表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
82/344

02 魔犬の狩り

 木々の葉の隙間からの朝日が、ヴィーヴルの寝顔へと差し込んできた。

 その光の眩しさにヴィーヴルは目を覚ました。


 ヴィーヴルは2、3日ならば寝なくても問題ない。

 だが、夜は木の上で横になることにした。

 それにはいくつかの理由がある。


 まず、夜の移動は避けるこということ。

 寝なくても良いのだが、暗いままでは足元も見えないので魔法で光を作り出す必要がある。

 火魔法で火の玉を作り出せば良いし、ヴィーヴルにとっては容易いことなのではあるが、暗い森の中に炎があるという状態は非常に目立ってしまう。

 少しでも目立つことは避けておいた方が良いだろうと考え、それならばと夜の移動は必要最低限に留めることとした。

 夜になるとサーシャが眠るまでの間、例の魔道具でのお喋りの相手をするという日課もある。


 木の上で眠る理由としては、熟睡しないためだ。

 地上で眠ってしまうと、どうしても熟睡してしまう。

 住処でならば熟睡しても良いのだが、旅している間は熟睡するわけにはいかない。

 人間の姿を保つための変化魔法が解けてしまうかもしれないのと、動物や魔物から襲いかかられた場合に対応できるようにするためだ。

 木の上で寝れば熟睡すると落ちてしまうため、熟睡することはまずない。


 木の上で1つ伸びをし、生体感知で周りに大型生物が居ないことを確認した後、木の上から地上へと降り立った。


(今日も良い天気なのじゃ)


 水魔法で作り出した水を一口含んで喉を潤した後、ヴィーヴルは歩き始めた。


 暫く森の中を歩いていると、動物の遠吠えが聞こえた。


(遠吠えの内容が分かるということは、魔物の物なのじゃ)


 ヴィーヴルは龍だ。

 相手が動物ならば言葉は分からないが、魔物であるならば言葉は理解できる。

 見た目が例え似ていたとしても、言葉が分かるか分からないかで相手が動物なのか魔物なのか分けられる。

 どうして魔物ならば言葉が分かるのかはヴィーヴルには分からない。


 ヴィーヴルが聞いた遠吠えの内容は、細かいことは分からないが、これから狩りを始めるようなことだった。


(野生の狩りの仕方も見てみたいのじゃ)


 ヴィーヴルは遠吠えの聞こえた方へと、文字通り飛んでいった。

 飛んでいる姿を他人に見られる危険もあったのだが、魔犬の狩りの様子を見たいという興味の方が勝った。


(やっているのじゃ)


 ヴィーヴルが現場へ着いた時には、既に魔犬達の狩りが行われていた。

 魔犬達の狩りの邪魔とならないように、木の上で狩りを見ることにした。


 魔犬達は、いくつかの役割を持って獲物を追い立てているようだ。

 獲物を後ろから追い立てる係、周りから襲いかかり弱らせる係、待ち構えて止めを刺す係……


(きちんと連携がとれているのじゃ)


 うまく連携して、獲物を徐々に追い込んでいく。


(見事なものなのじゃ)


 ヴィーヴルは魔犬達の狩りの成功を見届けると、地上へと降り立ちその場を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ