながら笑わせようとする。


「唯ちゃん、こんなところで悩んでちゃダメだよ。動物たちは唯ちゃんの夢を待ってるんだから」


 唯は猫を撫でながら、浩平の明るさに救われる思いだった。


「浩平くん、あなたみたいに前向きになれたらいいのに……」


 浩平は唯の言葉を受けて真剣な表情になり、彼女をまっすぐ見つめた。


「唯ちゃん、俺は唯ちゃんの笑顔が好きなんだ。だから、どんなに悩んでも、唯ちゃんが前に進むのを応援するよ」


 唯は浩平の言葉に感謝しつつも、胸の中で複雑な感情が絡み合うのを感じた。


 ♦♦♦


 ある日、唯は家で透と話をしていた。透は唯の様子を見ながら静かに語りかけた。


「唯お嬢様、今のあなたはとても輝いていますよ。夢に向き合っている姿が、誰から見ても素敵だと思います」


 唯は少し驚いたが、透の言葉に勇気づけられた。


「透さん、ありがとう。でも、私、まだ迷ってる。哲也くんも浩平くんも……大事な人だから」


 透は静かに頷き、穏やかな声で続けた。


「唯お嬢様が今一番大切にすべきなのは、自分の夢と心です。誰かを選ぶのは、きっとその後でいいはずです」


 その言葉に唯はハッとした。透の言葉はまるで、心の中に迷路の出口を示してくれるようだった。


 ♦♦♦


 唯は校内発表会で作文を読むことを決意し、その準備を始めた。同時に、哲也と浩平のそれぞれのサポートを受けながら、自分の気持ちに少しずつ整理をつけていく。


「二人とも、私にとって本当に大切な存在。でも、今は……」


 唯の心はまだ完全には定まらない。しかし、夢を追う日々の中で、少しずつ答えに近づいている実感があった。


 そのとき、唯のスマートフォンが振動した。画面には、哲也と浩平、それぞれから新たなメッセージが届いていることを示す通知が表示されていた。


「また、二人から……?」

 

 胸のざわめきを感じながら、唯はスマートフォンを手に取った。


 ♦♦♦


 次回、唯が見たメッセージの内容とは?彼女の心にどんな変化が訪れるのか──。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!今回の話では、唯の夢と揺れる心を中心に描きました。哲也くんの支えや浩平くんの優しさ、そして透さんの助言が、それぞれ唯の成長を後押ししてくれています。まだ唯の答えは出ませんが、彼女の未来がどう変わっていくのか、これからも楽しみにしていただけると嬉しいです。感想などいただけたら励みになります!次回もお楽しみに!

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