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ある龍の物語  作者: まっこ
第2章 臥龍
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23 初めての漁(1)

「ヴィーヴルちゃん、きょうはなにするの?」


「今日は、魚取りをするのじゃ」


 サーシャの父親に買って貰った網を、未だに使っていなかったので網を使って漁をすることにした。


「うん、いいよ~」


 サーシャは考えることなく、ヴィーヴルの提案に同意する。


「漁をするとしたら、川か湖なのじゃ。

 サーシャちゃんは、どっちが良いと思う?」


「そうだね~、かわのほうがさかながたくさんいたとおもうから、かわにしない?」


「では、川へ行くのじゃ」


 ヴィーヴルはサーシャと手を繋ぎ、川まで瞬間移動した。

 久しぶりにやって来た川には、以前、ヴィーヴルの母親である龍の雌が作った生け簀がそのまま残されている。

 しかし、生け簀の中には大きな魚は相変わらず見当たらない。


 ヴィーヴルはストレージから網を取り出した。


「さて、網を使って魚を捕まえるのじゃ。

 網はどのように使えば良いのじゃ?」


「えっとね、えほんではあみをなげていたよ?」


「網を投げるのじゃ?」


 網を川へと放り投げる。

 ヴィーヴルが渡された網は投網ではない。

 更に言えば、魚を捕ることに関しては素人でしかも子供なのだから、何をどうすれば良いのか全く分からない状態だった。

 唯一の知識は、絵本に描かれていた投網を打っているところが描かれたものだけだ。


 網は纏まったまま川へと着水した。

 当然ながら、魚は1匹も網の中には入らない。


「これは、魚を捕まえられそうな気がしないのじゃ」


「そうだね……どうしよっか?」


 2人は首を傾げて考えた。


 川は相も変わらずに光を反射させながら、水はそこに留まることなく流れ続けている。

 ヴィーヴルは良い考えが思いつかず、足元にあった石を取り上げて川へと投げ込んだ。

 石の落ちた場所の近くに居た魚たちが、四方八方へと逃げていくのが見えた。


 ヴィーヴルは再び川に石を投げこむ。

 再び、石の落ちた付近では同じような光景が見られた。


「そうじゃ。

 網で魚を捕まえるのではなく、魚が網に来るようにすれば良いのじゃ」


「どうゆうこと?」


「魚は何かが近くに来ると、吃驚してそこから逃げるのじゃ。

 それならば、逃げる方向を妾達で制限すれば良いのじゃ」


「どうやってやるの?」


「さっき石を投げた時に、石の落ちた場所から離れる様に逃げたのじゃ。

 例えば、こんな風に……」


 ヴィーヴルは土魔法で川に2つの土の塊を落とした。

 土の塊を落とされた付近に居た魚たちは、川上と川下に別れて逃げて行った。


「こんな風に、2手に別れて逃げるのじゃ。

 片方は諦めるとして、もう片方の方は更に同じ方へ逃げる様に仕向けるのじゃ」


 川下へ逃げた魚の少し上流部に、再び土の塊を2つ落とした。

 驚いた魚たちは更に下流へと逃げる。


「あの先に網を広げて置いておけば、きっと、魚の方から網に向かってくるのじゃ」


「それ、いいよ。

 やってみよ」


 サーシャはヴィーヴルの案に賛成してくれた。


「では、網を仕掛けるのじゃ」


「どっちにはるの?」


「下の方に張るのじゃ」


「わかった~」


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