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ある龍の物語  作者: まっこ
第2章 臥龍
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30 水切り(2)

 ヴィーヴルは考えながら、石を川へと放り込む。

 石は跳ねることなく、水の中へと姿を消す。


 サーシャも同じように石を投げる。

 ヴィーヴルと同様に石は水の中へと消えていく。


 ただ、比較的平たい石を投げた時に、石が1度だけ水面を跳ねた。


「サーシャちゃん、今、1度だけだけど石が跳ねたのじゃ」


「うん、はねたね。

 はねたけど、どうしてだろ?」


 投げた当人には、どうして跳ねたのか原因は全く分かっていないようであった。


「何か違ったことは無かったのじゃ? 何でも良いのじゃ」


「えっとね……すこしだけど、なげにくかったかな?」


「投げにくかったのじゃ?」


「うん、なげにくかったかな」


 何故、投げにくい石が水面を跳ねることに関連するのか理由は分からないが、今のところ手がかりはそれしかないし、たった1度とは言え水面を跳ねたのも間違いない。

 ヴィーヴルは足元にあった小石を集める。


「この中で、同じように投げにくい石はあるのじゃ?」


 サーシャはヴィーヴルが集めた石を、次々と持ってみる。

 その中のうち、多少、平たい石を手にした時に声をあげた。


「あっ、これがちかいかも……」


「これなのじゃ?」


 ヴィーヴルは、今、サーシャが手にしている石を一緒に見つめた。


「この石だと、水を跳ねるのじゃ?」


「はねるかどうかわからないけど、なげたいしはこんなかんじだったとおもう」


「そうなのじゃ……」


 ヴィーヴルはサーシャから石を受け取り、詳しく石を見てみる。

 少し平たい以外には、他の石とは変わらない感じだった。


「似たような感じの石を集めてみるのじゃ。

 その方が、他の石を投げるより跳ねやすいのかもしれないのじゃ」


「わかった~」


 2人は少し平たいような石を集めていく。

 小さな山が出来たところで、集めるのを一旦止めた。


「では、これらの石を投げていくのじゃ。

 少しは跳ねやすくなったのかもしれないのじゃ」


「うん、はねるといいね」


 2人は集めた石を次々と湖へ向けて投げ込んでいく。

 全ての石が跳ねたわけではなく、何個かの小石が1段だけ水面を跳ねて飛んでいった。

 その結果、より平たい石の方が水面を跳ねることが分かった。


「サーシャちゃん、平たいような石を沢山、集めるのじゃ。

 平たい方が跳ねるかもしれないのじゃ」


「わかった~。

 けど、ひらたいいしってすくないよね?」


「……それじゃあ、こうするのじゃ」


 ヴィーヴルは丸い小石を風魔法で平たい石に分けた。


「最初から、こうすれば良かったのじゃ」


 ヴィーヴルは、足元にあった小石を浮かせて、平たい数個の小石へと変形させた。

 そして、2人は再び湖へと小石を放り始めた。

 平たい小石がなくなったら、ヴィーヴルが作り出す……と繰り返しながら……


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