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ノラ猫と女子高生の恋  作者: 藍瀬 七
第1章 猫と少女の奇妙な日常
13/29

第13話 猫か、人か――揺れる心と青い魔法

「特別な人間」――そんな言葉が、この日から俺の運命を大きく変えていく。

不思議な女性との出会い、そして揺れる唯の心。彼女が渡してきた青い光のペンダントが、俺たちの未来に何をもたらすのか。この物語は、ひとつの秘密から始まります。そしてその秘密が明かされるとき、俺たちは何を選び、どう変わっていくのだろうか。さあ、物語の幕が上がります。

 夜の帰り道、俺と唯と透の三人が並んで歩いていると、突然、風に乗って青い光が舞い降りてきた。光は渦を巻くように収束し、やがて黒いローブをまとった女性がその場に現れたのだ。


「ふふ、思ったよりも早く会えたわね。あなたが"特別な人間"、哲也さんかしら?」


 と女性は不敵な笑みを浮かべた。唯は驚きの表情で俺の方を見つめる。


 「誰?哲也くん、この人知り合い?」


 「いや、初対面だ……でも、一体何者なんだ?」


 俺は険しい顔で女性を見据えながら答えた。そして、女性は指先で青白い光を弄びながら冷笑する。


 「私はアリサ。ただの旅人よ。でも、あなたに興味があるの。特に、その"人間らしい姿"がいつまで続くのかしら?」


 俺はその言葉に一瞬息を呑んだが、冷静を装って問い返した。


 「どういう意味だ?」


 アリサは唯には聞こえない声で囁くように続けた。


 「"猫"がどこまで人間でいられるのか、私も見物させてもらうわ」


 俺は動揺を隠しながら、唯に向かって作り笑いをして話す。


 「俺たちには関係ない話だ。さあ、行こう、唯ちゃん」


 唯は少し戸惑いながらも俺の手を取り、透の方を振り返った。


 「透さん、今の人……一体誰だったんだろう?」


 透は眉をひそめながら、アリサの消えた闇を見つめます。


 「わかりません。でも、あの女はただの人間じゃないようですね」


 三人が再び歩き出す中、俺は心の中で不安を抱え続けていた。アリサの言葉――"猫がどこまで人間でいられるのか"――が頭から離れないのだ。果たして自分はこのまま人間でいられるのか、それともいずれ猫に戻ってしまうのか……。



 次の日、学校では「夜の学校に青い光が現れる」という奇妙な噂が広がっていることが分かった。俺は、昨夜のアリサがこの現象と関係があるのではないかと考えた。休み時間、唯と俺は噂の真相を探ろうと、夜に学校に行く計画を立て、透も一緒に行くことに決めた。


 夜の体育館に着いた三人は、薄暗い中に青白い光が差し込み、まるで結界のような不思議な空間に包まれているのを目の当たりにしたのだった。体育館の中央にはアリサが立っており、光の揺らめきの中で、誘うような目で三人を見つめている。


「来るとは思わなかったわね。あなたたち、怖いもの知らずね」


 とアリサは冷笑している。俺は一歩前に出て、アリサに問いかけた。

 

「一体、何を企んでいるんだ?」


 すると、驚いたことに、アリサは幻覚の魔法を使い、唯と透に「哲也が猫に戻る姿」を見せたのだった。唯は目の前の光景に驚愕し、声も出せずに震えた。俺自身も一瞬、身体に異変を感じたが、必死に意識を保ち、光を振り払ったのだ。


 アリサは興味深げに笑い、唯に小さなペンダントを手渡した。

 

 「これを持っていれば、あなたも"見ること"ができる」

 

 と謎の言葉を残して消えてしまった。唯はペンダントを手にして、言葉の意味がわからず、不安そうな表情を浮かべる。俺はアリサの挑発に動揺しながらも、『俺は、もう猫には戻らない……!』と心の中で強く誓った。透も不審そうに俺の方を見つめ、唯も俺に何か隠しているのでは、という表情で見つめていた。


 その夜以降、唯はアリサの言葉に心を揺さぶられたのか、俺に真相を問い詰めてきた。

 

 「本当に何も隠していないの?」

 

 俺は少し沈黙した後、考えてから素直に言葉にする。


 「いつか話すよ」


 と約束し、二人の間には新たな緊張感が漂うのだった。俺は唯の不安げな目を見つめながら、心の奥底に隠した真実がいつか明かされる日が来るのだろうと覚悟した。その瞬間、唯の手の中で光るペンダントが、かすかに青い輝きを放った。それが何を意味するのか、俺にはまだ分からない。ただ一つ確かなのは、これまでとは違う物語が、すでに動き出しているということだった――。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。哲也の人間としての姿、唯との関係、そして謎のアリサの登場……。物語の始まりから、さまざまな謎が積み重なり、次の展開が気になるところです。

果たして哲也は「猫」に戻ってしまうのか?唯は真実を知っても彼を受け入れるのか?そしてアリサの真の目的とは――次回もぜひ、お楽しみください。応援や感想、お待ちしています!

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