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ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
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19 村の周りの罠(2)

『その先に、落とし穴を作ってあるのだが……何か落ちているな』


 リーダーが指し示す先には穴が開いており、何かが落ちたような気配があった。

 穴に落ちたときにいっしょに枯れ葉などがヴィーヴルにも判断可能な鳴き声ではなかったので、動物だと言うことだけは分かった。


「こう言うこともあるのじゃ」


『まぁ、人間に向けて作ってはおるが、動物が掛かってしまうこともある。

 動物が掛かったら、その日は食事が豪華になるだけだ』


「食べられるだけ、動物の方が良いのじゃ」


『人間に先に見つけられたら、取られてしまうがな』


 人間にとっても労せずして食料が手に入るのだから、そのまま見過ごす必要はない。

 天からの恵みとして、躊躇なく受けとることだろう。


「ただの落とし穴ではないようなのじゃ」


『木の枝を尖らせて、穴の底から立てている。

 こうしておけば、冒険者が怪我をするかもしれない。

 上手くいけば、冒険者を仕留められるかもしれないからな』


「あわよくば……なのじゃ?」


『あぁ、そうだ。

 冒険者だって防具を着けている。

 木の枝位では防がれてしまうだろう。

 それでも、防具と防具の隙間にでも刺されば、怪我をさせられるからな』


「成る程なのじゃ」


『ヴィーヴルなら、他にもっと良い方法があるぞ』


「どうすれば良いのじゃ?」


『ヴィーヴルは水魔法が使えるであろう?』


「使えるのじゃ」


『それでは、少し穴を深く作り、木の枝ではなく水を入れておく方が良いだろう』


「どうしてなのじゃ?」


『防具はそれなりの重さがある。

 防具を着けたままでは、上手く泳げないであろう』


「木より確実なのじゃ?」


『そうだな。

 もし泳げたとしても、剣は手入れし直さないと使い物にならなくなる。

 弓だって、弦の調整が必要になるだろう。

 足止めには最高だ』


「その話だと、魔法使いには効果がないと思うのじゃ」


『武器は杖ぐらいだから、影響はないだろう。

 ただ、着ているものは間違いなく濡れてしまう。

 濡れたまま戦うと集中力を欠くだけではなく、着ているものが身体に纏わり付いて戦いにくい、体力も奪うという、こちらにとっては良いことばかりだ』


「成る程なのじゃ」


『それに、相手の準備が整うまでに、こちらが準備を進められる。

 相手の準備が整う前に襲ってしまえば、こちらは最初から有利に戦える』


「分かったのじゃ。

 ただの落とし穴でも、少し手を加えるだけで予想以上に結果を得られそうなのじゃ」


『試しに、この落とし穴を改良してみてくれ』


「実践なのじゃ?」


『そう思ってくれても良いが、俺たちでは穴の中に水を満たしておくってことはできない。

 実践ついでに、落とし穴も良くしたいんだ』


「造作もないことなのじゃ。

 まぁ、教えて貰った代わりとすれば良いのじゃ」


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