03 水浴び
「きょうはどこいくの?」
ヴィーヴルは毎朝、サーシャの家へと迎えに行っている。
そこで、サーシャの先の質問を受けてヴィーヴルが何をして遊ぶか提案していた。
大抵は、洞窟へ行って探検するか森の家へ行って宝物の整理、もしくは絵本を読むぐらいだった。
「今日は、湖へ行くのはどうじゃ?」
「みずあそび? いいよ~、いこ~」
「では、早速行くのじゃ」
ヴィーヴルは手を差し出し、サーシャはヴィーヴルと手を繋いだ。
一呼吸おいて、ヴィーヴルは瞬間移動を行使して湖へと移動した。
「着いたのじゃ」
「わ~い、ヴィーヴルちゃん、およご」
「分かったのじゃ」
サーシャは着ていたものを脱ぎ捨てて湖へと向かった。
ヴィーヴルは裸の状態へと変化して、サーシャの後を追いかける。
サーシャが湖へ片足を付けた時に、ヴィーヴルが声を上げる。
「サーシャちゃん、待つのじゃ」
「どうしたの? ヴィーヴルちゃん」
「焚き火の準備をしておらんのじゃ。
お母さんと一緒に来た時には、先に薪を集めて焚き火の準備をしてから湖に入ったのじゃ」
「あっ、そうだね。
じゃあ、このまままきをひろおっか」
「そうするのじゃ」
2人は裸のまま、森へ入って薪拾いを始めた。
「サーシャちゃん、枯葉や松ぼっくりもあったら拾うのじゃ。
それらが燃えやすいと教えて貰ったのじゃ」
「わかった~」
暫くして、2人は両手に抱えきれない程の小枝や松ぼっくりを抱えて森の中から出てきた。
それらを纏めて湖畔に置いておく。
「さぁ、行くのじゃ」
「うん、いこ~」
2人は手を繋いで水の中へと入って行き、水浴びを始めた。
周りには2人以外誰もいない……いくら騒ごうが誰も文句を言わない。
その後、龍の雌が旅立つ前日に作った生け簀を覗いてみる。
生け簀の中に入った目ぼしい魚はその時に捕まえて食べてしまったので、小さい魚が数匹入っているだけだった。
「小さい魚しかいないのじゃ」
「おっきいのは、まえ、ぜんぶつかまえちゃったもんね~」
「捕まえられるのじゃ?」
「つかまえても、たべられないとおもうよ? やいたら、なにもなくなっちゃいそう……」
「今日は魚はお預けなのじゃ」
「そうだ、ヴィーヴルちゃん。
こんど、くるときまでにあみをつくろっか」
「網なのじゃ?」
「えほんのなかで、あみをつかっておさかなをつかまえていたよ。
かえったらそのえほんをみて、あみをつくろうよ」
「分かったのじゃ。
では、ストレージの中の肉を焼いて食べるのじゃ」
「うん」
湖から上がって来た2人は、ヴィーヴルの風魔法で身体の水分を切り飛ばし、服を着て焚き火を熾した。
肉が焼き上がるのを待っている間、2人は網について話し合っていた。




