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#001 ルルネ様、ログインする

お久しぶりです。

新作の執筆を開始させて頂きました。

今回の物語の主人公は厨二少女ルルネちゃんです。

良ければ可愛がってあげてくださいな。




「――クククッ、ついに……ついに!この時が!来たのじゃぁ!!」


私――藤堂舞(とうどうまい)はVRゴーグルを装着すると一人自室でそう叫んだ。


隣の部屋から妹の「姉さん、うるさいです」なんて冷たい声が聞こえたような気がしたが、気にしない。

なにせ今日はVRMMORPG、「Element North Online」の稼働開始日。

いわゆる正式リリース日だ。

高校をサボるわけにもいかず、リリース直後のログインこそ出来なかったが、このゲームの為に人目もはばからず全力疾走で帰ってきた。

PVを初めて見たときから待ちに待った今日という日。


「我はこの世界で最強の吸血鬼として君臨するのじゃ!」







―――――




「Element North Online」

通称「ENO」はファンタジー世界を冒険できるVR形式のMMORPGだ。

VRのMMORPGなんていくらでもあるが「ENO」はその広大な世界と様々な職業や、自由度、AIの完成度、その奥深さがベータテスト時点で話題となったゲームだ。

抽選で参加した10000名のテストプレイヤー。そのプレイヤーの一部が公開したプレイ動画や配信動画を通して、圧倒的な完成度に「ENO」の知名度は一気に広まった。


ゲーマーは勿論、普段はゲームにそれほど興味のない層の人でも、その広大すぎる世界観に魅せられた。


――しかし私が「ENO」に惹かれた理由はそこではない。

偶然テレビコマーシャルで見た「ENO」のPV映像。

「選べる様々な種族」というテロップと共に一瞬だけ登場する黒いゴシックドレスの少女。

少女の背中には蝙蝠に似た翼が生えており、わずかに覗かる口元には鋭利に発達した犬歯が見える。

続いて表示される「種族:吸血鬼」というテロップ。


吸血鬼になれる!


一瞬で私は画面に飛びついた。


吸血鬼。

様々な物語に登場する種族。

夜を駆け、血をすする美しさと高貴さを兼ね備えた種族。

様々な作品によって吸血鬼の扱いは異なるだろうが、私の中の吸血鬼という種族のイメージは「美しくてカッコいい」だ。

まさに理想の種族。


そう、まさに真祖であるこの我「ルルネ=フォン=ローゼンマリアⅣ世」に相応しき種族!


中学生頃に吸血鬼の魅力にハマり、「藤堂舞」改め、「吸血鬼」としての真名「ルルネ=フォン=ローゼンマリアⅣ世」を名乗り始めてから、自由に吸血鬼になれるVRゲームの登場をどれだけ待ちわびたことか。


PVを見終えた私は、5分後には「Element North Online」の予約注文を行っていた。




「クククッ……この世界であれば我が真名を名乗ったところで、近所の人間から『あらあら、また藤堂さんちの舞ちゃん、何か楽しそうな事してるわねぇー』みたいに微笑まれたり、妹から『姉さん、そろそろ吸血鬼ごっこは卒業されては?」なんて言われることは無いのじゃ!」


思い出したくない過去が一瞬だけ頭をよぎり、半分涙目になりながらも私はゲーム機本体の電源を入れ、ENOの世界へとログインした。



我の覇道はここから始まるのじゃ!!!


主人公の一人称が安定していないのはデフォルトなのです。

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[一言] あぁ…痛い子だ…めっちゃすき
[一言] 真祖なのにⅣ世
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