理由。
群れからはずれた最後の一羽をりゅうたろうとコハクが仕留め、猫達が戻ってきた。
皆、得意気な顔でしっぽをぴんと立てている。
おこんは、褒めて! と言わんばかりに私の腕の中に飛び込んできた。
それにやきもちをやいたのか、りゅうたろうが肩に飛び乗ろうとしたが。
いや、待て! あんた、今ちょっとした小型自動車くらいの大きさだから!
猫達の様子を見て、酒天童子がため息をつく。
「こうして見てる分にゃ、ただの猫なんだけどよ」
「全くだ」
ブエルが同意する。
後始末をブエルと兵隊さん達に任せ、私達は一足先に城へ帰る事にした。
オルゥの群れは猫達が一羽残らず狩り尽くした、という話を聞いて魔王サマ達は驚いたようだった。
いや、まぁ、猫達にしてみれば「でっかい鳥」だったので。
「それと、人魚達を捕まえていた連中の事ですが」
ジークフリートと話していて、連中がよその世界から来たのではないか、と思った事を伝えた。
さっと、魔王サマとヴラドが顔を見合わせる。
「可能性はあるな」
「はい。いくら手を尽くしても、行き先が分かりませんでしたからね」
「ならば、私達がお役に立てるかと」
小人族のリリス王女が話に加わった。
確か、小人族は細工が得意という話だった。
細工って工芸とかではなく、もしかして、何かスパイ的なアレの事だったのか?
「それと、もう一つ」
魔王サマ達が、再び私を見た。
「奴らを捕まえれば、魔王サマにかけられた呪いも解けるかもしれません」
「まことか!?」
興奮のあまりか、魔王サマのしっぽがぶわっと膨らんだ。
ジークフリートとの会話で、もしかしたら、という考えが浮かんだのだ。
魔王サマにかけられた呪いはこの世界のものではない可能性がある、と。
それならば、よつばが中途半端にしか呪いが解けなかった事への説明がつくのだ。
あの豪華客船で、人魚の水槽にべったり張り付いていたよつばは、奴らの言葉を直接聞いていないのだ。
くぅがキレたせいで、私もほぼ会話をせずに逃げ出している。
私を通しての知識でも、呪いを「解除」するにはおそらく理解が足りなかったのだろう。
豪華客船の結界はあっさり「解除」できたのだから、奴らの力自体は大した事はないと思われる。
まぁ、捕まえる相手も選んでいるぐらいだしな。
つまり、奴らと会話さえ出来れば、魔王サマにかけられた呪いを「解除」できる可能性は高いのだ。
魔王サマ達は真剣な表情で話し込んでいる。
どうやら、魔王サマの呪いを解くよりも、捕まったもの達への対応を優先するらしい。
なるほど。
やっぱり、この魔王サマはいい魔王サマのようだ。
ならば。
うちの魔王様の出番かな?
私は猫達に声をかけた。
「みんな、今の内に少し休んでおきなさい」
よつばは呪いを「解除」できなかった事に、ひどくプライドを傷つけられた。
私は、よつばを見ながらにやりと笑ってみせた。
「さて、リベンジといこうか」
「にあん!」
よつばに「美味しい」認定されないように、祈っておけよ?
第二部 完
これにて第二部終了となります。
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「にあん! にあん!!」
「その人はダメ! 食べられません!」
(………誰の事?)
(まさか、俺!?)




