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ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
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09 人間の街?

 ヴィーヴルは今日も歩く。

 空を見上げれば雲がゆっくりと流れ、鳥が飛んでいる。


 暫く歩いていると、生体感知に何かが引っ掛かった。


(また冒険者なのじゃ?)


 近くにあった藪の中に身を隠す。

 様子を窺っていると、更に引っ掛かる生体が増えていく。


(これは……まだまだ増えて行きそうなのじゃ……)


 ヴィーヴルの予想通り、生体感知に掛かる生体が、次々と増えていった。

 既に数えきれないほどの数の生体を感知している。


 そして、その集まりはヴィーヴルの方へと向かってきた。

 まだ、ヴィーヴルとの距離はあるものの、その内ここまで来るかもしれない。


(何故急に沢山出てきたのじゃ? 妾のことが分かってしまったのじゃ?)


 ヴィーヴルは狼狽しながらも、身を屈めながら生体が来る方向とは逆の方向へと走り始めた。

 生体とは距離を取って、様子を見ることを選択した。


 ある程度走った後、止まって再び生体感知を行うと、その集団は個々としては動いているものの全体としての動きは止まっていた。


(一体、何だったのじゃ?)


 ヴィーヴルはゆっくりと尚且つ最大限に警戒しながら、集団へと近づいていった。

 集団としての動きはまだない。

 ヴィーヴルは何者なのかを確認するために、更に慎重に近づいていく。


 何か、白いものが沢山見える。

 それらは、少し動いては止まり、そしてまた動いては止まり……を繰り返している。


 遠くの方に人間が1人見えた。

 其処とは別のところに、魔犬らしき姿も見えた。


(あの白いのは何なのじゃ?)


 絵本で見たような気もするのだが、何だったのか思い出せない。

 他に聞ける相手もいないので、何なのかは分からない。


(取り敢えず分かるのは、あの者達は大人しそうだと言うことなのじゃ)


 ヴィーヴルは集団を迂回するように、大回りして進むことにした。


 あの白いもののことは、サーシャから貰った絵本を見直してみよう。

 ひょっとしたら、貰った絵本の中に出ているかもしれない。

 そう考えながら、ヴィーヴルは見つからないように移動していた。


 暫く進むと、大きな石壁が見えてきた。

 石壁の奥には、多くの生体反応がある。


(これは、きっと人間の街の壁なのじゃ。

 絵本で見たのじゃ。

 壁の奥の生体は人間なのじゃ。

 これ以上は近づかずに避けて進むのじゃ)


 ヴィーヴルは、更なる迂回を強いられてしまった。

 しかし、ヴィーヴルを追ってくる者はいなさそうだ。

 何事もなく人間の街を避けて進むことができたことに、ヴィーヴルは安堵した。

 その為か、あの白いものが何だったのかを調べることを忘れてしまった。


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