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ある龍の物語  作者: まっこ
第1章 誕生
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06 捕らえる

 暫くして、茂みの中から弓を持った男が一人静かに出てきた。


「お母さん、何か来たよ」


 ヴィーヴルは、雌の龍に小さな声で耳打ちする。


「そうね。

 あれは、多分狩人だと思うけど、どうしてここまで来たのかしら?」


 雌の龍は顎を摘みながら、小首を傾げた。


(とりあえず、事情を聴いてみる必要はありそうね)


 とは言え、このまま出て行ったら攻撃されるかも知れない。

 だが、話をしてみない事には何も始まらない。


「ヴィーヴル、戦いになるかも知れないから、ここで静かに待っていてね」


「はい、お母さん」


 そして、狩人の男の方へと向き直り……


「狩人の男よ。

 あなたは、何故ここへ来たのですか?」


 姿を木陰に隠したまま、雌の龍は狩人に問い正した。

 狩人の男は、来た方向へと数歩身を翻すと同時に、こちらの方向へと矢を番えた。


「聞きたいことがあるのなら、姿を見せるのが筋だと思うぞ」


「……分かりました。

 今、姿を見せますが、驚いてもそれを放たないでください」


 間違って放たれたとしても大丈夫なように、風魔法で風の盾を作っておく。

 そうして、木陰から狩人の男の前へと降り立った。


 まさか、空から降りて来るとは思っていなかった狩人の男は矢を放ちそうになったが、寸での所で堪えた。


「驚いた。

 まさか空から降りて来るとはな……しかも、その角はただの女じゃないようだな。

 此処で何をしていたのか、正直に言え」


「貴方は姿を見せろと言ったので、私は姿を見せました。

 問うていたのは私で、貴方ではありません。

 私の問いには、答えていただけないのですか?」


「大した度胸だが、こちらは矢を番えたままだというのが見えていないのかな?」


「その様なものは、こうすれば良いだけですので……」


 雌の龍は風魔法で、矢を半分に切り落とした。

 無詠唱の風魔法だったので、狩人は何故矢が突然切り落とされたのか分からなかったが、無意識に次の矢を番えようと背中の矢筒へと手を回そうとしていた。

 しかし、それより先にまたもや無詠唱で発動された氷魔法の槍が狩人の目の前に刺さる。

 突然現れた氷の槍に驚いた狩人は、距離を取り体制を立て直そうと考えた狩人は後方へと飛ぼうとした。

 だが、そこにはいつの間にか作られていた土魔法の壁にぶつかり尻餅をついた。


「まだやるのかしら? 次は、弓か腕を切り落とすしかないのですが?」


「それは勘弁してくれ。

 商売道具を取り上げられたら、生きていけなくなってしまう」


「それじゃあ、話してもらえるかしら?」


「分かった、何でも聞いてくれ」


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