36 新たな遊び(3)
「サーシャちゃん、そろそろ新しい遊びとやらをするのじゃ」
「うん、やろっか~」
漸く、新しい遊びの正体が判明するようだ。
「ルールはかんたんだよ。
ただ、いしをつんでいくだけなの」
「そうなのじゃ?」
「うん。
でも、けっこうむずかしいよ」
サーシャが足元に落ちていた石を積み始めた。
5段積んだところで、上から2段ほど崩れてしまった。
「ほらね、すぐにくずれちゃうんだ」
「石を魔法で平たくすれば、沢山乗せられるのじゃ」
ヴィーヴルは石を浮き上がらせて、水切りの時に作った石のように切断しようとした。
しかし、サーシャが止めた。
「ダメだよ、そのままのかたちでやらないと。
それだったら、いくらでもつめるもん」
「分かったのじゃ。
石そのものの形のまま積んでいくのじゃ」
ヴィーヴルも足元の石を積んでみた。
4段目を積んだところで、石が崩れてしまった。
「なかなか難しいのじゃ」
「でしょ~」
サーシャは石を積みながら言った。
ヴィーヴルは周りを見回して、積みやすそうな石がないか探した。
(そうじゃ、もっと大きな石を積めば、沢山積めるはずなのじゃ)
ヴィーヴルは大きな石が転がっている所へ行き、その場に落ちている石を積み始めた。
5段は越えたが、8段目がなかなか上手く乗せられない。
乗せようとすると、横に転がり落ちてしまう。
「ここまでなのじゃ」
「この、ちいさいのならのらない?」
いつの間にか、サーシャはヴィーヴルの傍まで来ていた。
そして、ヴィーヴルが積んだ石の上に小さい石を乗せた。
「ほら、のった」
「でも、これ以上は乗せられないのじゃ」
「じゃあ、これはこれでおしまいだね」
「その様なのじゃ」
「それより、ヴィーヴルちゃんにみてもらいたかったんだけど、きてくれる?」
「どうしたのじゃ?」
「あそこなんだけど、ゆっくりちかづいてね」
「分かったのじゃ」
ヴィーヴルとサーシャは、サーシャの言っていた所へそっと近づいた。
「みてみて、すごくない?」
サーシャの指差した先に石が積まれていたが、上2段の石は縦に積まれていた。
「これは、凄いのじゃ。
良く積めたのじゃ」
「ゆらしたらくずれるとおもったんだ」
その後、2人は段数部門、芸術部門で石積みを競った。
文字通り、時を忘れて石を積み続けた。
その為、気がついた時には日はすっかり暮れており、瞬間移動でサーシャを家に送り届けた。
だが、家の前には仁王立ちのサーシャの父親が居た。
「ヴィーヴルちゃんもあやまってよ」
サーシャは小声でヴィーヴルに言いながら、瞬間移動の時に繋いだ手を離そうとしない。
「妾は早く帰りたいのじゃ。
手を離すのじゃ」
それでも、サーシャは手を離してくれない。
その為、ヴィーヴルもサーシャと一緒に怒られるような形感じになっていた。




