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ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
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06 日光浴

 ヴィーヴルは今日も草原を歩いていた。

 だが、気分的にはとても晴れやかに感じていた。


 つい、先日までは鬱蒼とした森の中を進んでいた。

 歩きにくいだけではなく、日が射し込まないので気分的にも上がらない。


 草原はそれとは真逆で、多少は足に絡む程度に成長した草があるものの、然程、歩き難さを感じることはないし、日はヴィーヴルの全身を照らし続ける。

 風が無ければ暑いかもしれないが、適度に風が通っており暑く感じることはなく済んでいる。


 心地良く歩いているものの、疲労を全く感じないわけではない。

 森を歩いていた時ほどに疲れた訳ではないのだが、朝、起きてからここまで休みなく歩いている。

 少しくらい休んでも問題ないだろうと考えたヴィーヴルは、その場で草の上に腰掛けた。


(今日は気分が良かったせいか、歩き詰めだったのじゃ)


 空には小鳥が数羽、囀りながら輪を描くように飛び回っている。

 それより上空に存在している筈の雲は、ゆっくりと形を変えながら流れていく。

 ヴィーヴルはそれを、何も考えずに見上げていた。


(たまにはこういうのも、良いものなのじゃ)


 見上げていたことにより首が痛くなってきたヴィーヴルは、ふと、そのまま後ろに倒れ込むように草の上に寝転がってみた。


(こっちの方が気持ち良いのじゃ)


 そう思いながら、ゆっくりと目を閉じる。

 意識を飛ばしてしまわないように、気を付けながら目を瞑る。

 だが、草原を吹きわたり頬を優しく撫でる風の心地よさ、遮るものがなくヴィーヴルに直接降り注いで目を開けさせまいとするかのような容赦のない日の光の強さに、何度か意識を手放してしまいそうになる。


 そのような危機を幾度となく乗り越えていたのだが、いよいよ危なくなってしまいついには飛び起きた。


(危なく、寝てしまうところだったのじゃ)


 流石に今ここで本格的に寝てしまう訳には行かない。

 そう思うほどに、日はまだ高いところにある。

 旅の期間は決めていないが、今日のところは出来る限り進んでおきたい気分だった。


(ゆっくりするのは、また今度なのじゃ)


 ヴィーヴルは名残惜しそうに先ほどまで寝ていた場所を見ながら、草原を再び歩み始めた。


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