表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。2  なんで呪われているんですか、魔王様!?  作者: たまご
世界の傷。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/73

滅びゆく世界。

心配そうに見守る魔王サマ達に手を振って、私達は〈傷痕〉をくぐり抜けた。


転移魔方陣を使った時のように妙な感覚に襲われることもなく、拍子抜けするほどあっさりと通り抜けることができた。


猫神であるミーコさんは、いろいろな世界を気まぐれに渡り歩くらしいから、その魂の一部を分けてもらった私にもその影響があるのかもしれない。


赤みを帯びた空には、大中小の3つの真っ白な太陽が浮かんでいる。

そして、見渡す限りの赤茶けた砂漠が広がっている。


無風だ。

異常なほどに、何の気配もしない。


ひどく寒い。


……もしかして、この世界は死にかけているのか?


私は〈傷痕〉を振り返って、ため息をついた。


向こう側に見える景色は、青空が広がり、太陽に明るく照らされている。

あふれるばかりの緑と、穏やかな風。


「……」


〈世界の傷〉が、一瞬2つの世界を繋げた。

そこに見えたのは、希望に満ちあふれた世界。


死にかけている世界の住人が、何を思ったのか。

私には分からない。


だが。


今、私のすることは、さらわれたエリザベートや獣人達を救い出すことだ。


「せり、歩ける?」


「にゃあ!」


猫達は砂の上をすんなりと歩いている。


そういえば、猫のトイレ砂に似ている……。


って、ああ、やっぱり!


「掘るな! ブツを埋めるな!」


キャットハウスに、全自動の猫トイレがあるだろうが!


私の制止もむなしく、異世界の砂漠は広大な猫トイレと化してしまった。


私はあきらめて、その場にしゃがみこんだ。


これ、片付けた方がいいのか……?


「……ん?」


遠くに、なにやら影が見える。

動いているようには思えないので、生き物ではないだろう。


「キング、あそこまで『空間転移』」


キングがぱちりと目を閉じると、微妙な浮遊感と共に私達は移動した。


「これは……」


見えていた影は、朽ちかけた建物だった。


無機質なビルのような残骸が、なかば砂に埋もれている。

よく見れば、周囲には車らしきものや、オブジェのようなものもあった。


猫達が、ふんふんと匂いをかいで回っている。


「……昔見た映画みたいだね」


この世界は、魔王サマ達の世界より文明が進んでいたのだろう。

銃を持っていたのも、そのせいか。


だが。


この世界は、多分死にかけている。


異物を排除する力も、もう残っていないのかもしれない。


「コハク、出てきていいよ」


念のため、キャットハウスに入ってもらっていたコハクを呼び出す。


本来の大きさに戻ったコハクが、赤みを帯びた空に舞い上がる。

ばっさばっさと翼を羽ばたかせ、静まり返っていた砂漠に風が吹いた。


「行こう、みんな」





































評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ