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ある龍の物語  作者: まっこ
第1章 誕生
39/344

39 潜伏

 龍の雌は洞窟を出て、最初に潜伏した洞窟の前まで瞬間移動で移動した。


(此処の痕跡も消しておきましょう)


 出口の少し上側へ土魔法を打ち込んで、地滑りを起こさせた。

 これにより、洞窟への出入り口は完全に塞がれた。


(これで大丈夫でしょう)


 大きく一呼吸した後、かつて龍の雄と暮らしていた方へと向けて飛び立った。


 数年前に此処へと逃げ延びてきたが、龍の雄の事は忘れたことなどなかった。

 ただ、ヴィーヴルがある程度まで成長するまでは、守り、育てていかなければいけない。

 しかし、自分に残された期限はあと僅か……自身の身体を蝕む術の進行具合でそのことは分かる。

 多分、今が最後のチャンスだろう。


(どうしても、この想いだけは残したまま逝くことは出来ないわ……)


 ヴィーヴルと一緒に、死ぬまで寄り添って生きていくという思いも頭を過ったことは、1度や2度ではない。

 それでも、その度に龍の雄の顔が思い浮かぶ。

 その龍の雄に『ヴィーヴルと共に生きていく』ことを問い掛けると、微笑みを返してくれる。

 その方が正しいことも、龍の雄が望んでいるであろうことも分かっている。

 頭では分かっているのだが、最終的には正しくない方を選択してしまう。


(こうすれば、怒り狂った龍が単独で暴れ回っただけで終えるでしょう)


 だから、ヴィーヴルは連れて行けない。

 それに、怒り狂ったことを強調するためにも、自分の命は元より捨てる覚悟だ。

 暴れ回って何処かへと帰って行ったら捜索の手が入るだろうし、何より『狂った』とは思われないだろう。


 元居た場所が近づくにつれて、巨大な岩の塊が目に入ってくる。


(あの人のものね……)


 街からは離れた上空から、遠目にその岩の塊を眺めていた。


(まるで、お墓みたいね)


 街はその岩を避けるようにして、新たに拡張されていた。


(まずは、あの結界をどうにかしないといけないわね。

 何とか中に入り込んで、結界を解いて……)


 龍の雌は見つからないように、森の中を縫うように飛んで結界へと近づいた。


 かつて龍の雄が破壊し、龍の雌とヴィーヴルが抜け出した部分は張り直しが行われたようで、綺麗な結界が張られていた。


(壊して入るしかないのかしら?)


 龍の雌は結界の傍に土魔法で穴を掘り、暫くの間、潜伏しながら方法を考えることにした。


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