05 新たな魔道具の準備
「サーシャちゃん、これだけ貰っても良いのじゃ?」
森の家の中で、2人の宝物を整理していた途中で、ヴィーヴルが何個かの水晶を持ったままサーシャに告げた。
「うん、いいよ~。
でも、なんにつかうの?」
「今考えている、新しい魔道具に使ってみたいのじゃ」
「そうなんだ~、どんなのをつくるの?」
「まだ、秘密なのじゃ」
「え~、おしえてよ~」
「ダメなのじゃ。
上手く出来たらサーシャちゃんにもあげるから、それまで楽しみに待っていて欲しいのじゃ」
「あれ? いまつくるんじゃないの? いままでって、すぐにつくっていたよね?」
「そうなのじゃ。
他にも準備しないといけないものもあるのじゃ」
「そうなの?」
「うん、そうなのじゃ。
それに、今回作ろうとしているのは難しいものなのじゃ。
失敗するかもしれないのじゃ」
「そうなんだ~、がんばってね」
「頑張るのじゃ」
「サーシャもてつだおうか?」
「サーシャちゃん、手伝ってくれるの?」
「うん、だってできたものをサーシャにもくれるんでしょ? それなら、サーシャもてつだわないと」
「それじゃあ、今から洞窟の方へと行くのじゃ」
「分かった~」
2人は洞窟の前へと、ヴィーヴルが瞬間移動を行使して移動してきた。
そのままヴィーヴルに促されて、既に伐り倒してある木の前へと歩みを進める。
ヴィーヴルは土魔法そして水魔法を使って、水溜りを作り出した。
そして、風魔法で木の皮を剥ぎ、細長く切り分けた後に先ほど作った水溜りの中へ木の皮を漬けた。
以前、龍の雌がやった木の皮を柔らかくする方法を、同じ工程で行っていた。
「ヴィーヴルちゃん、また、籠を作るの?」
「それも作るのじゃ。
だけど、他のも作るのじゃ」
ヴィーヴルは魔法で皮が剥かれた木から、小さい四角形の木片を2つ切り出した。
「サーシャちゃんには、妾と一緒にこれをくり抜いて箱を作って欲しいのじゃ」
くり抜くだけなら、ヴィーヴルが魔法を使えばすぐに作れる。
そうせずに手間が掛かる方を選んだのは、サーシャと一緒に作業がしたかったからだった。
サーシャが手伝いを申し出てくれたことが嬉しくて、自分も一緒に作業をしようと決めたからだ。
「じゃあ、うちにナイフがあるから、うちでやろ~」
「分かったのじゃ」
2人は再び瞬間移動でサーシャの家へと移動した。
その後、2人はサーシャの家の前で木片をくり抜き始めた。
その作業は日が暮れても終わらせることが出来ずに、次の日も木片と格闘することとなった。




