26 扉を作る(1)
「お母さん、今日はサーシャちゃんのお家で遊んでくるのじゃ」
「分かったわ。
日が暮れる前に、迎えに行くわね」
「うん、分かったのじゃ」
「おばちゃん、いってくるね」
ヴィーヴルはサーシャを連れて、ヴィーヴルが作った家の前へと瞬間移動した。
(さてと……作業を再開しましょうか)
龍の雌は引っ越してから少しずつ行っていた、洞窟の広場を平らにして広くし、尚且つ壁面や天井を強化するという作業を再開させた。
「まずは、とびらってどうやってつくっているのか、みてみないとね」
「そうなのじゃ。
あた……妾達は扉の事を何も知らぬのじゃ」
そう言って2人はサーシャの家の入口へと歩き、扉を開け閉めしていた。
「きのいたをはりつけているだけだね」
「横に木の板を並べて、縦に置いた木の板で止めているだけなのじゃ。
此処に来た時にお母さんが言っていた釘と言うもので止めているのじゃ」
「くぎはどうやっててにいれよう?」
「釘は無くても、板の代わりになる物は作れるのじゃ」
「え? どうやって?」
「木の皮を剥いで、その皮を編めば良いのじゃ」
「どうやるの?」
ヴィーヴルとサーシャは、以前、龍の雌が横に避けておいた伐った木の前へと移動した。
ヴィーヴルは一番上に置いてあった木を魔法で浮かせ、風魔法で木の皮を剥ぎ取った。
樹皮の剥がされた木は、元の所へ積まれて、ヴィーヴル達の前には樹皮だけが残されていた。
「そして、こうするのじゃ」
ヴィーヴルは樹皮を魔法である程度の幅と長さで斬り揃えた。
「これを、こうして交互に重ねていくと、板の様になるのじゃ。
後はこれを重ねれば、頑丈になるのじゃ」
そう言って、ヴィーヴルは樹皮を編みこんでいった。
「すごい、ヴィーヴルちゃん。
よくしっていたね?」
「前にお母さんが、こうやって作っていたのじゃ」
「そっか~、じゃあ、わたしもやるね」
サーシャも樹皮を編み始めた。
暫くすると、置いてあった樹皮は全て編み込まれて無くなっていた。
代わりにヴィーヴルとサーシャの手元には、編みこまれた樹皮がそれぞれ1枚ずつあった。
「次は、これをこうして……」
細い枝の樹皮を剥いで、紐のようなものを作り出す。
その紐でヴィーヴルとサーシャの作った物を重ね合わせた。
「これで、出来上がりなのじゃ」
2枚張り合わせた樹皮の板。
あとは、これを持って行って入り口の大きさに合わせて切れば、扉としての格好は付くだろう。




