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ある龍の物語  作者: まっこ
第1章 誕生
30/344

30 遊びはいつも通り

「ヴィーヴルちゃん、きょうもどうくつのなかをたんけんしよっ」


「分かったのじゃ」


 ヴィーヴルとサーシャは、今日も洞窟の奥へと続く通路を入って行き、鉱石などを探していた。

 最近は通路の途中からヴィーヴルの魔法で洞窟の壁を少しずつ壊して、砕けた瓦礫の中から探し出すという作業を続けていた。

 その中からより綺麗な、より光り輝くものを選抜して森の家へと持って行き、そこで更に選抜して……と、より良いものを森の家へと隠していた。


 集められた鉱石は、何をするでもなく眺めているだけだったのだが、2人はそれで満足していた。

 2人で一緒に宝探しをして、2人で森の家へ隠す……2人で同じことをして、2人で共通の秘密を持つという事に意味があるのだろう。


 ところが、今日は少し勝手が違っていた。

 ヴィーヴルが壊した壁から、大量のしかも大きなミスリルやオリハルコンの塊が出てきた。

 どうやら、偶然ながら鉱脈を掘り当ててしまったようだ。


「ヴィーヴルちゃん、なんかいっぱいでてきたよ」


「そうなのじゃ。

 これはどうすれば良いのじゃ?」


「こんなにたくさん、もりのいえにもっていけないしね~」


「それに、こんなにあるのでは、集めようという気も無くなるのじゃ」


「そうだね~。

 いままではちいさかったからかわいいとおもったけど、こんなにおおきかったらかわいくないよね」


 2人は大量のミスリルやオリハルコンの鉱石の前に、呆然と立ち竦んだ。

 ドワーフが見たら泣いて喜ぶ光景なのだが、2人にはその価値が分かっていない。

 綺麗で可愛いと思ったから集めていただけで、武器や防具を作ろうという発想がないのだから仕方がない。


「ヴィーヴルちゃん、どうする?」


「う~ん、これを集めるのは止めるのじゃ。

 今からは、あの透明な奴だけにするのじゃ。

 あれは小さいのしか見つかっていないのじゃ」


 透明なやつ……この洞窟ではあまり見つかっていない水晶の事だった。

 今まで見つかった水晶のかけらは殆どなく、ミスリルやオリハルコンよりもヴィーヴルとサーシャにとっては貴重なものだった。


「でも、あれもおおきいのをみつけたらどうする?」


「その時は……その時に考えれば良いのじゃ」


「……うん、そうだね。

 じゃあ、いまから、とうめいなやつをさがそっか」


「分かったのじゃ。

 では、あっちの方へ行ってみるのじゃ」


「うん、いこ~」


 2人は連れ立って他の場所へと移動した。


「この辺でやってみるのじゃ」


「うん、おねがいね」


 ヴィーヴルが魔法で壁を崩す……瓦礫を見てみると、またミスリルやオリハルコンの塊が大量に含まれていた。

 しかし、水晶らしきものは見当たらない。

 そうやって2人は日がな一日、遊んでいた。


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