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ある龍の物語  作者: まっこ
第2章 臥龍
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34 新たな遊び(1)

「サーシャちゃん、来たのじゃ」


 ヴィーヴルはサーシャの家の前まで瞬間移動で移動してきた。

 少し家の前で待っていると、家の中からサーシャが勢い良く駆け出てきた。


「ヴィーヴルちゃん、おはよ~」


「サーシャちゃん、おはようなのじゃ」


「ヴィーヴルちゃん、きょうはかわであそびたいんだけどいい?」


「良いのじゃ。

 良いけど、何かやりたいことでもあるのじゃ?」


「うん」


 サーシャは肯定したものの、その内容までは伝えないようだ。

 多分だがその場まで秘密にしたいのだろう。

 それでも、ヴィーヴルには瞬間移動があるので秘密を保てる時間は非常に短いものになるだろう。


 ヴィーヴルはサーシャと手を繋いで、一緒に川まで瞬間移動でやって来た。


「さぁ、何をするのか教えて欲しいのじゃ」


「そのまえに、さかなをつかまえよ」


 遊ぶ前に、今日の分の作業を行うつもりなのだろう。


「分かったのじゃ。

 ならば、その前に薪拾いをするのじゃ。

 焚き火を起こしてから漁をするのじゃ」


「わかった~、じゃあ、もりにいこ」


 ヴィーヴルとサーシャは二手に別れて薪拾いを始めた。

 最近は2人とも、自分が何を集めるのか自然に別れていた。

 ヴィーヴルが薪となる枝や小枝を集めて、サーシャが焚き付けとなる松ぼっくりや枯れた松の葉がついた小枝を集める。

 ヴィーヴルの火魔法ならば焚き付けがなくても、問題なく薪へ火を点けることができるのだが焚き付けを用いて火を付けていた。


 それはさておき、声を飛ばす魔道具で連絡を取り合い、目的のものを拾い集めて帰ってきた。

 ただ、今回、ヴィーヴルが集めてきた薪は生木を何本か立ち木からそのまま切り出してきた。


「ヴィーヴルちゃん、おおきすぎない?」


「これは、ここで小さく切るのじゃ」


 ヴィーヴルは風魔法で持ってきた枝を、浮かせた状態で薪として使うのに丁度良いくらいの長さで切り分けた。

 その場には、あっという間に薪の山が出来上がる。


「きょうだけで、こんなにもやせないよ」


「使わなかった分は、ストレージの中に入れておけば良いのじゃ」


 ヴィーヴルとサーシャは、焚き付けと薪を組み上げて、焚き火の準備をした。

 ヴィーヴルが小さな火魔法を焚き火の方へと飛ばして、焚き付けへと火を移す。

 焚き付けは勢い良く燃え上がり、薪へと火が……なかなか移らなかった。

 乾燥させた薪ではなく、立ち木から切ってきたばかりの薪だったので薪の中に多くの水分が含まれていた。

 その為、煙ばかりが立ち上ぼり、薪が燃え上がらない。

 たまらず2人はその場から離れる。


「まぁ、今のうちに魚を捕まえるのじゃ」


「そうしよっか~」


 2人は川に入り、いつものやり方で魚を捕まえ始めた。


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