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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。2  なんで呪われているんですか、魔王様!?  作者: たまご
世界の傷。

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薬師。

上空を飛んでいたりゅうたろう達が旋回したあと、その場を離れた。


あそこか。

だが、何故飛び去った? 何か見つけたのか?


せりが鼻をひくひくと動かした。

ヴラドも眉をひそめている。


「これは……」


嗅覚の鋭い猫や、特定の匂いに敏感であろうヴラドでなくとも分かる。


風に乗って流れてきたのは、血の匂いだ。


りゅうたろう達が旋回した辺りに、大きな赤黒い染みが見えた。

血溜まりの中に、ヴラドのように黒い翼を持つ魔族達が何人も倒れている。


「大丈夫。まだ生きてます!」


ドライアドの薬師が叫んだ。


「チャビ……」


チャビに「回復」を頼もうとすると、せりが私達の前に立ちふさがった。


「シャーッ!」


「せり?」


せりは私達に向かって威嚇してきた。

近づけさせないようにしているのか?


「この匂いは……」


薬師が顔をこわばらせる。


匂い?

血の匂いが強くて分からないが、何かあるのか?


「エディール草の花です。花粉を吸い込むと、意識を失います」


なるほど。

だから、りゅうたろう達は離れていったのか。


「……エディール草は、この辺りには自生していません」


ヴラドが低い声で言った。


つまり、エリザベートをさらった連中が花粉をばらまき、意識を失った魔族達に危害を加えたということか。


「……」


いや、花粉をどうにかする方が先だ。


「福助、『風魔法』。吹き飛ばせ!」


「にゃ!」


福助が張り切って鳴いた。


福助の回りを、きらきらしたものが踊るように跳ね回った。

福助と契約している風の精霊達だ。


ごおごおと音を立て、激しい風が辺り一帯をなぎはらう。


あー、うん。

森も一部消えてなくなったが、まぁ、ご愛敬だ。


「せり、大丈夫?」


ふんふんと匂いを嗅いでいたせりが、ぴしっと胸を張った。


「にゃあ!」


大丈夫なようだ。


頷いてみせると、薬師は急いで倒れている魔族達の元へ駆け寄った。


薬師の腕から蔓が伸び、怪我人へ触れる。

傷が塞がっていくと同時に、蔓に咲いていた花がはらはらと散っていく。


怪我人は薬師に任せるとして。


私は無限収納から大鎌を取り出した。


せりの「気配察知」がなくとも、さすがに分かる。


「血の匂いにつられたようですね」


そう言いながら、ヴラドは黒い翼を広げた。


魔物が私達を取り囲んでいる。

次第に、その輪が小さくなっていく。


「せりとよつばは、私と一緒に薬師さんと怪我人を守って!」


「にゃあ!」


「にあん!」


「ほかの子達は……」


ちらり、とくぅが私の顔を見た。

おこんはわくわくしたように、しっぽを振っている。


「行ったれやぁぁぁ!」











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