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ある龍の物語  作者: まっこ
第2章 臥龍
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05 新たな魔道具の準備

「サーシャちゃん、これだけ貰っても良いのじゃ?」


 森の家の中で、2人の宝物を整理していた途中で、ヴィーヴルが何個かの水晶を持ったままサーシャに告げた。


「うん、いいよ~。

 でも、なんにつかうの?」


「今考えている、新しい魔道具に使ってみたいのじゃ」


「そうなんだ~、どんなのをつくるの?」


「まだ、秘密なのじゃ」


「え~、おしえてよ~」


「ダメなのじゃ。

 上手く出来たらサーシャちゃんにもあげるから、それまで楽しみに待っていて欲しいのじゃ」


「あれ? いまつくるんじゃないの? いままでって、すぐにつくっていたよね?」


「そうなのじゃ。

 他にも準備しないといけないものもあるのじゃ」


「そうなの?」


「うん、そうなのじゃ。

 それに、今回作ろうとしているのは難しいものなのじゃ。

 失敗するかもしれないのじゃ」


「そうなんだ~、がんばってね」


「頑張るのじゃ」


「サーシャもてつだおうか?」


「サーシャちゃん、手伝ってくれるの?」


「うん、だってできたものをサーシャにもくれるんでしょ? それなら、サーシャもてつだわないと」


「それじゃあ、今から洞窟の方へと行くのじゃ」


「分かった~」


 2人は洞窟の前へと、ヴィーヴルが瞬間移動を行使して移動してきた。

 そのままヴィーヴルに促されて、既に伐り倒してある木の前へと歩みを進める。


 ヴィーヴルは土魔法そして水魔法を使って、水溜りを作り出した。

 そして、風魔法で木の皮を剥ぎ、細長く切り分けた後に先ほど作った水溜りの中へ木の皮を漬けた。

 以前、龍の雌がやった木の皮を柔らかくする方法を、同じ工程で行っていた。


「ヴィーヴルちゃん、また、籠を作るの?」


「それも作るのじゃ。

 だけど、他のも作るのじゃ」


 ヴィーヴルは魔法で皮が剥かれた木から、小さい四角形の木片を2つ切り出した。


「サーシャちゃんには、妾と一緒にこれをくり抜いて箱を作って欲しいのじゃ」


 くり抜くだけなら、ヴィーヴルが魔法を使えばすぐに作れる。

 そうせずに手間が掛かる方を選んだのは、サーシャと一緒に作業がしたかったからだった。

 サーシャが手伝いを申し出てくれたことが嬉しくて、自分も一緒に作業をしようと決めたからだ。


「じゃあ、うちにナイフがあるから、うちでやろ~」


「分かったのじゃ」


 2人は再び瞬間移動でサーシャの家へと移動した。

 その後、2人はサーシャの家の前で木片をくり抜き始めた。

 その作業は日が暮れても終わらせることが出来ずに、次の日も木片と格闘することとなった。


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