表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある龍の物語  作者: まっこ
第2章 臥龍
72/344

32 落とし穴

「ヴィーヴルちゃん、おはよ~」


「サーシャちゃん、おはようなのじゃ」


「きょうは、なにする~?」


 いつも通りの会話だ。

 そして、いつも通りにヴィーヴルが遊びの提案をするのだけど、今日は少し違っていた。


「今日は罠の様子を見に行きたいのじゃ。

 良いのじゃ?」


「うん、いいよ~」


 ヴィーヴルはサーシャの手を取り、龍の雌が作った罠の場所へと瞬間移動した。

 罠と言ってもただ穴を掘っただけではあったのだが、間違って穴へと落ちてしまう動物が偶にいたことにより、罠としての機能は満たしていた。


 今回、罠の中に動物の姿は見当たらなかった。

 正確に言えば、今回もであった。

 前回来た時も動物の姿はなかった。


「今日も居ない様なのじゃ」


「そうだね~」


 ヴィーヴルには食べ物を摂る必要はない。

 食べなくても生きていける。

 なので、罠に獲物がいなくても何の問題もない。


 ヴィーヴルが罠を張って、動物を捕まえる理由は、サーシャにご馳走するためだ。

 毎日、朝から夕方まで一緒になって遊んでいるサーシャに、魚だけではなく肉も食べさせたいからだ。

 実際、サーシャは魚より肉を食べるときの方が喜んでいる様だ。


 ストレージの中には、龍の雌が仕留めていた動物の肉は沢山残っている。

 だが、今のところは減る一方なので、少しは心情的にも余裕は持っておきたい。

 1匹捕まえれば、その余裕は持てるだろう。


(何とかして、1匹捕まえたいのじゃ……)


「このままでは、もう捕まえられないかもしれないのじゃ。

 何らかの工夫をする必要が、あるのかも知れないのじゃ」


「どんな?」


「それは……今から考えるのじゃ」


 動物に罠があることを分からせない様にするのだから、穴を隠せば良い。

 隠すだけならば、土魔法で穴を覆い隠すだけだ。


 土魔法で隠す時の強度を丁度良い具合にしないといけない。

 土魔法の強度を上げすぎると、動物が罠にかからず穴の上を通過していくだけだし、強度を下げすぎると小さい動物でさえも穴に落ちてしまう。

 どのぐらいの強度にするのかは、何度も試してみて経験することにより分かるものなので、今のヴィーヴルでは丁度良い強度は想像もつかない。


「今から、魔法で穴を隠すのじゃ。

 サーシャちゃんは、穴の側に近づいてはいけないのじゃ」


「わかった~、ここでまってるね」


 ヴィーヴルは土魔法を発動させて、穴を覆い隠した。

 そして穴の上を歩き始めて、反対側へと渡りきった。


(これでは、強すぎるのじゃ)


 穴の上を覆った土魔法を消し、先程より少し強度を落とした土魔法で穴の上を覆った。

 この作業を繰り返し行い、ヴィーヴルが乗って落ちる強度を探った。


「これで、妾より重い動物だけが穴に落ちるのじゃ」


「よかったね、ヴィーヴルちゃん」


「あぁ、良かったのじゃ。

 では、遊びに行くのじゃ」


「なにするの?」


「う~ん……川で漁でもするのじゃ?」


「わかった~、じゃあ、いこっか~」


 2人は川へ行き、漁を行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ