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ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
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04 湖

(ここで水浴びをしたら、気持ち良さそうなのじゃ)


 森の中を歩き、小さな藪を抜けると目の前に湖が現れた。

 遠くには山も見えている。

 空には小さな雲が1つ2つ浮かんでいる。


(水浴びの前に、焚き付けを拾ってくるのじゃ)


 先程、出てきた藪から再び森の中へと入り、枯れた松の葉や松ぼっくり、小枝などを拾い集めてきた。

 薪はまだ、ストレージの中に沢山入っているはずだ。


(この辺に竈を組むのじゃ)


 ヴィーヴルは土魔法で、龍の雌に教わった形の竈を作り始めた。

 いつもは石を集めてきて竈を作るのだが、辺りを見回したところ適当な大きさの石が見当たらない。

 土を手で掘って作っても良いのだが土魔法が使えるのだから、態々、そんなことで苦労する必要はない。

 土魔法ならば人間でも使える魔法なのだから、もし見られたとしても問題はない。


 竈の傍に、ストレージから取り出した薪を山積みにする。

 ところが、ストレージから取り出した薪に多少の重みを感じる。


(まだ乾いていないようなのじゃ。

 これでは煙が沢山出てしまうのじゃ)


 ストレージから全ての薪を取り出して、辺りに並べて天日に晒すことにした。

 後で分かることなのだが、1日干したところで薪から抜け出る水分の量など誤差の範囲でしかない。

 回収する時に、ヴィーヴル自身も変わったような気がしなかった。


 兎にも角にも、ヴィーヴルは乾いた薪を集めに再び森の中へと入っていった。

 こんなことになるのならば先に薪を出しておけば良かったと、ヴィーヴルは少しだけ後悔した。


 それはさておき、暫くの間、森の中をさ迷って薪を拾い集めてきた。

 今回分としては必要にして十分な量を集めることができた。


 竈の中に焚き付けと薪を組み上げてから、服の部分の変化を解いて湖の中へと進んでいった。


(やっぱり、気持ち良いのじゃ)


 これまでは、昼間でも薄暗い森の中を歩いてきた。

 今は眩しくてまともに見ていられないほどの日を全身に浴びていられる。

 歩き続けたことで少しだけ上がった体温を、湖の水が少しずつ冷やしてくれる。


 ヴィーヴルは湖にその身を任せていた。


 しかし、暫くそのままでいると身体が冷え始めてきた。


(そろそろ上がるのじゃ)


 ヴィーヴルは水から上がると、身体の水分を振り払い、焚き付けと薪が既に組んである竈へと火の玉を飛ばした。

 そのままの格好で焚き火にあたり、身体の水分が飛んだ頃に変化魔法で服を再現させた。


 結局、その日は再び水浴びをしてしまい、夜を湖のほとりで越えてしまい、湖を後にするのは翌朝のことだった。


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