33 魔道具を作る(3)
その後も、ヴィーヴルは魔道具を作る練習を行っていた。
暫くすると、龍の雌が作ったものと同じようなものが作れるようになっていた。
「サーシャちゃん、これも試してみて」
「うん、やってみるね」
ヴィーヴルは、サーシャに魔道具へと変化させた小石を渡した。
サーシャはすぐに魔法を使おうとしたのだが、魔法が発動しなかった。
「? ヴィーヴルちゃん、これ、うまくうごかないみたいよ?」
「それは、炎の魔道具にしたのじゃ。
発動させるためには、『炎』と言わないとダメなのじゃ」
そう言って、ヴィーヴルは笑っていた。
火の玉の魔道具を作るのに飽きてしまったので、別の魔法を仕込んでサーシャを揶揄った。
「ヴィーヴルちゃんのいじわる」
サーシャの頬が膨れた。
「ごめんなのじゃ。
さぁ、試してみるのじゃ」
「つぎにやったら、ゆるさないからね」
サーシャはそう言いながらも、魔道具を使って魔法を発動させた。
「上手く動いている様なのじゃ」
ヴィーヴルにとって火の玉以外の魔道具を作ったのは初めてだったので、多少の不安はあった。
先程の悪戯は、その不安を隠すためのものだったのかもしれない。
その後もヴィーヴルは魔道具を作っていたのだが、突然、その手を止めた。
「どうしたの? ヴィーヴル」
「お母さん、ものに魔力を籠めて魔道具にするのじゃ?」
「そうね、魔道具はそうやって作るわね」
「魔力を籠めるものによって、籠められる魔力の量って違うのじゃ?」
「えぇ、魔力を多く閉じ込めて置けるものと、それ程でもないものがあるわ」
「小石はどうなのじゃ?」
「小石はそれ程多く閉じ込めて置けないわね。
魔力をどれだけ閉じ込められるかは、そのものの種類と大きさによって違うの。
石と木を比べた場合には石の方が多く閉じ込められるし、同じ石だったら大きい方が多くの魔力を閉じ込められるわ。
だけど、そこまで大きいと持ち運べないでしょ? だから、そのことも考えてどれを魔道具にするか考えないといけないのよ」
「これはどうなのじゃ?」
そう言って、ヴィーヴルは水晶のかけらを取り出した。
サーシャと一緒に行った洞窟探検で見つけたものの1つだ。
「そうね、その大きさでも小石の2倍は魔力を籠められるわよ」
「そうなのじゃ……」
「ヴィーヴルちゃん、また、たんけんにいって、それをさがそうね」
「分かったのじゃ」
今までの洞窟探検では、ただ綺麗なものを集めるというだけであったが、今後は魔道具にできるものを集めるという目的が出来たようだった。




